BRZはスバルがトヨタと共同開発したFRの2ドアクーペです。1980〜1990年代に日本中が熱狂したスポーツカーを彷彿とさせるモデルとして、2012年に彗星の如く登場しました。
流麗でありながらも風を切るような印象を受けるシャープなボディラインをもち、低重心かつ軽量でコンパクトな水平対向エンジンを搭載する、トヨタ 86の兄弟車である矜持を感じるBRZ。「いつかは自分も乗ってみたい」と憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際にクルマを所有する際に気になるのは維持費の金額です。特にスポーツカーは維持するのが大変だといわれています。そこで今回は、BRZを維持するためにかかる費用の内訳と、維持費を抑える方法を解説します。
BRZ ZC6型の維持費の内訳
クルマを維持するためには、燃料代、高速代、自動車税、車検代など、さまざまな費用がかかります。ここからは、以下のモデルを例にあげてBRZ ZC6型を所有する際にかかる維持費の内訳を解説します。
年式:2014年
グレード:R ※標準グレード
トランスミッション:6MT
排気量:1,998cc
車輌重量:1,210kg
燃料代
例にあげたモデルの、カタログに記載されている燃費は13km/Lです。
たとえば、毎週末に往復100kmほどドライブした場合、月に約400km走行することになります。燃料を約30L使用するため、ハイオクガソリン1Lあたり183.9円(※)だとすると、月間で5,517円の燃料代がかかります。1年間に換算すると、6万6,204円です。
※2024年7月10日時点のハイオクガソリン全国平均価格
自動車税種別割
自動車税種別割とは、1年に1回納めなければならない税金です。クルマの排気量によって税額が異なり、今回例にあげたモデルは1,998ccであるため、1,500cc〜2,000cc以下の区分に該当し、3万9,500円かかります。(2019年9月30日以前に新規登録されている場合)
▼排気量別の自動車税種別割の税額については、以下の記事で詳しく解説しています。
クルマの維持費はどのくらいかかる?クルマを保有する際にかかる費用の一覧を解説
任意保険料
続いて任意保険料について解説します。任意保険とは、自動車保険とも呼ばれる、万が一の事故の際に修理費用を補償してくれる保険です。申し込みは強制ではありませんが、クルマを所有する多くの人が加入しています。
乗っている車種、契約者の年齢や使用場所によって保険料が変わります。今回は、初めてのクルマとしてBRZ ZC6型を購入した18歳という設定で金額をシミュレーションしました。さらに詳しい条件は以下のとおりです。
【条件】
年齢:18歳
等級:6S等級
使用目的:日常・レジャー
運転者:本人・同居している親族
【補償内容】
対人賠償(1名につき):無制限
対物賠償(1事故につき):無制限
対物超過特約:あり
人身傷害:あり(車内のみ補償)
人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円
車両保険(保険金額):175万円
免責金額(1回目-2回目以降):5万円-10万円
任意保険料は年間で約34万円と算出されました。月額にすると2万8,000円ほどです。
少々高く感じるかもしれませんが、任意保険料は年齢が上がるごと、等級が上がるごとに安くなります。等級とは保険料の割引もしくは割増する率を決めるための区分です。1年間無事故であれば1等級上がります。たとえば、18歳からBRZ ZC6型に25歳まで無事故で乗り続けた場合、13等級にまで上がり、任意保険料は約9万4,000円まで下がります。
ただし、人を巻き込む事故を起こしたり、クルマを物にぶつけて傷つけてしまったりすると、事故歴として記録が残り、等級が下がってしまいます。等級が下がると任意保険料は上がるため、留意しておきましょう。
車検代
続いて、車検にかかる費用について解説します。
車検は2年に一度実施しなければならない、クルマの検査です。安全に公道を走行できるかどうかを、保安安全基準に則ってチェックします。ディーラーや中古車販売店、整備工場にて実施可能です。
今回はディーラーで車検を行った場合の費用を試算しました。
【ディーラー車検の場合】
自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)
自動車重量税:2万4,600円(24ヶ月)
印紙代:1,800円
車検基本料金:6万円
合計:10万4,050円
2年に一度で上記の金額がかかるため、1年に換算すると5万2,025円です。
自賠責保険とは、クルマを購入する際に必ず加入しなければならない保険です。「強制保険」とも呼ばれます。自家用なのか事業用なのか、乗用車なのか貨物自動車なのかなど、クルマの使用用途によって金額が異なります。今回は自家用の乗用車のため、2年で1万7,650円かかります。
自動車重量税とは、車輌重量によって税額が異なる税金です。車検のタイミングで有効期限分をまとめて納める必要があります。今回例にあげたモデルの車輌重量は1,210kgで、〜1,500kgの区分に該当し、2年で2万4,600円かかります。
印紙代とは、国に対して車検の検査手数料を納める際に使用する印紙と証紙にかかる費用です。
整備工場には「指定工場」と「認証工場」の2種類があり、どちらに依頼するかによって印紙代が変わります。指定工場では工場内で車検を完結できますが、認証工場では完結できないため運輸支局や車検場に持ち込んで車検を実施します。このフローの違いによって証紙の有無が異なり、費用にも差があります。
具体的な金額は、指定工場が1,800円、認証工場は2,300円です。ディーラーは一般的に指定工場のため、今回は1,800円でシミュレーションしましたが、認証工場に依頼した場合は金額が高くなることを覚えておきましょう。
車検基本料金とは、クルマの点検や検査、車検の代行のためにかかる費用です。名前のとおり、車検を実施するのに必要な基本的な料金です。依頼先によって金額に大きな差があり、ディーラーよりも民間の整備工場のほうが安い傾向にあります。
そのほか、車検時に整備や部品交換、修理が発生した場合には別途費用がかかります。
メンテナンス費用
次に、BRZ ZC6型のメンテナンスにかかる費用について解説します。一般的に1年に1回交換や点検が必要な項目は以下のとおりです。
・ワイパーゴム交換代
・ウォッシャー液交換代
・エアコンフィルター交換代
・エンジンオイル交換代
・オイルフィルター交換代 など
そのほか、洗車をガソリンスタンドやコイン洗車場で行う場合には別途洗車代がかかります。全てあわせておおむね5万円程度です。
BRZ ZC6型の年間維持費は約62万円!
ここまでBRZ ZC6型の維持費の内訳について解説しました。合算すると、年間で約62万円かかるという結果になりました。
【BRZ ZC6型年間維持費】
・燃料代:6万6,204円
・自動車税種別割:3万9,500円
・任意保険:34万円
・車検:5万2,025円(2年ごとのため10万4,050円の半額分)
・メンテナンス費:5万円
合計:54万7,729円
月額で約4万6,000円です。加えて、クルマをローンで購入した場合や月極駐車場を契約する場合は、別途ローンの支払いや駐車場代がかかります。
BRZ ZC6型の維持費を抑える方法
年間で約62万円、月額で約5万1,000円は決して安い金額ではありません。しかし、金額を理由にBRZ ZC6型を諦めきれない方も多いでしょう。そこで、維持費を抑える方法やポイントを紹介します。
DIYでメンテナンスする
自分自身でBRZ ZC6型を整備をすれば、メンテナンスにかかる費用を抑えられます。たとえば、以下の箇所はDIYでの整備が可能です。
・洗車
・エンジンオイル交換
・ワイパーゴム交換 など
DIYでのメンテナンスと聞いてハードルが高く感じる方がいるかもしれませんが、洗車は自宅の庭など、水の使えるスペースがあれば専門技術がなくても取り組めます。そのほかの箇所も比較的難しくないため、外注する費用が気になる場合には自身で整備するとよいでしょう。
任意保険の条件を見直す
任意保険の条件の再検討も維持費を抑えるために有効です。
たとえば、運転者の範囲が狭ければ狭いほど任意保険料が安くなります。今回シミュレーションした条件のうち、運転者を「本人限定」にした場合、約32万円にまで金額が下がります。
また、同じ車種であっても保険会社が違うと任意保険料が異なる場合があります。申し込みの際には、複数の会社から見積もりを取り寄せたり、ネットでシミュレーションしたりしましょう。なお、国内損保よりもネット型保険のほうが安い傾向にあります。
なるべく費用の安い工場に車検を依頼する
維持費を抑えるためには、車検の依頼先も慎重に検討する必要があります。
車検基本料金は店舗や工場によって異なり、ディーラーよりも民間の整備工場のほうが安い傾向にあります。民間車検の利用も視野にいれながら、いくつか見積もりをとって検討するとよいでしょう。
まとめ
BRZ ZC6型の維持費について解説しました。
年間で約62万円と気軽に手を出しにくい金額かもしれませんが、任意保険を見直したり車検の依頼先をよく検討したりすれば、費用を抑えられる可能性があります。また、ドライブする頻度が少なければ、燃料代や高速代も抑えられるでしょう。ご自身の想定している利用シーンと照らし合わせ、BRZ ZC6型を購入するかどうか決めることをおすすめします。
※掲載されてる情報は2024年7月10日時点のものです。
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