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日産のみならず日本が世界に誇るスポーツカー“スカイラインGT-R”。その歴史の最後を締めくくることになったモデルが、R34型スカイラインGT-Rです。今回はそんな伝説的な存在でもあるR34型スカイラインGT-Rを振り返りつつ、最低1000万円以上と言われる脅威の中古車相場の秘密について解説していきます。
歴代最後の「スカイラインGT-R」R34 GT-R
通算10代目となるスカイライン(R34)が登場した1998年5月から8か月遅れとなる1999年1月、R34スカイラインGT-Rは誕生します。2007年に新たなGT-Rが誕生しますが、このR34型がスカイラインの名を持つ最後のGT-Rです。
ややグランツーリスモよりの大柄だった先代R33型から一転、全長75mm、ホイールベースで55mmサイズダウン。前後重量配分が改善したこともあり、コーナリング性能の向上が図られています。
最高出力280馬力、最大トルク40.0kg・mを発生するRB26DETTエンジンや、電子制御4駆のアテーサE-TSを継承しつつ、シリーズ初となるゲドラグ社と共同開発した6速MTを搭載。さらに、R34スカイラインGT-Rを語る上で忘れてはいけないのが、上級グレードであるVスペックに装備されていたアドバンスドエアロボディです。レーシングカーに採用されるような大型ディフューザーを前後に装備し、ボディ下面の空気の流速を高めることでダウンフォースを発生。当時の国産市販車としては、究極の空力パーツを装着していました。
ノーマルグレード以外に、走りを重視したVスペック系のほか、乗り心地を重視したMスペック。そのほか、N1耐久レース参戦用ベースモデルであるN1や限定モデルのNür(ニュル)などが存在します。
R34 GT-Rの中古車価格は新車価格3倍~4倍!
タイトルにもあるとおり、R34スカイラインGT-Rの中古車相場は、異常と言っても過言ではない状態が続いています。原稿執筆時(2020年10月)の、大手中古車検索サイトに掲載された価格情報は、最安モデルで車両本体価格980万円!状態は走行距離約10万kmで修復歴ありのノーマルグレード、さらにメーター交換歴あり(走行不明ではない)という、通常ではほとんど商品価値がない状態です。しかし、これほどの価格が付いているというのは、ただただ驚かされます。
需要が需要を呼ぶ特殊な中古車価格
R32スカイラインGT-Rの中古車相場が高騰している理由の一つが、“アメリカの25年ルール”が大きく関係しているといわれています。ですが、1999年から2002年まで販売されていたR34スカイラインGT-Rまだ関係のない話です。ではなぜ高騰しているのかと言えば、「需要が需要を呼んでいる」ということが考えられます。
先述したアメリカの25年ルールによって、80年代後半から90年代前半に販売された国産スポーツカーの価格は急騰しました。その記憶があるからこそ、R34スカイラインGT-Rの初期モデルが25年を迎える2024年以降、間違いなく高騰することは誰にでもわかります。つまり「必ず高くなるから買うなら今のうちに買っとけ!」という心理が働いた結果需要が増え、数年前よりR34スカイラインGT-Rの価格、毎年のように相場は上昇し続けているのです。
R34 GT-Rの中古車を買うなら相応の覚悟を!
そんな今やスーパーカー並みの価格帯になっているR34スカイラインGT-Rですが、それでも欲しい!というのであれば、一般的な中古車とは違う相応の覚悟が必要でしょう。
どういうことかと言えば、車の性格上、どうしても走りを楽しんでいた個体が多く、修復歴車の比率も決して低いとは言えません。そのため、必然的に修復歴のない個体の価値は上昇することということにもつながります。
ということは、価格が比較的安い修復歴ありの車両(といっても1000万円)を買うか、修復歴のない高価な車両を狙うしかなく、どちらを選んだにしても、欧州のスーパーカーを購入するような覚悟が必要なのです。
もはや財産!国産中古車では異例のリセールバリュー
ここまで読んでいただいた奇特な方であればお分かりのように、R34スカイラインGT-Rのリセールバリューは、一般的な尺度が全く通用しません。当時もっともベーシックなグレードの新車価格は約550万円で、上記でご紹介した修復歴ありの個体の価格は980万円。修復歴なしの2001年式 VスペックIIの無改造車の中古車価格はなんと2500万円で、新車価格632万円のおよそ4倍です。
限定モデルでもない国産車で、これほど価格が高騰している車種はR34スカイラインGT-R以外にありません。これから一大決心をして購入を考えている方は、販売価格はもちろんのこと、品質管理をしっかり行える中古車販売店から購入しましょう。
そして、これからR34スカイラインGT-Rの売却を考えているなら、タイミングによって大きく売却価格が変化する可能性があります。売り時を見極めつつ、しっかりと相場と価値を見極められる旧車専門店に相談しましょう。
[ライター/増田真吾]
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