車を相続した際に、環境性能割が課税されるのか気になる方もいるでしょう。結論から言うと、車の相続時に環境性能割は課税されません。この記事では、車の相続時の環境性能割や手続きなどについて紹介します。
相続時の環境性能割は課税されない
相続時は環境性能割が非課税です。環境性能割は、基本的に50万円以上の車を取得した際に課税される税金です。しかし、相続時は非課税のため、50万円以上の車を取得した場合でも環境性能割を納税する必要はありません。
相続時以外で環境性能割が課税されないケース
相続時以外でも環境性能割が課税されないケースがあります。具体的には以下のケースです。
・50万円以下の車を取得した場合
・会社が合併または一部を切り離した際に車を取得した場合
・車をローンで購入し、完済後に所有者を自分名義に変更した場合
・車の状態が悪く、1ヶ月以内に購入した店舗へ返却した場合
また、ロードローラーやブルドーザーなどの特殊自動車や、二輪車も非課税のため環境性能割を納税する必要がありません。
なお、1ヶ月以内に購入した店舗へ車を返却した場合は、登録日から5年以内に更正請求を行います。管轄の自動車税事務所に更正請求書を提出し、内容が妥当と審査されると環境性能割の還付を受けられるため、忘れずに手続きしましょう。
そもそも環境性能割とは
環境性能割とは、車を取得した際に燃費性能に応じて課税される税金のことです。2019年に自動車取得税の廃止に伴い、新たに環境性能割が導入されました。国や自治体は、二酸化炭素の排出量の削減に取り組んでおり、環境負荷が少ない車の普及を目的としています。
自動車取得税は、購入時の取得金額に対して課税され、登録車の課税率は3%、軽自動車は2%です。一方、環境性能割は燃費性能に応じて課税されるため、登録車の課税率は「0〜3%」軽自動車は「0〜2%」と、燃費が良いほどに軽減される仕組みです。中でも電気自動車は非課税になるため、税金を抑えられます。なお、環境性能割は車を登録している都道府県から課税されます。
申告期限
新車を購入した場合、環境性能割の申告期限は「車を登録する日」です。つまり、陸運局で手続きを行い、ナンバーを取得して車検証が発行される日を指します。環境性能割は、県の収入印紙を申告書に貼って、陸運局内に隣接されている自動車税事務所に提出して納税します。
また、新車購入時以外は車を登録する事由があった日から「15日以内」です。名義変更をすみやかに行い、手続き時に陸運局内で環境性能割を納税しましょう。なお、名義変更を第三者に代行してもらう場合は、納税の際に交付される受領書を受け取ることを忘れないようにしてください。
減免制度
以下の方が運転する場合は、環境性能割を減免してもらえます。
・身体に一定の障害を有する方
・身体に一定の障害を有する方と同一生計の家族
・身体に一定の障害を有する方を常時介護する方
ただし、減免制度を受けるには、身体に一定の障害を有する方と同一生計の家族が車を所有しなければなりません。常時介護する方が車を所有した場合は減免されないため、混同しないよう条件をしっかり理解しておきましょう。また、車いすの昇降装置や固定装置、浴槽を装着する8ナンバーの福祉車両も、減免制度が適用されます。
なお、減免制度を受けるには各自治体が定めた期限までに、自動車税事務所で申請する必要があります。登録後の申請を受け付けていない地域もあるため、住んでいる自治体の公式Webサイトを確認しましょう。
計算方法
環境性能割の計算方法は「取得価格×税率」です。ただし、新車か中古車かによって「取得価格」の計算方法が異なるため、注意して算出しましょう。
新車の取得価格は、車種やグレードなどによって定められている「課税標準基準額」と、購入時に装備した「オプション品の価格」を加えたものです。つまり、新車の場合は「取得価格(課税標準基準額+オプション品)×税率」で計算します。
課税標準基準額の目安は、車両本体価格の90%に相当する額と定められているため、値引きによって車を安く購入しても、取得価格に影響しません。フロアマットやスペアタイヤ、チャイルドシートなど、車に固定されていないオプション品は、取得価格に含まれないため注意してください。
なお、2023年12月31日まで適用される自家用車の税率は以下のとおりです。
【普通車】
燃費性能等 | 税率 |
電気自動車やプラグインハイブリッド車など | 非課税 |
2030年度燃費基準を85%達成 | 非課税 |
2030年度燃費基準を75%達成 | 1% |
2030年度燃費基準を60%達成 | 2% |
上記以外または2020年度燃費基準未達成 | 3% |
【軽自動車】
燃費性能等 | 税率 |
電気自動車やプラグインハイブリッド車など | 非課税 |
2030年度燃費基準を85%達成 | 非課税 |
2030年度燃費基準を75%達成 | 非課税 |
2030年度燃費基準を60%達成 | 1% |
上記以外または2020年度燃費基準未達成 | 2% |
出典:東京都主税局「4 税率」
税率は見直されると変更されるため、最新の情報をチェックしておきましょう。
一方、中古車の取得価格は、課税標準基準額に経過年数に応じた残価率をかけて計算します。自家用車の経過年数に応じた残価率は以下のとおりです。
【普通車】
経過年数 | 残価率 |
1年 | 0.681 |
2年 | 0.464 |
3年 | 0.316 |
4年 | 0.215 |
5年 | 0.146 |
6年 | 0.100 |
【軽自動車】
経過年数 | 残価率 |
1年 | 0.562 |
2年 | 0.316 |
3年 | 0.177 |
4年 | 0.100 |
出典:総務省「中古車残価率表」
中古車の場合は「取得価格(課税標準基準額×残価率)×税率」に当てはめて、環境性能割を計算してみてください。
相続時の車の手続き
車を相続した場合は、管轄の陸運局で名義変更を行い、隣接する自動車税事務所の窓口で税金を申告します。相続時は環境性能割が非課税になるため、納税する必要はありません。ただし、非課税でも税金の申告は必須なため、名義変更後は忘れずに自動車税事務所に立ち寄りましょう。
また、申告時は以下の書類を窓口に提出します。
・自動車税申告書 ※窓口付近に用意あり
・遺産分割協議書
・被相続人(旧所有者)と相続人(新所有者)の相続関係がわかる戸籍謄本
なお、軽自動車は陸運局ではなく「自動車検査登録事務所」で手続きする必要があるため、混同しないよう注意してください。
旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!
長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。