車のローン残債がある状態で、乗り換えたい方もいるでしょう。結論からいうと、車のローン残債がある状態でも乗り換えは可能です。ただし、車の所有者が誰なのかによって手続き方法が異なります。この記事では、車のローン残債がある状態で乗り換える方法や、注意点などを紹介します。
車のローン残債がある状態で乗り換える方法
車の所有者が「自分」の場合と「自分以外」とで、乗り換えるときの対応が異なります。車検証の所有者欄をチェックして、所有者が誰なのかを確認してみましょう。
まずは、車のローン残債がある状態で乗り換える方法を紹介します。
自分が所有者の場合
車の所有者が自分の場合は、以下の方法で乗り換えが可能です。
1.自分が持っているお金でローンを完済し、新しい車に乗り換える
2.車を売却したお金でローン返済や乗り換え費用に充てる
金融機関のローンを組んで車を購入すると、所有者は自分になっているケースがあります。自分が所有者の場合は、自由に車を売却できる権利があり、特別な手続きが不要なためスムーズに乗り換えることが可能です。
ただし、完済前の売却を禁止している金融機関もあります。完済前に売却してもよいのか、ローンを組んでいる金融機関に問い合わせてみましょう。
自分以外が所有者の場合
車の所有者が自分以外の場合は、自分が持っているお金でローンを完済し、新しい車に乗り換えることができます。
ローンで購入した車の所有者は、基本的にディーラーや信販会社です。ディーラーや信販会社でローンを組んでいる場合は「所有権留保」されているため、残債を完済するまで車を売却できません。所有権留保とは、万が一返済が滞った際に未回収額を補填できるよう、車を担保にすることです。
残債を完済した後に、ディーラーや信販会社から自分名義に変更する「所有権解除」を行えば、車を売却できます。残債を完済したら、ローン会社に所有権解除したい旨を伝えて、手続き方法や必要書類を案内してもらいましょう。
また、自分以外が所有者の場合でも車を売却できる買取業者もいるため、自分が持っているお金で残債を完済せずに乗り換えることも可能です。たとえば、90万円の残債がある車に100万円の査定額を提示されたとします。買取額のうち、残債である90万円をローン会社に支払い、所有権解除をした後に買取業者名義に変更します。残りの10万円は、売却金として受け取ることが可能です。車の所有者が自分以外でも、買取してもらえるのかを業者に確認しましょう。
車のローン残債がある状態で乗り換える際の手続きの流れ
手続きの流れを事前に把握しておくと、スムーズに車を乗り換えられます。続いて、車の残債がある状態で乗り換える際の手続きの流れを紹介します。
1.所有権解除
車の所有者が自分以外の場合、まずは使用者が住んでいる地域を管轄する「運輸支局」で所有権解除の手続きをしなければなりません。
手続きする際は以下の書類が必要なため、漏れがないよう揃えておきましょう。
■完済後にローン会社に送付してもらう書類
・ローン会社の印鑑証明書
・譲渡証明書
・委任状
■自分で用意する書類
・使用者の印鑑証明書
・自動車税納税証明書
・申請書(第1号様式)
・手数料納付書
・車検証
・実印
また、実印を押印した委任状を用意すれば、ディーラーやローン会社に所有権解除の代行を依頼できます。ただし、1万円程度の代行費用が発生するため、費用を抑えたい場合は自分で手続きしましょう。
2.売却
所有権解除によって所有者が自分名義になれば、残債がある車を売却できます。車買取専門店で査定してもらうと、高い金額で手放せる可能性があります。なぜなら、価値を理解していることにより車を適正に評価できるほか、高く売却できる販売ルートを持っているからです。外車は「輸入車専門店」クラシックカーの場合は「旧車専門店」のように、売却する車の専門店に査定を依頼してみましょう。
3.新しく購入する
乗り換え後もローンを組んで車を購入するには、新たにローン会社と契約しなければなりません。車の売却金を返済に充てても残債を完済できなかった場合、新たに契約するローンに上乗せしなければならないため、家計に負担がかかるケースもあるでしょう。家計に負担がかかる場合は、購入する車のグレードを下げるほか、取り付けるオプション品も見直してみてください。
また、金利が低い金融機関のローンを組むと、家計への負担を軽減できます。ただし、金利が低い分、審査基準が厳しい傾向にあるため、必ずローンを組めるわけではないことを把握しておきましょう。
ローン残債がある車を売る際の注意点
残債がある車を売却する際は、売却額に注意して手放す必要があります。続いて、残債がある車を売る際の注意点を紹介します。
売却ではローンを完済できない場合がある
車の状態によっては、売却してもローンを完済できない場合があります。なぜなら、売却する際に傷やへこみがあったり走行距離が多かったりすると、査定額が低くなるためです。査定額が残債を下回った場合は、不足分を一括返済する必要があります。たとえば、ローン残債が120万円で車の査定金額が100万円だった場合、不足分の20万円を一括返済しなければなりません。
一括返済が難しい場合は、乗り換え時に組むローンに上乗せして返済する方法もあります。ただし、上乗せする金額によっては乗り換え後の返済額が増えるため、家計に負担がかかります。残債を少しでも減らすには、車を高く売却することが大きなポイントです。
時期によって売却額が異なる
中古車の市場価格は常に変化しているため、時期によっては売却額が異なります。たとえば、2020年の新型コロナウィルス蔓延により、車を生産するために必要である「半導体」が不足した時期です。新車の生産が間に合っていなかったため、中古車の需要が上がり、車を高く売却できる時期がありました。また、1〜3月は4月に新生活を始める方が多く、中古車の需要が上がる傾向にあるため、高く売却できるでしょう。
一方で、中古車の需要がない時期に売却すると査定額が低くなるケースもあります。ローン残債を少しでも減らせるよう、売却するタイミングを見極めることも、重要なポイントです。
まとめ
車の残債がある状態でも、乗り換えが可能です。ただし、車の所有者がローン会社や信販会社になっている場合は、残債を完済した後に自分名義へ変更しないと基本的に売却できません。とはいえ、中には残債を完済しなくても車を売却できる買取業者がいるため、自分名義以外でも買取してもらえるのかを確認しましょう。
また、査定額によっては残債を「一括返済」もしくは「乗り換えるローンに上乗せ」する必要があります。少しでも残債を減らせるよう、車の価値を理解した業者に売却してみてください。
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