去る2023年2月、ドイツのシュツットガルトで行われたクラシックカーの祭典にて、非常に興味深い会社を発見した。
それは、マツダのクラシックカーのみを専門に取り扱う会社だ。
マツダといえば、1949年に設立された、広島県に本社を置く日本の自動車メーカーだ。
日本から遠く離れたこの国で、マツダを心から愛するドイツ人によって設立されたとのこと。
その名も「Mazda Classic - Automobil Museum Frey」
今回は、マツダ車を愛するドイツのとある会社を調査してみた。
■世界最大のマツダ博物館
同社は2017年にドイツのアウグスブルクにて設立された会社で、日本ブランドのマツダのみを展示している。
マツダ車をこよなく愛するドイツ人オーナーにより設立され、現在では世界最大のマツダ車のコレクションを備えている。
元々は1897年に建てれた路面電車の停留所に使われていた跡地を買い取り、現在はマツダコレクションの博物館となっている。
約1500平方メートルの敷地に、常時50台ほどの車が展示されている。
敷地内には、展示場のほか、結婚式などのプライベートイベントにも利用可能な700平方メートルのイベントエリア、レストラン、マツダグッズのショップなども併設さている。
驚きなのは、これまでに創業者であるウォルター・フレイ氏とその2人の息子によって、40年以上かけて合計120台程のマツダクラシックカーモデルを収集したことだ。
■目玉商品はコスモスポーツ
1978年にAuto Freyというドイツ初のマツダ正規販売店が設立して以来、現在に至るまでマツダに人生を捧げてきたという。
すべての始まりは、1980年にアメリカのニュージャージー州で見つけたマツダ コスモスポーツだったそうだ。
この車は、現在展示されているすべてのマツダクラシックカーの中で最も思い入れのあるクルマだという。
現在でもマツダのコレクションを収集しているとのことで、何度も来日しているそうだ。
主な展示車は、目玉商品である1969年式のコスモスポーツを初め、1973年式のB1600ピックアップトラックや1992年式のMX-5、さらに1989年式のRX-7 FCなどなど。
日本でもめったに市場に出回らない、希少価値の高いクラシックモデルばかりだ。
また、車輌の状態も驚くほどキレイで、手入れの行き届いた真っ白な塗装には心底魅了された。
■3. ドイツではちょっとした観光地に
これほどまで程度の良い、かつ希少なマツダのクラシックモデルを一気に見られるのは、日本のマツダミュージアムを除いて他にないだろう。
ゆえに現在では、マツダクラシックを一目見ようと、ヨーロッパ中からマツダ愛好家達が観光に来るそうだ。
さらに数ヶ月に一度、マツダミーティングを行われているそうで、なんと多い時は300台ほどのマツダ車がここマツダミュージアムに集結するとのこと。
博物館は祝日以外、土日も営業しており、大人1人5ユーロ(現在のレートで約800円)と、非常に安価で楽しめるのも魅力的だ。
著者も近くを訪れた際にはぜひ一度足を運んでみたいと思う。
日本から遠く離れたこの国で、日本車の愛に溢れた会社を発見できたことは日本人としても誇り高い。
[ライター・カメラ / 高岡 ケン]