目次
自動車保険には「等級制度」があり、等級に応じて保険料が変わります。納得して自動車保険を契約するためにも、等級についての知識を深めることが大切です。この記事では、自動車保険の等級について解説するとともに、上がる・下がる条件などについて紹介します。
自動車保険の等級とは
等級とは、保険料の割引率や割増率を定めるための区分のことです。保険会社は、加入者全員が支払っている保険料で事故を起こした方に補償しています。不平等にならないよう、事故歴に応じて保険料の割引や割増を行う「等級制度」があり、1〜20等級まで設けられています。
等級制度は、保険の契約台数が9台以下の「ノンフリート契約」で適用され、新規で加入すると基本的に6等級からのスタートです。ただし、10台以上の車を契約することにより高い割引率が適用される「フリート契約」は、支払われた保険金の額によって翌年の保険料率が変わります。
たとえば、会社で10台以上を契約している中の1台が大事故を起こし、多額の保険金が補償された場合は翌年の保険料が大幅に上がります。契約内容によっては、等級制度がないことも把握しておきましょう。
なお、ほとんどの保険会社は損害保険料率算出機構が算出している「自動車保険参考純率」をもとに、割引率や割増率を決めています。大きな差はないものの、保険会社によって等級ごとの割引率や割増率が異なるケースもあります。
自動車保険の等級の確認方法
自動車保険の等級は、契約時や更新時に発行される「保険証券」に記載されています。
紙ではなくデジタル保険証券を採用している場合は、各社のマイページにアクセスして等級を確認しましょう。なお、保険を中断している場合は「中断証明書」で等級を確認できます。
自動車保険の等級が上がるとどうなる?
自動車保険の等級が上がると割引率が高くなるため、保険料を抑えられます。たとえば、6等級が13%に対し20等級の割引率は63%です。
自動車保険を使わなければ等級が上がるため、安全運転を心がけましょう。
参考:東京海上日動「ノンフリート等級別割引・割増制度とは、どのような制度ですか?」
自動車保険の等級が下がるとどうなる?
自動車保険の等級が下がると割引率が低くなるため、保険料が上がります。また、等級が下がると「事故有係数」も加算されるため、より多くの保険料を支払わなければなりません。
事故有係数とは「事故有」の割引率が適用されることです。たとえば、15等級の無事故が53%である一方、事故有の割引率は23%です。
事故有係数は、3等級ダウン事故なら次年度の契約から3年間、1等級ダウンの場合は1年間適用され、1年ごとに解消されます。なお、4等級まで下がると割増率が適用される保険会社があり、さらに保険料が上がるため事故を起こさないよう注意して運転しましょう。
出典:東京海上日動「ノンフリート等級別割引・割増制度とは、どのような制度ですか?」
自動車保険の等級が上がる・下がる条件
自動車保険を使わなければ、翌年の等級は1つ上がります。3年契約で1度も自動車保険を使わなかった場合は、3年後の更新時に等級が一気に3つ上がる仕組みです。
一方、事故により自動車保険を使うと等級が下がります。下がる等級数は使う保険や特約によって異なり、以下3パターンに分かれています。
・3等級ダウン事故
・1等級ダウン事故
・ノーカウント事故
続いて、それぞれで下がる等級数を紹介します。
3等級事故
以下の保険を使用すると3等級ダウン事故に該当し、翌年の等級が3つ下がります。
・対人賠償保険
・対物賠償保険
・車輌保険 ※相手がいる場合や自損事故
あくまでも保険を使用した回数がカウントされるため、上記3つの保険を同時に使っても下がる等級数は3つです。たとえば、ケガをさせた被害者と壊した建物の損害費を補償しつつ、自分の車の修理をしても3等級ダウン事故として扱われます。
ただし、1年間で保険を2回使うと6等級、3回の場合は9等級のように使用した分の等級が下がるため混同しないようにしましょう。
1等級ダウン事故
以下が原因で車輌保険を使うと1等級ダウン事故に該当し、翌年の等級が1つ下がります。
・火災または爆発
・盗難
・飛来物や落下物との衝突
・落書きや車上荒らしなどのいたずら
・自然災害(台風、竜巻、洪水、高潮)
3等級ダウン事故と同様に、保険を使用した回数がカウントされます。たとえば、飛び石でフロントガラスを修理した後に車上荒らしにあい、年に2回車輌保険を使うと2事故としてカウントされるため翌年に下がる等級数は2つです。
また、1等級ダウン事故は修理費が安く済むケースもあります。車が大きく破損していない場合は、翌年に上がる保険料と実際の修理費を比べて、保険を使用するか検討しましょう。
保険を使った場合に上がる保険料は、保険会社に問い合わせると確認できます。以下の場合は、保険を使用せず実費で修理した方が結果的に安く済むため、参考にしてみてください。
・修理費 3万円程度
・翌年に上がる保険料 4万5,000円程度
ノーカウント事故
ノーカウント事故は、翌年の等級が下がらないケースのことで、人身傷害保険と特約を使用した場合が該当します。たとえば、契約車輌以外での事故も補償される人身傷害保険に加入している場合、歩行中に車に衝突されて保険を使っても翌年の等級には影響しません。
日常生活で使用できる「個人賠償責任保険」や「弁護士費用特約」など、基本補償に加えてプラスで加入した特約も、ノーカウント事故の対象です。付帯されているロードサービスもノーカウント事故に該当するため、バッテリー上がりや走行不能となった場合に活用しましょう。
自動車保険の等級の引継ぎについて
車を乗り換える場合は「車輌入替」の手続きを行うと、今までの等級を引継ぐことが可能です。車を手放す場合は「中断証明書」を発行してもらうと、今までの等級を保存した状態で自動車保険を解約できます。ただし、中断証明書には有効期限があり、10年以内に自動車保険を再開しなければ等級が引き継がれないため注意しましょう。
また、自動車保険の等級は同居している家族であれば、他人に引継ぐことも可能です。たとえば、同居している18歳の子どもが免許を取得し、車を所有した際に自分の等級を引継げます。
新規で加入すると、割引率が低い6等級からスタートするほか、運転者年齢条件が低いと保険料が高くなります。自動車保険は、以下のように運転者の年齢条件を設定でき、年齢が高いほど保険料を抑えられる仕組みです。
・全年齢
・21歳以上
・26歳以上
・35歳以上
全年齢と26歳以上の保険料の差は約3倍もあるため、等級を引継いだほうがよいケースがあることを把握しておきましょう。
まとめ
自動車保険には、等級制度があり等級が高いほど割引率が上がるため、保険料を抑えられます。ただし、事故により自動車保険を使った場合は、等級が下がるため保険料が上がります。ノーカウント事故として扱われる特約はあるものの、使う保険によっては1等級もしくは3等級下がるため、注意して運転しなければなりません。
また、車を買い替えた際や一旦売却する場合でも、各種手続きを行えば今までの等級を引継げます。同居している家族にも引継げるため、等級が高い場合は保険料を抑えて自動車保険に加入できます。
この記事で紹介した等級に関する知識をもとに、自身に合った自動車保険を契約しましょう。
旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!
長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。