トヨタ AE92 レビン/トレノは高い実力を秘めた名車だった! 商業的にも成功した時代背景も含めて振り返る

目次
1.大転換を図ったカローラ レビン/トレノ 2.AE92になって大幅に進化したポイント 3.最上位グレードのGT-Zはクラス最高峰 4.レビトレ史上最も売れたAE92

5ナンバーサイズながら、ワイド&ローなスタイリングに迫力を感じるトヨタ AE92 レビン/トレノ。FFへのレイアウト変更、シリーズ初の過給機エンジン採用など大幅な刷新が図られたモデルです。

多くの若者の心を掴んだAE92の誕生背景と、魅力的な性能をたっぷりと紹介します。

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大転換を図ったカローラ レビン/トレノ

AE86の成功で地位を確立したレビン/トレノでしたが、AE92へのフルモデルチェンジで歴史的な大転換を図ります。また、「デートカーブーム」を追い風に、スポーツカー好き以外のファン層を切り開きました。

当時の時代背景とともにAE92が誕生した経緯について振り返ってみましょう。

プラットフォームを現代的なFFに刷新

AE92は、5代目レビン/トレノとして1987年に登場しました。最大の変更点は、駆動方式にレビン/トレノ史上で初めてFFが採用された点です。また、3ドアハッチバックが廃止され、ボディタイプは2ドアクーペのみに統一されました。一方で、レビンが固定式角目、トレノがリトラクタブルというヘッドライトの形状は踏襲されています。

スタンダードモデルのエンジンはAE86の4A-GEU型を横置きに搭載し、型式を「4A-GE」と改めました。1.6Lの直列4気筒DOHCエンジンで、最高出力120ps、最大トルク14.5kgを発揮します。また、先代と同様に、1.5Lの廉価版モデルもラインナップされました。型式はAE91で、キャブ仕様の5A-F型とインジェクション仕様の5A-FE型の2種のエンジンが用意されています。

若者のデートカーとして定着

AE92が登場した1980年代後半は、バブル景気を背景に若者の間でデートカーブームが巻き起こっていた時期です。日産 シルビア、ホンダ プレリュードといったスポーティでスタイリッシュなクルマが人気を博します。なかでも、トヨタ 2代目ソアラは、デートカーの代表格として憧れの的になっていました。

クーペタイプに統一されたAE92はソアラを小型化したかのようなスタイリングだったことから、「ミニソアラ」とも呼ばれました。新車時の販売価格が100万円台前半だったAE92は、高額なソアラに手の届かなかった若者の心を掴んだのです。

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AE92になって大幅に進化したポイント

駆動方式がFRからFFに変更されたことで、落胆の声を上げるピュアスポーツファンも存在しました。しかし、AE92がテンロクスポーツを牽引するモデルだったことに間違いありません。

続いて、AE92になって進化したエンジン性能、レースでの活躍を紹介します。

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最上位グレードのGT-Zはクラス最高峰

最上位グレードのGT-Zには、名機4A-G型エンジンにスーパーチャージャーを搭載した4A-GZE型エンジンが搭載されています。大幅に最高出力が引き上げられ、前期モデルでは145ps、後期型では165psにも達しました。ホンダの誇るVTECを搭載したB16A型エンジンの160ps(当時)を超え、クラス最高峰のパワーを実現しました。

また、足回りの設計も最上位グレードにふさわしく、GT-Z専用設計になっていました。前後のワイドトレッド化やリアアームの延長、ピロボールブッシュの採用など直進安定性を高める工夫が随所に施されています。また、外装面でも、ホイールアーチにモールが追加され、他グレードとの差別化が図られました。

マイナーチェンジで大幅な進化

AE92は、登場から2年後の1989年にマイナーチェンジを行いました。バンパーやグリルといったデザイン面での変更が目立ちますが、最大の違いはエンジン性能です。

実は、AE92登場当時の4A-GE型エンジンは、AE86の130psから120psに出力が絞られていました。しかし、マイナーチェンジによってハイオク仕様になり、最高主力140ps、最大トルク15.0kgmにまで引き上げられています。同型の自然吸気エンジンで、登場時から20ps、AE86最終型から考えても10psも最高出力を引き上げているのは驚異的です。

グループAでのシビックとの死闘と活躍

AE92は、AE86に続いてグループAでのレースに参戦しました。最小排気量クラスはVTECを備えたEF型シビックの独壇場で、事実1987年から1993年までの7年連続でメーカーズタイトルをホンダが獲得しています。

AE92は1988年シーズンの2戦目から投入されましたが、当初はシビックに阻まれて思うような成績は残せませんでした。しかし、富士スピードウェイで開催された最終戦のインターTECで、ついにシビックを打ち破ります。トムスの走らせる「ミノルタカローラレビン」が、クラストップ、総合5位という成績を収めました。

続く1989年も全体としてシビックの優位は変わらなかったものの、つちやエンジニアリングの「ADVANカローラ」が2勝と2度の表彰台を獲得してドライバーズタイトルの座に輝きます。さらに、1990年にもドライバーズタイトルを獲得して2連覇を達成。シビック優勢のなかでのまさに死闘と呼べる戦いでしたが、AE92は確実にその実力を証明しました。

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レビトレ史上最も売れたAE92

FRスポーツだったことと、ドリフトドライバーや漫画の影響などからAE86が異常な人気だったため、今振り返るとAE92はやや地味な印象を受けます。しかし、実はAE92は、レビン/トレノ史上で最も売れたモデルです。

バブル景気やデートカーブームといった時代背景の影響もありましたが、クルマとしての高い実力が備わっていたからこその成功でしょう。AE92へのフルモデルチェンジでは、スーパーチャージャーやハイオク仕様による大幅な出力性能の向上、格上のソアラのようなスポーティでスタイリッシュなエクステリアデザインといった点など、しっかりと作り込まれました。マイナー車種と思われがちなAE92ですが、改めてその価値を見直したいところです。

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