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■実はワタクシ・・・・
実はワタクシ、過去に映画カメラマンだったときがあります。
映画といっても「産業映画」や「教育映画」が多く、あとはスタジオでのCF撮影やアニメーション撮影などもこなしておりましたが、まあそれもフィルムを使っていた時代のお話。
とはいえ、今でも企業向けのムービー制作や、観光映像などの演出や撮影に関わったりしています。
フィルムからデジタルに時代が変わっても、レンズを使って撮影する「カメラ」の撮影の基本は、実はあまり変わらなかったりするものです。
■写真を考えてみる
というわけで、ほとんどの皆さんが持っているであろうスマートフォン 。
スマートフォンは、たいてい「写真」の撮影ができますね。
お出かけしたときだけでなく、普段から自分のクルマの写真を撮ったりしていると思うのですが 、そういうふうに撮っている「写真」って、自分で見てどうですか?
雑誌やウェブに載っている、プロの人が撮った写真と「違う」のはなんとなく「解るような気がする・・・」という感じだとは思いますが、どうせ撮るならカッコよく綺麗に撮りたいですよね。
普段何気なく撮っているスナップ写真でも、たまには「いいね!」って時があるけれど、やはりいい感じで写してみたいもの。
それって実は、プロ用の機材を使ってるからとかの違いだけでなく、露出などの「光」の使い方、場所や時間にあった「設定」の選び方などが大きな理由でもあるのです。
■構図は大事
で、実はそれだけではなく、コレからお話しするような 「写真のレイアウト」、すなわち「構図」も 大きな「違い」の理由のひとつだと思います。
写真を撮るとき、なんとなく「構図」って考えてるとは思いますが、じっくり「考えて撮る」と少しだけいつもよりイイ写真、ちょっとイイ感じの写真が撮れるのではないかと思うのです。
というわけで、今回は写真撮影時にちょっと役立つ 「構図」について考えてみようかと思います。
さて、ここでいう「構図」にも、実はある程度の「作法」があります。
なので、ここではよく言われる「作法(スタイル)」をいくつかご紹介。
コレから自分で写真を撮るときに 、ちょっとだけ意識してもらえればいいかなと思うのです。
■構図とかレイアウトとか
この写真の構図の考え方は、 ほぼそのまま「映画」や「アニメーション」でも同じように作られており 、ソレは「画面のレイアウト」という呼び方で 、専門のスタッフがレイアウトを手がけるのが一般的です。
スタッフロールにも「レイアウト」とかの役職が出てくるときがあります 。
なので、コレからは映画やアニメーションを観るときも、ちょっと気をかけて観ていると写真を撮る際にも使えるような色々な発見があると思います。
なお、今回は画面解像度1920ピクセル×1080ピクセルという、パソコンで使われる一般的な画面サイズ(FHD)でお話を進めていきます。
スマートフォンは機種によってサイズの違いがさまざまですが、構図そのものの考え方に大きな違いはありません。
と、前置きが長くなってしまいましたが、ではスタート。
■1.日の丸構図
って、いきなりクルマじゃねえじゃん! とか言わないでね。
ネコは全てを赦します。
というわけで、この「日の丸構図」と呼ばれる構図は、メインの被写体をど真ん中に持ってくるシンプルでわかりやすい構図。
ありきたりすぎて「つまらない」写真の代表といわれることもありますが、記念写真などでもよく見かける安定したとてもいい構図だと思います。
■2.対角線構図
いわゆる遠近法で見せる構図 。
奥行きであったり、動きなどを表すときに使う構図で 、スマートフォンなどの場合は広角側で撮るといい感じになると思います 。
大きなものを撮る時などに使うと、結構効果的かもしれませんね。
って、クルマ出てこねえ・・・・
■3.シンメトリー構図
基本「左右」あるいは「上下」が線対称となる構図で、ベーシックな構図として写真だけでなく絵画などでも多用されているのはご存知の通り。
古典的な構図としては定番という感じです。
クルマはどうした!
■4.三分割構図
写真構図の基本ともいわれている、画面を縦横に三分割した交点に被写体を置く方法。
線の交点あたりに、何か目立つものを配置してバランスをとる。
コレも絵画の考え方から使われる構図です。
ここではヘッドライトや人物の顔がだいたい交点に、背景の壁を水平線に見立てている感じです。
■5.動いてるヤツは前を空けろ
動いている被写体(クルマだ!)を撮るとき、進行方向を空けておくと「動いてる感」が増してちょっとカッコよくみえる(ハズ)です。
試してみるといいですよ。
ここでも水平線を向こう側の歩道のラインに合わせていますが、水平線が「水平」になっていると安定感が増します。
■6.光と影
これは「構図」の話ではないのですが、光と影をうまく使うと、普段見慣れたなんでもない風景もドラマティックに見せることができるかもしれませんね。
ボディに映る風景なんかも、うねうね曲面に沿ってこんなカタチになるんだ!という発見があったりします。
と、いう感じでさらりとご紹介いたしましたが、いかがでしょう?
なんだよ、こんなの知ってるぜ!という方も多いかと思います。
構図の話などは写真撮影のノウハウとかの記事で見かけたりもしますよね。
ということは、この「構図」の選び方、使い方というのはそのくらいポピュラーな考え方なんだと思うのです。
普段スマートフォンで写真撮る際も、ちょっとだけ「構図」を考えて撮ってみると、なんとなくウデが上がったような気分になるかもしれません。
頭の中に描いたイメージ通りに撮るってのはなかなか難しいものですが、構図を考えたりすることでそのイメージに少しでも近づけることができますよ。
[ライター・画像 / まつばらあつし]