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雹害車の修理方法は?依頼先・費用・保険について解説

目次
1.雹害車の修理方法 2.雹害車の修理を依頼できる業者 3.雹害車の修理費用 4.雹害車には車両保険が使える 5.雹害車を修理すると「修復歴あり」になる可能性がある 6.雹害車の修理の判断のポイント 7.クルマの雹害の対策方法 8.雹害を受けた車は自分で修理できる? 9.まとめ

クルマを運転しているときや屋外駐車場に停めているときに雹が降ると、ボンネットやルーフがへこんだりガラスが割れたりする可能性が高く、非常に危険です。雹とは、積乱雲から降る氷の塊のことです。直径5mm未満の粒をあられというのに対して、雹は5mm以上のものを指します。

今回は、雹害の修理方法と依頼先、費用、車両保険の適用について紹介します。愛車が雹害に遭って困っている方は今後の対応の参考にしてみてください。

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雹害車の修理方法

雹害車の修理方法は、「デントリペア」「板金塗装」「パーツ交換」の3つです。まずは、それぞれの特徴について解説します。

デントリペア

デントリペアは、クルマにできたへこみを裏から押し出して元の状態に戻す方法です。ヨーロッパで誕生しアメリカで育った技術で、日本に入ってきたのは西暦2000年頃といわれています。クルマの修理技術としての歴史はまだ浅いものの、広く普及しつつある方法です。

デントリペアの大きなメリットは再塗装をしないで済むことです。たとえば、板金塗装だとへこんだ箇所を引っ張ったり叩いたりしたうえで再塗装する必要があります。

再塗装でボディの色味が変わってしまうケースも多く、ムラがあると売却時に査定額が下がってしまいます。デントリペアであれば塗装には手を加えないため、クルマ本来の価値を維持できるでしょう。

また、外装修理の工程で一番費用がかかるのは塗装であるため、再塗装せずに済むデントリペアでは修理代を大幅に抑えられます。

しかし、被害箇所の数が多いとかえって費用がかさんでしまう点に注意しましょう。へこみ1個単位で修理代が算出されるケースがほとんどであるため、被害が数百箇所にも及ぶ場合は非常に高額な費用がかかる可能性があります。

板金塗装

板金塗装とは、板金と塗装の2つの工程からなる方法です。ボディの鉄板を引っ張ったり叩いたりすることでへこみをなくし、そこに塗装を施してクルマを修復します。また、なかなか直らないへこみや傷の段差を埋めるのにパテを使用する場合もあります。

軽度の被害はもちろんのこと中程度の被害にも対応可能です。デントリペアでは修理が難しいといわれるピラー部分も問題なく修理できます。

パーツ交換

パーツ交換とは、その名の通りクルマのパーツを交換する方法です。デントリペアや板金塗装でも対応ができないほど重大な被害にあってしまった場合に行います。デントリペアや板金塗装では、歪みやへこみなどが完全に元通りにならないケースも見受けられますが、パーツ交換であれば基本的に新品パーツに取り替えるため、仕上がりを心配する必要もありません。

なお、雹によって被害にあいやすいパーツとしては、ボンネット、ルーフパネル、トランクフード、フロントガラス、ヘッドライトなどが挙げられます。

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雹害車の修理を依頼できる業者

雹害車の修理を依頼できる業者は、以下の4つです。

・ディーラー
・整備工場
・板金修理工場
・デントリペア専門店

新車の場合は、購入したディーラーに修理を依頼するのが一般的です。工場に依頼するのであれば、整備工場でも板金修理工場でも問題ありません。

デントリペア専門店とは、その名の通りデントリペアを専門に行う業者です。デントリペアに特化しているため、知識と経験を活かした質の高いサービスに期待できるでしょう。ただし、デントリペアは非常に難しい技術です。経験の浅い業者に依頼してしまうとかえって仕上がりが悪くなってしまうため、慎重に業者を選びましょう。

雹害車の修理費用

雹害の修理費用はクルマの状態によって異なります。被害状況別に修理費用の相場をみていきましょう。

軽度な被害

軽度な被害であればデントリペアで修理できる可能性があります。軽度な被害とは、1個のへこみの大きさが1~2cm程度でぱっと見では雹害だとわかりにくく、被害箇所が数箇所程度の状態です。1箇所あたり1〜3万円ほどの修理費用がかかります。

中程度の被害

中程度の被害にあってしまった場合は板金塗装での修理がよいでしょう。中程度の被害とは、1個のへこみの大きさが2~3cm程度で一目で雹害とわかる状態です。ルーフパネル、ボンネット、トランクフードまで板金塗装した場合で、15万〜30万円程度が相場です。

重度な被害

重度な被害の場合は、パーツを丸ごと交換しなければなりません。重度の被害とは、1個のへこみの大きさが3cmを超え、クルマ全体がボコボコの状態を指します。各パーツの交換費用の目安は以下のとおりです。

・ルーフパネル 10万〜30万円
・ボンネット 6万〜10万円
・トランクフード 10万〜15万円
・ドアパネル(1枚あたり) 10万〜30万円

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雹害車には車両保険が使える

深刻な雹害にあった場合、クルマの修理もしくはパーツの交換費用は高額になってしまいます。車両保険が使えるのかどうか不安な方もいるかと思いますが、結論からいうと使用可能です。ここからは、雹害にあった際の車両保険の特徴や注意点について解説します。

雹害車は「エコノミー型」でも補償される

車両保険には「一般型」と、保険料が安い「エコノミー型」の2種類があります。補償範囲が限定的な「エコノミー型」にも「飛来・落下物との衝突」が含まれており、雹害への補償が可能です。

なお、クルマが全損だった場合は、免責金額は引かれずに、設定された車両保険金額が保険金として支払われます。全損には、クルマが大破して修理不可能な状態の「物理的全損」と、修理費用が保険金額を超えた場合の「経済的全損」の2種類があります。たとえば、修理が可能ではあるものの保険金額が100万円で修理費用が120万円だった場合は、経済的全損の対象です。

雹害で保険を使うと1等級ダウンする

雹害で車両保険を使った場合、翌年は1等級ダウンします。また、事故あり係数適用期間が1年加算されます。なお、他のクルマとの衝突事故や単独事故の場合は3等級ダウンです。雹害などの自然災害による被害は、人為的な判断ミスや運転ミスによる事故ではないため、1等級ダウンだけで済みます。

また、1等級ダウンの場合は事故あり係数適用期間が2年後にはリセットされるため、車両保険を利用するメリットは大きいといえるでしょう。

保険の請求期限は「事故発生から3年以内」

雹に限らず、車両保険の請求期限は損害を受けてから3年です。つまり、雹が降った日から3年以内に請求しなければ、保険金を受け取ることができません。

また、期限ギリギリに請求すると雹とクルマの損傷の関連性が十分に認められず、保険金が減ってしまう場合があります。損害の程度にかかわらずなるべく早めに手続きしましょう。

修理しなくても保険を使ってOK

クルマを修理せずに保険金のみを受け取ることも可能です。保険金は修理費用としてではなく、クルマの買い替えの資金や他の用途にも使えます。ただし、保険金を確定させる必要があるため、整備工場もしくは板金塗装工場に概算見積もりをしてもらわなければなりません。工場によっては見積もり費用が発生するケースもあるため、事前に料金を確認しておきましょう。

また、受け取った保険金でクルマを買い替える場合は、納車されるまでの間に代車が必要なケースもあります。たとえば、雹害によりフロントガラスが割れてしまった場合、そのまま公道を走ると違反行為とみなされます。(道路交通法「62条」)

走行に支障をきたす故障や不具合がある場合には、代車を手配しなければなりません。保険会社によっては代車を手配する特約を用意している場合もあるため、ご自身が契約した内容を確認してみてください。

雹害車を修理すると「修復歴あり」になる可能性がある

雹害で修理した場合、クルマが「修復歴あり」扱いになる可能性があります。

雹は大きいものだとゴルフボール程度の大きさで、時速100km以上もの速度で落下します。ルーフパネルやリアフェンダーなどのいわゆる骨格と呼ばれる部分にも深刻なダメージを与えるケースも多く、前述の通りパーツを丸ごと交換することも珍しくありません。骨格部分を交換すると「修復歴あり」になってクルマの価値が落ちてしまいます。将来的に売却する際の査定額にマイナスな影響が出てしまうため、留意しておきましょう。

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雹害車の修理の判断のポイント

ここからは、雹によりクルマに傷がついた場合に、確認しておきたい2つのポイントを解説します。

保険の等級を考慮する

雹による傷は車両保険の補償範囲内です。しかし、保険を使用すると翌年の等級が1つ下がってしまいます。2年後にはもとの等級に戻りますが、事故あり係数適用期間の加算も重なることで保険料が高くなります。

大手ネット型保険のサイトでシュミレーションしたところ、現在の保険料が3万円、15等級の方が1等級下がると1万8,000円の増額されるという結果になりました。小さい金額ではないため、保険の等級が変わる影響について、検討したほうがよいでしょう。

修理費用と被害の程度を総合的に見て判断する

雹による被害の程度に応じて、適切な方法を選択する必要があります。被害の程度によっては、修理よりも交換のほうが安く済みます

たとえば、ボンネットはルーフパネルやトランクフードに比べて交換費用が安価です。また、修理や交換をすると修復歴有りの扱いになり、将来的な査定額に大きく影響する可能性があります。こうしたことを踏まえて、対応を検討しましょう。

クルマの雹害の対策方法

ここからは、雹被害からクルマを守るための方法を2つ紹介します。

カーポートの設置

カーポートは、車庫スペースに屋根と柱を設置してクルマを保護する設備です。雹をはじめ、紫外線や鳥のフンなどからクルマを守る役割を果たします。塗装やボディの劣化を防止できたり、洗車の頻度を減らせたり、雨の日に傘を差さずに乗降できたりするなどのメリットがあります。

一方で、設置する際の初期費用と破損した場合の修理費用など、コスト面の考慮が必要です。また、設置場所にスペースがないと、柱の分だけ狭くなるため駐車しにくくなる可能性もあります。

メリットとデメリットを踏まえて、カーポートを設置するかどうか決めましょう。

毛布や厚手のボディカバーで覆う

毛布や厚手のボディカバーは、雹が直接クルマに当たるのを防いでくれるため、ボディやガラスの損傷を軽減してくれます。カーポートよりも手軽に入手できるため、スペースやコストの部分で難しい場合の選択肢といえるでしょう。

なお、毛布は水を吸うことで重くなり、固定が十分でなければズレてしまいます。また、ボディカバーは毛布ほどの厚みがありません。併用したり座布団を置いてから被せたりするとよいでしょう。

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雹害を受けた車は自分で修理できる?

金属部分の凹みを自分で修理するのは難しいですが、浅い傷や樹脂パーツの凹みは、自分で修理ができます。

それぞれの対応方法は、下記のとおりです。

・傷への対応方法:タッチペンやコンパウンドで傷を埋める
・凹みへの対応方法:ドライヤーで温めて形を戻す

いずれの方法も1万円未満で用意できます。ただし、方法を誤ると、状態が悪化する可能性があります。クルマをできるだけ元の状態に復元したい場合や、雹害の程度が深刻な場合は、ディーラーや修理業者へ相談するとよいでしょう。

まとめ

雹害車の修理方法と費用、依頼できる業者、車両保険について解説しました。

雹害車の修理方法は、先述の通り「デントリペア」「板金塗装」「パーツ交換」の3つがあります。被害の程度によって適切な修理方法や費用が異なりますが、雹害にあうと高額な費用がかかってしまうケースが多いです。しかし、車両保険に加入していれば補償されるため契約内容を確認したうえで、修理と手続きを進めましょう。

しかし、数十年も前に発売された古いクルマだと車両保険を付帯できないケースが多いです。パーツも少なく修理するにも費用がかさむ可能性もあるため、思い切って売却するのも1つの方法といえるでしょう。

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