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消費税の引き上げと同時に自動車取得税が廃止されました。車の購入時にかかる自動車取得税が廃止されたことは、消費者にどのような影響を与えるのでしょうか。今回は、自動車取得税の廃止と新たに導入された環境性能割について解説します。車の購入を検討中の方は参考にしてください。
2019年10月1日以降は自動車取得税が廃止
1968年に施行され、50年以上続いた自動車取得税が廃止されました。自動車取得税は、自動車を購入する時に取得価額に応じて課税される地方税です。取得価額が50万円を超える自動車(税率は自家用自動車3%、営業用自動車・軽自動車2%で特例措置対象車は軽減や控除あり)の購入に際して取得者に課税されます。
【自動車取得税額計算式】
自動車の取得価額(課税標準基準額)× 税率
取得価額とは、実際の自動車購入費ではなく、「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧」に記載された基準額に経過年数に応じた残価率を乗じた額です。
自動車取得税の代わりに環境性能割が導入された理由
自動車取得税の廃止に伴い、環境性能割が導入されました。環境性能割とは、自動車の燃費性能などに応じて取得時に課税される地方税です。環境への影響が少ない車ほど非課税や税率が軽減されるのが最大の特徴といえるでしょう。税率は自家用自動車で0〜3%、軽自動車は0〜2%となります。
燃費性能に優れた車が市場に増えているため、部分的に見れば自動車取得時の税負担が環境性能割の導入で軽減されたと考えらます。尚、自動車取得税と同じく取得価額50万円以下の車には課税されません。
環境性能割が導入された背景には3つの大きな理由があります。
消費税率の引き上げによる買い控えの抑制
消費税が8%から10%に引き上げられると自動車の販売数が激減するため、新型コロナウィルス感染症緊急経済対策の臨時的軽減措置(1%軽減)の時限的(2021年3月31日まで)な施策と合わせて施行されました。車の購入時にかかる税の総額は、燃費性能により実質的に軽減された内容となります。
道路特定財源制度が廃止されたことによる問題への対策
自動車取得税は、道路特定財源制度の目的税として定められていました。道路特定財源とは、車の利用者が道路の維持・整備費を負担する受益者負担の原則に基づいた財源です。自動車取得税は、自動車重量税やガソリン税などといった税目と同様に、かつては道路の維持管理のために活用されていました。しかし、2008年度で道路特定財源制度が廃止され、目的税から普通税に改正されたことによる問題や批判の声が多く、環境性能割がその解決策になったといえます。
世界的な環境問題に対応
地球規模で二酸化炭素の排出量を抑制する大きな動きがあり、各自動車メーカーは以前より環境にやさしい車の開発に力を注いでいます。環境性能割は、2030年度燃費基準に対しての優遇制度をつくることで、二酸化炭素排出量の少ない車の購入を推進させる狙いがあります。国内外で抱える問題(道路特定財源の廃止や地球環境問題の解決)に幅広く対応した施策だといえるでしょう。
環境性能割の税率・計算方法
環境性能割の税率は、2030年度の燃費基準に基づいて定められています。
自家用自動車 | 軽自動車 | 営業用自動車 | |
電気自動車やPHV、天然ガス自動車など | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
2030年度基準85%達成車 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
2030年度基準75%達成車 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
2030年度基準60%達成車 | 2% | 1% | 1% |
上記以外もしくは2020年度基準未達成車 | 3% | 2% | 2% |
※ディーゼル車は2030年度燃費基準の達成率が60%以上で非課税、60%未満で3%
環境性能割の計算は、原則として下記の計算式により算出します。
①自動車の取得価額を算出
新車........取得価額 = 課税標準基準額 + オプションの価格
中古車........取得価額 = 課税標準基準額 + 残価率(経過年数による指標)
②取得価額から環境性能割を算出
それぞれの取得価額に税率を乗じたものが環境性能割の金額となります。
環境性能割 = 取得価額 × 税率
環境性能割の臨時的軽減は終了済み
新型コロナウィルス感染症緊急経済対策の臨時的軽減措置は、一度延長された後に2021年3月31日をもって終了しています。自家用の乗用車(普通車、軽自動車とも)の購入時に環境性能割の税率がさらに1%軽減されるという内容です。
車関係の税金は随時見直されている
車関係の税金は随時見直しをされており、自動車税では燃費性能基準によって非課税や0~2%の軽減、グリーン化特例で75%軽減になる施策があります。燃費性能に基準をおいていることが多く、維持費を抑制する効果があるため燃費にすぐれた車を購入しやすくなったといえるでしょう。
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