8ナンバー車の車検のサイクルは自家用車と異なります。適切な頻度で受けるためにも、8ナンバー車の車検のサイクルを把握しておきましょう。
この記事では、8ナンバー車の車検の期間や内容、費用も紹介します。
8ナンバー車の基準
8ナンバー車とは、ベースの車輌を改造して特殊な設備を備えたクルマのことです。ナンバープレートの地名の横に記載されている2〜3桁の頭の数字が8から始まる場合、8ナンバー車に該当します。
自動車の用途は「特種用途自動車」に区分され、全部で78種類の車体形状があります。たとえば、救急車や消防車などの緊急車輌のほかに、特殊な設備が備えられた以下のクルマも8ナンバー車です。
・郵便車(13形状)
・アスファルト運搬車(15形状)
・車いす移動車(2形状)
・キャンピングカー(3形状)
自家用車を改造して8ナンバーとして登録することもできます。ただし、8ナンバーとしてクルマを登録するには、条件をクリアしたうえで構造変更手続きをしなければなりません。
8ナンバー車の車検は何年ごとに受けるのか
8ナンバー車は、新車で登録してから2年後に初回車検、以降も2年ごとに車検を受ける必要があります。貨物自動車(1ナンバー車や4ナンバー車)は、新車で登録してから2年後に初回車検、以降は1年ごとに受けなければなりません。(一部を除く)
8ナンバー車は2年に1回で済むため、車検にかかる費用や手間を抑えられます。なお、日常で使用している自家用乗用車(3ナンバー車や5ナンバー車)は、新車で登録してから3年後に初回車検、以降は2年ごとに車検を受けます。
8ナンバー車の車検費用
8ナンバー車にかかる車検費用は、他の用途のクルマと異なります。ここから、8ナンバー車の車検費用について詳しく紹介します。
車検料金
車検料金は、依頼先の業者によって異なります。8ナンバー車は、特殊な設備が備えられているため、自家用乗用車より車検費用が高く設定されているケースが多い傾向にあります。
また、特殊な設備が備えられていることにより、車検を受け付けてもらえないケースも少なくありません。購入店またはベース車輌のディーラーに、8ナンバー車の車検が可能かどうか確認してみてください。
なお、車検料金のほかに整備箇所の部品代や工賃もかかります。
自賠責保険料
自賠責保険料は用途や車種、契約期間によって保険料が異なります。自賠責保険料とは、事故発生時に被害者を補償する保険のことであり、公道を走行する際に必ず加入しなければなりません。
8ナンバー車は2年ごとに車検を受ける必要があるため、基本的に24ヶ月で加入します。8ナンバー車の自賠責保険料は以下のとおりです。
24ヶ月 | 25ヶ月 | |
3輪以上の自動車(キャンピングカーなど) | 1万9,980円 | 2万580円 |
軽自動車(検査対象車) | 1万1,290円 | 1万1,530円 |
緊急自動車 | 7,470円 | 7,560円 |
霊きゅう自動車 | 7,930円 | 8,040円 |
教習自動車 | 7,930円 | 8,040円 |
※離島以外の地域(沖縄を除く)
出典:損害保険料率算出機構「2.基準料率 (その5 28〜21ヶ月契約)」
自家用乗用車の24ヶ月分の自賠責保険料は1万7,650円です。一部のクルマを除いて、8ナンバー車のほうが保険料が高いことに留意してください。
なお、8ナンバー車であることは任意保険料に影響しません。8ナンバー車でも、自家用車と同様の方法で任意保険料が算出されます。ただし、保険会社によっては8ナンバー車の任意保険を取り扱っていない場合がある点に注意しましょう。
重量税
4ナンバー車の重量税は、車輌総重量によって税額が決まります。税額は以下のとおりです。
車輌重量 | 基準の税額 | 新規登録から13年経過 | 新規登録から18年経過 |
〜1t | 8,200円 | 1万1,400円 | 1万2,600円 |
〜2t | 1万6,400円 | 2万2,800円 | 2万5,200円 |
〜3t | 2万4,600円 | 3万4,200円 | 3万7,800円 |
〜4t | 3万2,800円 | 4万5,600円 | 5万400円 |
〜5t | 4万1,000円 | 5万7,000円 | 6万3,000円 |
出典:国土交通省「2023年5月1日からの自動車重量税の税額表」
なお、自動車税に関しては自家用乗用車より税額が安くなっています。排気量2L〜2.5Lの場合、8ナンバー車は3万4,800円、自家用乗用車は4万3,500円です。
参考:千葉県ホームページ「令和5年度自動車税種別割税率及び月割税額早見表」
印紙代
8ナンバー車の印紙代は、依頼する業者が「指定工場」か「認証工場」かによって、金額が異なります。
各工場ごとの印紙代は、以下のとおりです。
・指定工場:1,800円
・認証工場:2,300円
指定工場は、自社の工場で車検の検査を行えます。「保安基準適合証」を交付できる工場のため、運輸支局に車輌を持ち込む必要がありません。
一方、認証工場では車検の検査を実施できません。車輌を運輸支局に持ち込む必要があります。印紙代を抑えたい場合は、指定工場の認証を受けている業者に依頼しましょう。
なお、ほとんどのディーラーや車検専門店、自動車販売店は指定工場の認証を受けています。
8ナンバーのメリット・デメリット
8ナンバー車のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
■メリット
・自動車税が自家用車より安い
・貨物車(1ナンバー車や4ナンバー車)より車検のサイクルが長い
■デメリット
・自賠責保険料が高い
・任意保険を扱っていない保険会社もある
8ナンバー車は自賠責保険料が高く、任意保険を取扱っている保険会社が限られているものの、税金の納付額や車検の回数を抑えられます。そのため、8ナンバーに登録し直せばクルマの維持費を抑えられる場合があります。
たとえば、4ナンバーとして登録しているハイエースをキャンピングカーに改造して、8ナンバーを取得するといった方法です。ただし、8ナンバーを取得するには定められた条件をクリアしたうえで、構造変更手続きを運輸支局で行う必要があります。
構造変更手続きには書類審査と実車審査があり、厳しい審査に合格しなければ8ナンバーを取得できません。過去に節税目的で不正に8ナンバーを取得するユーザーが増えたために、構造変更手続きが厳格化されました。8ナンバーへの登録を検討される場合には、条件と手続きの手間を十分に理解したうえで行いましょう。
まとめ
8ナンバー車は、新車で登録してから2年後に初回車検、以降は2年ごとに車検を受けます。車検費用の内訳は他のクルマと同じではあるものの、自動車税が安いため、8ナンバーに登録し直せばクルマの維持費を抑えることが可能です。ただし、8ナンバーに登録し直すには車輌を改造して、運輸支局で構造変更手続きをしなければなりません。
しかし、構造変更手続きは厳しくなっており、容易に8ナンバーを取得できない可能性もあります。8ナンバーの構造変更を検討している場合は、改造や手続きの手間を考慮しましょう。
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