車の相続手続きには委任状が必要なケースがあります。委任状は、相続方法や誰が手続きするかによって書き方が異なるため、事前に把握しておくと適切に作成できます。この記事では、車の相続手続きで委任状が必要なケースや、書き方などを紹介します。
車の相続手続き(名義変更)で委任状が必要なケース
車の相続手続きは、基本的に相続人が陸運局に出向いて名義変更する必要があります。ただし、都合が悪く陸運局に出向けない場合は、申請書に実印を押印する代わりに委任状を提出することで手続きが可能です。まずは、車の相続手続きで委任状が必要なケースを紹介します。
共同相続する
車を複数の相続人で共同相続し、全員で手続きに出向けない場合は委任状が必要です。陸運局は平日9〜16時までしか営業していないため、都合が合わず、相続人全員で手続きに出向けないケースもあるでしょう。例えば、以下3人で車を共同相続し、BとCが陸運局に出向けない場合はそれぞれの委任状が必要です。
・代表相続人A
・相続人B
・相続人C
代理人が手続きする
相続人が陸運局に出向けず、代理人に手続きを代行してもらう場合は委任状が必要です。代理人は親族や知人のほか、車の相続手続きに精通している自動車販売店や行政書士にも依頼できます。ただし、数万円程度の代行費用が発生するため、費用を抑えたい方は注意しましょう。
車の相続手続きにおける委任状の書き方
車の相続手続きにおける委任状は、以下の項目を記入します。
①受任者:陸運局で手続きする方の名前と住所
②目的欄:「移転登録」と記入
③自動車登録番号または車体番号:車検証を見ながら該当箇所を記入
④委任者:相続人の名前と住所、実印を押印
また、車の相続時の委任状は相続方法や手続きする人によって、受任者と委任者の書き方が異なります。具体的には以下のとおりです。
■共同相続するけど、相続人のうち1人しか陸運局へ出向けない場合
・受任者:手続きする相続人
・委任者:手続きに出向けない相続人全員
■代理人に陸運局の相続手続きを代行してもらう場合
・受任者:代理人
・委任者:相続人※共同相続する場合は相続人全員
なお、車を単独相続し、相続人である新所有者が陸運局に出向ける場合は、委任状ではなく実印で手続きします。
車の相続手続き(名義変更)で作成する書類
被相続人の遺言書がなく、複数の相続人の中から新所有者を決める場合は「遺産分割協議書」もしくは「遺産分割成立申立書」を作成する必要があります。
続いて、それぞれの書類についてや書き方を紹介します。
自動車価格100万円以上は「遺産分割協議書」
自動車価格が100万円以上の場合は、遺産分割協議書を作成する必要があります。遺産分割協議書は、相続人の中で「誰が車を相続するのか」協議した内容を証明する書類です。相続人全員が合意のうえでないと、名義変更できないため、漏れがないよう作成しましょう。
なお、遺産分割協議書には以下の項目を記入します。
・被相続人の氏名と死亡日
・新所有者の氏名
・遺産分割を協議した日
・車のナンバーと車体番号
・相続人全員の氏名と住所
・相続人全員の実印を押印
遺産分割協議書はこちらからダウンロードできるため、活用してみてください。
自動車価格100万円未満は「遺産分割成立申立書」
自動車価格が100万円未満の場合は、遺産分割協議書を簡略化した「遺産分割成立申立書」を作成します。遺産分割協議書は、相続人全員の実印を押印する必要があり、遠方に住んでいたり都合が合わなかったりすると完成までに時間や手間がかかります。一方、遺産分割成立申立書は新所有者だけで作成できるため、スムーズな名義変更が可能です。
ただし、遺産分割成立申立書で名義変更するには、自動車価格が100万円未満であることを証明しなければなりません。ディーラーや自動車販売店で車の価格を確認してもらい「査定書」を入手して、遺産分割成立申立書に添付しましょう。
なお、遺産分割成立申立書は以下の項目を記入します。
・車のナンバーと車体番号
・被相続人の氏名と死亡年月日
・遺産分割協議成立年月日
・申立書による申請の同意年月日
・新所有者の氏名と住所
・新所有者の実印を押印
遺産分割成立申立書は、こちらからダウンロードできるため、活用してみてください。
車の相続手続きの流れ
手続きの流れを把握しておくと、スムーズに車を相続できるため、事前にチェックしておきましょう。続いて、車の相続手続きの流れを紹介します。
車の所有者を確認する
まずは車検証を見て、誰が所有者なのかを確認します。なぜなら、車をローンで購入していると、ディーラーや信販会社が所有者になっているケースがあるからです。
ディーラーや信販会社が所有者だと、相続手続きができないため、ローンを完済して被相続人名義に変更する「所有権解除」をしなければなりません。所有者であるディーラーや信販会社に相続したい旨を伝えると、所有権解除の案内をしてくれるため、所有権を持っている会社に問い合わせてみましょう。
誰が車を相続するか協議する
遺言書がない場合は、相続人全員で「誰が車を相続するのか」協議し、新所有者を決めます。新所有者が決定したら、遺産分割協議書もしくは遺産分割成立申立書を作成します。
なお、遺産分割成立申立書は新所有者だけで作成できるため、相続人間でトラブルが発生しないよう、必ず全員に承諾を得てから手続きしましょう。
車庫証明書を取得する
相続人が決定したら、新所有者の管轄の警察署で車庫証明書を取得します。車庫証明書は3〜4日程度で発行されるため、余裕を持って申請しましょう。ただし、被相続人と新所有者が同居していた場合は、車庫証明書は不要です。
陸運局で名義変更する
車庫証明書の取得後は必要書類を持って、新所有者の管轄の陸運局で名義変更の手続きをします。名義変更後の車検証が発行され、新しいナンバープレートに交換すれば、相続手続きは完了です。
また、車の相続方法によって必要書類が異なるため、漏れがないか事前に確認しておきましょう。相続方法ごとの必要書類は以下のとおりです。
■単独相続
・被相続人の戸籍謄本※故人であることや相続人全員を確認できるもの
・新所有者の印鑑証明書
・新所有者の実印※代理人に手続きを代行してもらう場合は実印を押印した委任状
・遺産分割協議書もしくは遺産分割協議成立申立書
・車庫証明
・申請書※OCRシート第1号式
・手数料納付書
・自動車税申告書
■共同相続
・被相続人の戸籍謄本※故人であることや相続人全員を確認できるもの
・相続人全員の印鑑証明書
・新所有者の実印※代理人に手続きを代行してもらう場合は新所有者の委任状
・相続人全員の実印※手続きに出向けない場合は全員の委任状
・車庫証明
・申請書※OCRシート第1号様式
・手数料納付書
・自動車税申告書
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