クルマのタイヤはゴム製のため、時間の経過とともに劣化していきます。スタッドレスタイヤやスペアタイヤなどを長期にわたって使用しないときは、対策をしたうえで適切な場所で保管し、劣化を防ぐことが大切です。
今回は、クルマのタイヤを長期保管する際のポイントや主な保管場所を解説します。タイヤを保管する方法や保管場所に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
クルマのタイヤの長期保管のポイント
クルマのタイヤを長期保管するときのポイントは、以下のとおりです。
空気を抜いて保管する
空気を抜かずにタイヤを長期保管することは、ゴムに負担がかかり変形やひび割れが発生する要因となります。かといって、空気を完全に抜いてしまうと、ホイールの重みでタイヤが潰れてしまい、変形する可能性があります。
クルマのタイヤを長期保管するときは、空気圧が適正値の半分程度になるように空気を抜いておきましょう。適度に空気を抜いて保管することで、ゴムにかかる負担を軽減しつつ、タイヤが潰れる事態を避けることができます。
タイヤの適正な空気圧は、運転席のドアの開口部に貼られたステッカーやクルマの取扱説明書などで確認しましょう。
汚れを落としておく
保管をする前に、タイヤに付いた土や泥、ブレーキダスト(ブレーキの利用で発生する粉塵)などの汚れをできるだけきれいに落としておくことも重要です。
タイヤに汚れが残ったまま長期保管をすると、ゴムの劣化が進みやすくなるほか、色むらやホイールのサビなどが発生しやすくなります。また、汚れの成分がゴムに固着してしまい、自力では落とせなくなるおそれもあります。
タイヤに付いた汚れを落とす際は、ブラシやスポンジでの水洗いが基本です。汚れがひどく水洗いだけでは落とせない場合は、中性洗剤を使用しましょう。
洗剤が残っていると、タイヤを傷めてしまう要因となるため、水で洗剤をしっかりと流します。また、タイヤに水分が残らないようにタオルや拭き取り用クロスでよく拭き取りましょう。
直射日光を避けて雨が当たらない場所に保管する
直射日光が当たる場所にタイヤを保管すると、ゴムが紫外線を浴びることで、劣化が進行しやすくなりひび割れが生じやすくなります。また、タイヤに雨が当たると、タイヤ内部のスチールコードと呼ばれる部分が錆びてしまう可能性があります。
そのため、長い間使わないタイヤは、暗くて風通しがよく、涼しい場所に保管をしましょう。保管場所の候補としては、ガレージや倉庫などが挙げられます。
やむを得ず屋外に保管する場合は、防水性や遮光性に優れたタイヤカバーに入れておきましょう。また、風通しがよいすのこや厚手の段ボールなどのうえにタイヤを置いておくと、劣化が進行しにくくなります。
高熱の場所を避ける
高熱の場所にタイヤを保管すると、ゴムの劣化が進みやすくなります。そのため、ストーブや発電機など高熱を発生する機器の近くは避けてタイヤを保管しましょう。
火花が出る装置の近くを避ける
電気火花が出る装置の近くでは、オゾンと呼ばれる物質が発生しやすくなります。オゾンが発生する場所の近くにタイヤを長期保管すると、ひび割れが生じかねません。
グラインダーで金属を切断する場所や溶接作業をする場所などでは、電気火花が飛び散りやすいため、オゾンも発生しやすくなります。タイヤを長期保管する場合は、電気火花が出る可能性がある装置や機器などから離すことが大切です。
また、エアコンの室外機やモーターで駆動する機器などの近くもオゾンが生じやすいため、タイヤの保管場所としてはおすすめできません。
適切な向きで置く
タイヤの劣化や変形を防ぐためには、適切な向きで置くことも重要です。
タイヤをホイールから外して保管する場合は、立てて置くほうがよいといわれています。これは、タイヤのサイドウォール(側面にあるゴム部分)にかかる負担が軽減されるためです。
ホイールに付けたままタイヤを保管する場合は、空気圧を適正値の半分にまで減らしたうえで、横置きにしましょう。
縦置きで保管すると、タイヤの接地面にホイールの重量が集中し、設置場所にあとが残ったり、トレッド面が平らに変形するフラットスポットが生じたりすることがあります。
数年間使用しなかった場合は使用前に点検する
製造から5年が経過しているタイヤは、ひび割れが発生しやすくなります。また、タイヤのゴムが硬化して柔軟性が失われている可能性があります。
そのようなタイヤを履いて走行すると下記のような問題が起きる可能性があります。
- ・ハンドル操作に対する反応が鈍い
- ・走行時の衝撃が伝わりやすくなり乗り心地が損なわれる
長期にわたって保管をしていたタイヤを使用する場合は、タイヤ専門店に点検をしてもらい、問題がないことを確認したうえで装着しましょう。
なお、製造から10年以上経過しているタイヤは、ゴムの経年劣化が進んでおり、安全に走行できない可能性があるため、新品に交換することをおすすめします。
クルマのタイヤの保管方法
クルマのタイヤを保管する場所には、自宅やガレージ、トランクルームといった選択肢があります。また、専門業者によるタイヤ保管サービスを利用するのも1つの方法です。ここでは、タイヤを保管する場所の選択肢やそれぞれの特徴などを詳しく紹介します。
自宅内やガレージに保管する
自宅やガレージなどの空いたスペースにタイヤを保管すれば、追加で費用はかかりません。また、タイヤの状態をいつでも確認できます。
限られたスペースにタイヤをすっきりと収納したいのであれば、タイヤラックを設置するのがおすすめです。
タイヤラックがあれば、タイヤを地面に設置することなく保管できるため、劣化や変形が起きにくくなります。また、縦置きをした際にタイヤが転がる心配もありません。
ただし、自宅やガレージにタイヤを保管する場合は、ある程度まとまったスペースが必要です。保管するスペースの確保が難しい場合は、他の方法を検討したほうがよいでしょう。
トランクルームに保管する
トランクルームとは、個人が利用できる貸し倉庫のことです。不動産会社やトランクルーム専門業者などが提供しています。
トランクルームのメリットは、24時間いつでもタイヤを取り出せることです。また、タイヤを何度取り出しても追加料金はかかりません。タイヤの他にも、ホイールキャップや交換時に使用する工具、チェーン、カー用品なども一緒に保管できます。
トランクルームには、外に設置されたコンテナや物置などに保管をする「屋外型」と、建物の中に保管する「室内型」の2種類があります。
屋外型は、室内型よりも安価な賃料で利用が可能です。一方の室内型は、空調設備が整った環境にタイヤを保管できるため、ゴムの劣化を防ぎやすいといえます。
トランクルームの難点は、自分自身でタイヤを運搬しなければならないことです。また、トランクルームが自宅から遠い場所にあると、タイヤの出し入れに時間と手間がかかります。
タイヤ保管サービスを利用する
タイヤ保管サービスは、タイヤ専門店やカー用品店などに有料でタイヤを預かってもらうサービスです。
タイヤ保管サービスを利用すると、タイヤを専用の倉庫で保管してもらえます。そのため、タイヤが雨や直射日光、風にさらされる心配がありません。また、湿度や温度などが適切に設定された環境に保管できるため、タイヤの劣化を防ぎやすいといえます。
店舗によっては、専門知識を持ったスタッフに、保管しているタイヤの状態を定期的にチェックしてもらうことも可能です。
ただし、預けているタイヤを取り出すためには、事前の予約が必要です。また、予約をした日から3日〜1週間ほど経過したあとでないとタイヤを取り出せません。
そのため「パンクしたのでスペアタイヤが必要になった」「急に雪が降り出してスタッドレスタイヤが必要になった」などのケースには対応しにくいといえます。
まとめ
タイヤを長期保管する際は、空気を適度に抜いて汚れを落とし、直射日光や雨などを避け、適切な向きで置くことが大切です。長期にわたって保管したタイヤを再び使用するときは、専門店で点検をしてもらってから装着しましょう。
保管場所の候補には、自宅やガレージの空いたスペース、トランクルーム、タイヤ専門店やカー用品店などの専用倉庫が挙げられます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分自身の状況や希望する環境などをもとに保管場所を選びましょう。
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