カーエアコンは春先にしっかりとチェックして快適な夏を迎えよう

目次
1.カーエアコンは早期点検が重要 2.旧車のエアコンで起こりがちな故障原因 3.修理工場で適切な検査と修理をおこなう

夏を迎えて、いざエアコンを使おうと思ったら涼しい風がまったくでてこない……という経験をされた方も多いのではないでしょうか。真夏にクルマでエアコンが使えないと、修理工場まで持ち込むのも大変です。カーエアコンは、冬が終わった春先に一度チェックしておきましょう。

今回は、エアコントラブルの主な原因の一つである“ガス漏れ”を中心に原因や対処方法を詳しく解説します。また、旧車で起こりがちな故障原因も紹介するので、エアコンの不調を感じたらぜひ参考にしてください。

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カーエアコンは早期点検が重要

カーエアコンの故障は、できるだけ早く原因を突き止めて修理をすることが重要で、冬場を超えた春先での点検をおすすめします。

ここからは、寒い時期を過ぎた後での点検が良いとされる理由とガス漏れによる影響について紹介します。

カーエアコンを春先に点検したほうがいい理由

カーエアコンを点検する時期として春先をおすすめする理由は、単純に故障に気がつくのが春以降になりやすいためです。冬場の車内暖房は、エンジンで温められた冷却水の熱を利用します。エアコンのスイッチを入れなくても十分にクルマの中が暖かくなるのです。そのため、エアコンが故障してもなかなか気がつきません。

そしてもう1つの理由が、長期間使用しない点と寒さによる悪影響です。動かさないことによってコンプレッサーが固着したり、温度変化によってパッキン類の劣化してしまう事例も少なくありません。

カーエアコンが効かなくなる主な原因はガス漏れ

カーエアコンが効かなくなる主な原因は、漏れによるガス(冷媒)不足です。エアコンは、圧縮したガスが気化する際に空気中の熱を奪うことで冷却します。しかし、ガスが不足すると気化する量が減少し、十分に圧縮できません。

ガス漏れしやすい箇所は、コンプレッサー、コンデンサー、配管の継ぎ目です。コンプレッサーは稼働時に大きな力がかかるため、軸受や本体の歪みによってガスが漏れやすくなります。コンデンサーは、熱を持ったエアコンガスを冷却するラジエーターのような形状の部品です。フロントバンパーの裏側にあるため、走行中に小石などがぶつかると破損してしまいます。

ガス漏れはコンプレッサーのダメージにつながることもある

カーエアコンのガス漏れは、コンプレッサー本体のダメージにつながる場合もあるので注意しましょう。コンプレッサーが故障してしまうと、部品を丸ごと交換しなければならない場合も多く、修理費用が高額になってしまいます。

ガス漏れがコンプレッサーの破損につながる理由は、ガスと同時にオイルも漏れてしまうためです。カーエアコンの配管内は、コンプレッサーやシール剤やパッキンを保護するオイルもガスと一緒に循環しています。高負荷のかかるコンプレッサーにとって、潤滑と冷却を行うオイルは欠かせません。オイルが不足すると、最悪の場合コンプレッサーが焼き付いて使用できなくなってしまいます。

ただし、コンプレッサーには保護機能も備わっています。ガスを補充しても圧力が上がらないほどの大きな破損であれば、保護機能によってコンプレッサー自体が動作しません。

注意が必要なのは、軽微な漏れの場合です。ガスを補充すればエアコンの効きは改善されるため、漏れの修理はおこなわずガスだけを繰り返し補充しがちです。しかし、ガス漏れの箇所からオイルも漏れ続けているため、オイル不足になる恐れがあります。

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旧車のエアコンで起こりがちな故障原因

カーエアコンの故障原因について紹介しました。乗っているクルマが旧車の場合は劣化の進みがよりはやいでしょう。ここからは旧車のエアコンが故障した際に、確認したほうがいいポイントを紹介します。

電磁クラッチの不具合

旧車のエアコンが故障する原因の一つが、電磁クラッチの不具合です。カーエアコンは、スイッチが入るとエンジンで回転するプーリーとコンプレッサーの回転軸が磁力で圧着し、力が伝わる仕組みになっています。電磁クラッチが正しく動作しないと、コンプレッサーで冷媒を圧縮できません。

長年使用し続けると、摩耗によって電磁クラッチとプーリーのすき間が広くなってしまい、磁力に引き寄せられなくなってしまいます。また、万が一圧着面にサビが発生すると十分な圧着力を維持できないでしょう。

電磁クラッチに不具合が起こった場合は、基本的にはコンプレッサーを交換する必要があります。ただし、クリアランスの調整やサビを落とすことでそのまま使える場合もあるので、修理工場に相談してみましょう。 

エバポレーター内の漏れ

旧車でエアコンが故障した際に見落とされがちなのが、エバポレーター内のガス漏れです。エバポレーターは車内側にある熱交換器のため、小石や砂利などといった外部の影響による漏れはあまり発生しません。

しかし、長年使用した旧車では、配管の継ぎ目に使用されるゴムパッキンの劣化が進んでいます。また、可能性はあまり高くありませんが、クルマの保管状態によっては金属が腐食して、熱交換器本体が破損していることもあるので慎重に確認しましょう。

修理工場で適切な検査と修理をおこなう

カーエアコンの主な故障原因である“ガス漏れ”は、目視ではなかなかわかりません。また、エアコンの効きが悪いからといって、安易にエアコンガスの補充だけを行ってもオイル不足につながる恐れがあり危険です。

ガス漏れの修理方法として、最近注目されているのが“漏れどめ”です。ガスが漏れている場合は基本的に部品交換しなければならず、修理費用が高くなってしまいます。しかし、漏れどめを使用すれば、エアコンガスの補充を含めても2〜3万円程度で修理できます。大きな破損には対応できないかもしれませんが、エアコン修理の選択肢の一つとして検討してみてください。

エアコンの不調を感じたら専門の工場で検査をおこない、必要に応じて修理をしてもらいましょう。

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