車を所有する際には、車本体の価格だけでなく、自動車税(種別割)や重量税、燃料代、駐車場代、点検・整備費用、車検代など、さまざまな費用を支払わなければなりません。今回は、車にかかる費用にはどのようなものがあるのか、それぞれどのくらいの費用がかかるのか解説します。
車の維持費の内訳
車を維持するために必要な費用は、以下のとおりです。
・自動車税(種別割)
・自動車重量税
・燃料代(電気自動車の場合には電気代)
・駐車場代(駐車場を借りる場合)
・点検・整備費用(法定点検費用・部品および交換費用)
・車検代(検査費用や整備費用)など
それぞれ、どの程度の費用がかかるのでしょうか。
<車種別の維持費はこちら>
▼ランドクルーザー
トヨタランドクルーザーの維持費は高い?費用の内訳や目安を解説
▼スカイライン
日産 スカイラインの維持費はどのくらい?費用の内訳や目安を解説
▼フェアレディZ
日産 フェアレディZの維持費は高い?費用の内訳や目安を解説
自動車税種別割・軽自動車税種別割
自動車税種別割・軽自動車税種別割は、4月1日時点の所有者または使用者が1年に1回納税する税金です。
税額は、登録車(普通車)と軽自動車で異なります。登録車(普通車)の場合は、エンジンの排気量に応じて税額が異なります。一方、軽自動車は税額が一律です。それぞれの税額は次のとおりです。
エンジン排気量 | 2019年10月1日以降の登録 | 2019年9月30日以前の登録 |
〜1,000ccと電気自動車 | 25,000円 | 29,500円 |
1,000cc超〜1,500cc以下 | 30,500円 | 34,500円 |
1,500cc超〜2,000cc以下 | 36,000円 | 39,500円 |
2,000cc超〜2,500cc以下 | 43,500円 | 45,000円 |
2,500cc超〜3,000cc以下 | 50,000円 | 51,000円 |
3,000cc超〜3,500cc以下 | 57,000円 | 58,000円 |
3,500cc超〜4,000cc以下 | 65,500円 | 66,500円 |
4,000cc超〜4,500cc以下 | 75,500円 | 76,500円 |
4,500cc超〜6,000cc以下 | 87,000円 | 88,000円 |
6,000cc〜 | 110,000円 | 111,000円 |
軽自動車 | 10,800円(2015年4月1日以降の登録) | 7,200円(2015年3月31日以前の登録) |
自動車税が軽減されたり重課されたりする車がある
自動車税は、新規登録から一定の期間が経過すると、税の負担がおおむね15%重く(重課)なります。
ガソリン車の場合は新規登録から13年以上経過した車が重課の対象となり、ディーゼル車の場合は新規登録から11年以上経過すると重課となります。
一方、排出ガス性能や燃費性能が優れる車は、新規登録された翌年度1回のみ、税率がおおむね75%低く(軽課)なります。
重課された場合の税額と軽課された場合の税額は次のとおりです。
エンジン排気量 |
重課された場合の税額 |
軽課された場合の税額 |
軽自動車 |
12,900円 |
2,700円 |
〜1,000cc |
33,900円 |
6,500円 |
1,000cc超〜1,500cc以下 |
39,600円 |
8,000円 |
1,500cc超〜2,000cc以下 |
45,400円 |
9,000円 |
2,000cc超〜2,500cc以下 |
51,700円 |
11,000円 |
2,500cc超〜3,000cc以下 |
58,600円 |
12,500円 |
3,000cc超〜3,500cc以下 |
66,700円 |
14,500円 |
3,500cc超〜4,000cc以下 |
76,400円 |
16,500円 |
4,000cc超〜4,500cc以下 |
87,900円 |
19,000円 |
4,500cc超〜6,000cc以下 |
101,200円 |
22,000円 |
6,000cc〜 |
127,600円 |
27,500円 |
※重課される税額は2019年9月30日以前に新車登録された場合の税額をもとに算出
※軽課される税額は2021年から2025年に新規登録された自動車が対象
駐車場代
駐車場代は、駐車場を借りる場合にかかる費用です。駐車場の月額費用の相場は立地によって異なります。2023年11月時点における全国平均の月極駐車場1ヶ月あたりの費用は1万343円です。
車検代
車検代には、車検基本料と法定費用に加え、交換部品費用や付け替え工賃などが含まれます。
車検費用の内訳 |
費用内容 |
車検基本料 |
・点検料 ・検査料 ・代行手数料 ※ディーラーでの相場は6万円~8万円 |
法定費用 |
・自動車重量税:後述 ・自賠責保険料:1万7,650円(24ヶ月) ・印紙代:1,800円 |
部品交換費用等 |
・交換部品代 ・部品交換工賃 |
車検基本料は、点検料、検査料、代行手数料の合計です。車検基本料の料金は業者ごとに異なります。ディーラーで車検を受けた場合、車検基本料は6万円から8万円が相場です。
法定費用は、自動車重量税、自賠責保険料(24ヶ月分)、印紙代の合計となります。自動車重量税は、自動車の重量によって税額が異なる税金です。詳しい税額については後述します。
自賠責保険料は、法律によって保険料が決められています。そのため、どの保険会社を通じて加入しても保険料は同じです。2023年4月1日時点における自賠責保険料は24ヶ月で1万7,650円となっています。
印紙代は、車検の法定手数料です。印紙代の金額は検査の方法によって異なります。ディーラーで車検を受けた場合、保安基準適合証の提出に分類されるケースが多いため印紙代が1,800円です。
交換部品費用や付け替え工賃は、部品交換が発生した場合にかかる費用です。日頃から手入れをしていて車検時に部品交換する必要がない場合には、交換部品費用および付け替え工賃は発生しません。しかし、部品交換やタイヤ交換などをした場合は、その分の費用がかかります。部品交換の必要性や費用については、車検を依頼する業者に相談したり確認したりしてください。
自動車重量税
自動車重量税は、自動車の重量に応じて課税される税金です。車検を受けるタイミングで有効期限分をまとめて支払います。また、自動車重量税には、排出ガス性能および燃費性能に優れた自動車に対して、免税・軽減する制度「エコカー減税」があります。
それぞれの税額は次のとおりです。
自家用乗用車(継続検査)2年 |
基準の税額 |
エコカー減税対象車(本則税率) |
軽自動車 |
6,600円 |
- |
0.5t以下 |
8,200円 |
5,000円 |
〜1.0t |
16,400円 |
10,000円 |
〜1.5t |
24,600円 |
15,000円 |
〜2.0t |
32,800円 |
20,000円 |
〜2.5t |
41,000円 |
25,000円 |
〜3.0t |
49,200円 |
30,000円 |
新規登録から一定期間経過した車の場合、自動車重量税が重課されます。自動車重量税が重課されるのは、新規登録から13年経過したときと18年経過したときです。重課後の自動車重量税額は次のとおりとなります。
自家用乗用車(継続検査)2年 |
13年経過した場合 |
18年経過した場合 |
軽自動車 |
8,200円 |
8,800円 |
0.5t以下 |
11,400円 |
12,600円 |
〜1.0t |
22,800円 |
25,200円 |
〜1.5t |
34,200円 |
37,800円 |
〜2.0t |
45,600円 |
50,400円 |
〜2.5t |
57,000円 |
63,000円 |
〜3.0t |
68,400円 |
75,600円 |
燃料代
燃料代は、車種ごとに燃費(電気自動車の場合は電費)が異なるため、毎月かかる費用が違います。ここでは、参考として平均ガソリン価格と、燃費8km/L・12km/L・16km/L・20km/Lの車の1ヶ月あたりの燃料代を掲載します。
【2024年1月15日時点の全国平均ガソリン価格】
・1Lあたり175円
※レギュラーガソリンとハイオクガソリンを合算した平均ガソリン価格
【燃費別1ヶ月あたりのガソリン代】
<条件>
・1ヶ月に1,000km走行する場合として算出
・ガソリン単価は全国平均価格(175円/L)をもとに算出
・小数点以下切り捨て
■燃費8km/Lの車の場合:2万1,875円
(内訳:1ヶ月あたりに必要なガソリン量=125L)
■燃費12km/Lの車の場合:1万4,525円
(内訳:1ヶ月あたりに必要なガソリン量=83L)
■燃費16km/Lの車の場合:1万850円
(内訳:1ヶ月あたりに必要なガソリン量=62L)
■燃費20km/Lの車の場合:8,750円
(内訳:1ヶ月あたりに必要なガソリン量=50L)
故障や破損による部品交換
車を使っていると、故障、破損、劣化など、さまざまなトラブルや不具合に見舞われることがあります。
車のトラブルや不具合をそのまま放置しておくと、故障部位が拡大したり、関連部品の故障や破損などを引き起こしたりすることがあるため、早めに対処することが大切です。車に不具合や違和感があるときは早めにディーラーや整備工場に持ち込み、トラブルや不具合の原因を探り、必要に応じて部品交換や整備をしてもらうようにしてください。
なお、部品の交換や付け替えにかかる費用や工賃は、交換する部品や付け替えにかかる時間によって異なるため、ディーラーや整備工場の担当者に確認しましょう。
参考までに車を維持する際に必要となる部品交換の一部を紹介します。
定期的に交換が必要となる部品は、エンジンオイルやオイルフィルター、タイヤなどです。また、長期間にわたり同じ車に乗り続ける場合には、タイミングベルト、ウォーターポンプ、オルタネーターなどの交換も必要になるでしょう。
車種によって費用は異なりますが、駆動方式がFFの普通乗用車で1年間にかかる部品交換代の目安は以下のとおりです。
・エンジンオイルを交換:1万円/年
・タイヤを交換:4年に1回実施で5万円→1万2,500円/年
・タイミングベルト、ウォーターポンプ交換:10年または10万㎞に1回実施で7万8,000円→7,800円/年
・オルタネーター交換(リビルド品):10年または10万㎞に1回実施で4万円→4,000円/年
・カーエアコンコンプレッサー交換(リビルド品):10年または10万㎞に1回実施で7万円→7,000円/年
車の1年間の維持費
ここまで、自動車税(種別割)、車検代、駐車場代、燃料代など、車にかかる費用について解説してきました。車を維持するためには、1年間で約34万円かかります。この費用の内訳は次のとおりです。
【1年あたりの維持費(エンジン排気量1.5L、車輌重量1.5t未満の車の場合)】
・自動車税:3万500円
・車検代:5万2,025円(2年分:車検基本料6万0,000円+法定費用4万4,050円=10万4,050円の半額)
・駐車場代:12万4,116円(1ヶ月あたりの全国平均価格1万343円×12ヶ月)
・燃料代(燃費16km/Lとした場合):13万200円(1ヶ月あたりにかかる燃料代1万850円×12ヶ月)
・部品代:4万1,300円
合計=37万8,141円(部品交換抜きの合計=33万6,841円)
車の毎月の維持費
1年で37万8,141円の維持費がかかる車の1ヶ月あたりの費用負担は約3万1,500円です。この費用には車の故障や劣化などによる部品交換費用が含まれており、もしトラブルが少なければ負担額はさらに下がります。
まとめ
車を維持するためには、税金、燃料代、車検代、駐車場代など、さまざまな費用がかかります。
また、新規登録から一定の期間が経過すると税金が重課されるため、中古車を購入するときや旧車を買うときは税額にも注意する必要があります。車の維持費を理解したうえで、所有するかどうかや車種などを検討しましょう。
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