■1.ロングビーチで17年前に開催された誇り高き旧車イベント「JCCS日本旧車集会」とは?
空前の旧車ブームに沸くアメリカ西海岸で17年前から開催されているJCCS(Japanese Classic Car Show日本旧車集会)というカーショウをご存じだろうか?
例年10月末にカリフォルニア州ロングビーチで開催されてきたJCCSだが、筆者が取材に足を運んだ2021年は諸々の事情でロングビーチではなく、大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスのホームである「エンジェルスタジアム」の途方もなく広い駐車場で開催された。
来場者は約1万人。
入場時には数百メートルに及ぶ長い列ができており、日本の旧車を見るためだけにこんなにたくさんのアメリカ人が我慢強く並んでいるのか!と、驚くとともに感動した次第である。
そして今年は9月10日に、いつものロングビーチ(マリーナ・グリーン・パーク)で17回目となるJCCSが開催された。
来場者数は史上最高の1万1千人。
展示された日本の旧車はこちらも過去最高の540台!
■主催者であるテリー&コウジ山口さんに今年のJCCSを振り返っていただいた
「今年は南カリフォルニア過去最大規模の台風が来ると予報が出ていて、実際最後の最後まで問い合わせが絶えませんでした。
私たち運営側も最後まで気が気じゃなかったのですが、開催前日の夜までの雨でなんとか切り抜け当日は朝から無事に雨無しで決行!
ギリギリまで心配の声の嵐でしたが事前登録車両もほぼ全車参加となり、すばらしい結果を残すことができました。
そのような意味も含め、開催側や参加者全員が、ハラハラした印象の強いイベントとなりました。
今年はとくに、アメリカでの日本車の歴史に欠かせないレーシングレジェンド『BRE』のピーター ブロック氏のご参加いただいたので、これはファンにとっては非常に喜ばしいことだったと思います。
ロングビーチの公園が小さく思えてしまうほどの旧車ファンが集まり、ピーターさんはどこに行っても大忙しという盛況ぶりでした。
今年の出展車両の傾向としては80年代後半~90年代のクルマが多かったように思います。
今年初めて参加という方が全体の4分の1を占めていました。
コロナ感染拡大の中にあって十分な準備時間を使ってレストアを完成させたオーナー達もたくさんいらっしゃったでしょう。
かなり事前から参加計画しバッチリ実行したという感じが伝わりました。
また、アメリカ国内はもちろん、まだコロナによる規制などもギリギリあった時期にもかかわらず、日本からの出店を含め、合計80社を超える出店者数も史上最高でした」
▲JCCSを主催するテリー&コウジ山口さん夫妻。自動車メーカーやパーツメーカーからの信頼も厚い
■2.アメリカにもこんなすごい旧車があるの?気合入りまくりの10台を紹介
第17回JCCSにはどんな旧車が出展されたのだろうか?
どれも美しく丁寧に仕上げられた車両ばかりだが、中でもえりすぐりの10台を紹介してみたい。
なお、第17回JCCSでは合計35部門にわたって、アワードが設定されており、厳格な審査のもとそれぞれの部門で「BEST OF 〇〇〇」が選ばれている。
1『ベストダットサン240Z』部門の1位を獲得した Jay Atakaさんの1971年型日産フェアレディZ(S30 RHD/L20)。圧巻の完成度に会場の注目を集めていた。アメリカの有名自動車雑誌や有名TV番組でも紹介されている。
2『ベストダットサン80's』部門1位を獲得したGustavo Sanchezさんの1985年式日産200sx(S12/VG34E)。1985年式日産 200sx with a VG34E. JDMテイストとヨーロピアンテイストを合わせたS13コンバージョンだ。
3『ベストマツダ OLD SCHOOL』部門1位。Mike & Barbara Malamutさんの1964年式マツダR360(360cc)と、牽引するT2000 (マツダ初の空冷2気筒16馬力)は希少な左ハンドル仕様
4『ベストダットサン510』部門1位のErick Águilarさんの1971年式ダットサン510は、なんとホンダS2000のF22Cエンジンに換装。今年JCCSデビューさせる為に仕上げてきたレストモッドだ。
5『ベストトヨタカローラAE86 AE92』部門1位。Abraham Phanさんの1985年式トヨタカローラ(AE86)はこちらがJCCSデビュー作だ。
6『ベストホンダインテグラ』部門2位。Matt Garciaさんの1990年式ACURAインテグラ(DA9/B20)は、20年以上所有している「サバイバー」JCCS 初参加!
7『ベスト三菱』部門1位のAlejandro Serranoさんの1993年式三菱3000GT VR4 2ドア。こちらもJCCSデビュー作。
8『ベストマツダRX7』部門1位。Matt Craibさんの 1989年式マツダRX-7(FC3S/13-B Turbo)。なんとレストアなし!オールオリジナルの奇跡の1台。
9『ベストトヨタカローラOLDSCHOOL』部門1位。Dennis Aquinoさんの1975年式トヨタCorolla(TE31)は2TGエンジンを搭載。
10『ベストトヨタOld School』部門1位。Rob Tsuyukiさんの1973年式トヨタクラウンスーパーサルーン
▲ワイスピ超人気俳優、サン・カン氏(写真中央)とダニエル.ウー氏(写真左端)もDoc Zとともにプライベート参加!
▲こちらがサン・カン氏のDoc Z(Erick’s racing booth)
▲JCCSの運営スタッフの皆さんお疲れさまでした!
[撮影・写真:Kit, Johnny, Toshi & Riki / ライター・自動車生活ジャーナリスト加藤久美子]