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モテる男の必需品!プレリュードからデートカーのお株を奪った日産シルビア

目次
1.プレリュードのデートカーとしての牙城を崩したS13型シルビア 2.エンジンパワーが根本的に違ったS13型シルビア 3.FRレイアウトと誰でもスポーティな走行を楽しめる足回りで勝負あり 4.まとめ

バブル期に、若者から「デートカー」と呼ばれていた車があります。特に、先駆けとなったホンダ プレリュードの人気は高く、デートカーの王者としてモテる男の必需品でした。そんなデートカーの王者、プレリュードのお株を奪ったのが1988年発売の日産 S13型シルビアです。

今では、ドリフト車のベースとして知られるS13型シルビアが、「デートカー」というなんともナンパな響きのカテゴリで、なぜ王者プレリュードを逆転できたのかをご紹介しましょう。

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プレリュードのデートカーとしての牙城を崩したS13型シルビア

バブル景気真っ只中の1980年代から1990年代当時、スタイリッシュな外観と、上質な内装を施した2ドアクーペをデートカーと呼んでいました。

当時は、女性をデートに誘うなら車を持っていることが必須条件であり、なおかつ、女性が助手席に座りたくなる、いわゆる“かっこいい車”がデートカーと呼ばれ、若者から絶大な支持を集めたのです。特に大ヒットしたホンダ 3代目プレリュードはデートカーという言葉を浸透させた存在で、デートカーの王者として君臨。しかし、日産 S13型シルビアが1922年に登場するとその牙城は崩れることになります。

スペシャルティカーとして群を抜いていたシルビア

デートカーと呼ばれた車は、ほとんどがスペシャルティカーとして販売された車でした。

スペシャルティカーとは、大衆車とスポーツカーの中間のような存在で、車両価格を比較的安価に抑えつつ、本格スポーツカー並の性能は無いながらも、スポーティでかっこいいデザインや、上質な内装を施した車両のことです。

リトラクタブルヘッドライトや低いボンネットなど、先行していたプレリュードも十分スポーティでした。しかし、エンジンはNAのみの設定で、スポーツカーとしてはややおとなしめでした。一方で、後発のS13型シルビアは、低くシャープな外観と共に、FRレイアウト採用。さらにターボエンジンの設定もあり、スペシャルティカーの枠を超えて、スポーツカーとしても十分に楽しめる仕様だった点が支持を集めました。

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エンジンパワーが根本的に違ったS13型シルビア

デートカーとして君臨していたプレリュードを、シルビアが逆転した大きな理由の一つに、エンジンの違いがあります。

S13型シルビアには、最高出力175馬力を発生する1800cc 4気筒ターボ CA18DETエンジンを搭載したグレードが用意され、圧倒的パワーによる鋭い加速性能は若者の心を掴みました。一方プレリュードのエンジンは、最高出力145馬力のB20A型。滑らかな吹け上がりは流石ホンダという仕上がりでありながら、パワーは控えめでスポーツカーとしてはやや物足りない印象でした。

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FRレイアウトと誰でもスポーティな走行を楽しめる足回りで勝負あり

運転の楽しさ点でも、当時本格スポーツカーでは主流だったFRレイアウトの採用や、安定性や操作性を向上させた先進的な足回りを装備したシルビアに軍配があがりました。

本格スポーツカーには価格的に手が出ない若者がターゲットとはいえ、スタイリッシュな外観や上質な内装と同様に、スポーティな走りも人気を得る重要な要素だったのです。

結果的にFRレイアウトの採用が命運を決した

FRの大きな利点の一つが、コーナーでステアリングを切って、アクセルでぐいぐい曲げていく、スポーツカーならではのダイナミックで素直なハンドリングです。一方、当時のFF車はスポーツカー並みに早いコーナリングをスムーズに行うためには、高度なアクセルワークとステアリングワークが必要。腕に覚えがないとすぐに不自然な挙動となってしまいます。

S13型シルビアは、スペシャルティカーでありながら、ハイパワーエンジンをFRレイアウトで搭載したことで、本格スポーツカー並みの走行性能を発揮したのです。さらに、FRレイアウトを採用したことで、後のドリフトブームでドリフト仕様のベース車両として、新車販売終了後も長い期間人気を集めました。

スポーツ走行に耐えうる足回り設計だったシルビア

S13型シルビアの足回りは、当時新開発のマルチリンクサスペンションに加えて、後輪にも舵角を与えるHICAS-IIが装備されていました。

HICAS-IIとは、高速走行時に前輪のステアリング操作と同位相(同じ方向)に後輪を動かし、高速時の操縦安定性を高める日産の後輪制御装備です。アライメント変化を抑えたマルチリンクサスペンションでコーナリング時の安定性を高め、HICAS-IIによって高速安定性も確保したことから、誰でも簡単にスポーティな走行を楽しめました。

一方で、ダブルウィッシュボーンに4WSを採用したプレリュードも、シルビア同様の先進の足回りであることに変わりはありません。ところが、FFというレイアウトの制約と、4WSの挙動にやや癖があったため、シルビアに比べると運動性能は決して高いとは言えませんでした。特にホンダがこだわって開発した機械式4WSは、低速時に後輪が前輪と逆に向く逆位相、高速時には前輪と同じ方向に向く同位相に変化。逆位相は低速時に小回り性能を向上させ、同位相は高速時の安定性を向上させます。

しかし、上級ドライバーにとっては同位相から逆位相に切り替わる際にハンドリングが不自然になることや、操舵時の違和感などがストレスとなり、その一方で運転が苦手な人はそもそも4WSのメリットをあまり感じることができませんでした。

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まとめ

プレリュードをはじめとする多くのスペシャルティカーは、スポーツカーを目指しながらも、走行性能は大衆車の域を出ませんでした。一方シルビアは、スペシャルティカーというカテゴリにありながら、他車種とは一線を画す、本格スポーツカー並みの動力性能と操作性を持っていたことで絶大な支持を集めたのです。

車離れが進む現在では、大衆向けの車は実用的な車ばかりとなってしまいましたが、ただ楽しむための車として存在していた、デートカーの魅力に改めて想いをはせてみてはいかがでしょうか。

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