自身の運転に不安を感じ始め、先進安全機能付きのクルマへの買い換えを検討している方もいるでしょう。先進安全機能付きのクルマは、補助金を活用すれば費用を抑えて購入できます。関連する補助金として、サポカー補助金が挙げられます。
この記事では、クルマの買い換えに使えるサポカー補助金や、高齢者に向いている車種について解説します。
サポカー補助金は2021年に終了
サポカー補助金は、高齢運転者の交通事故防止を目的として、満65歳以上の人が対象車への乗り換えにかかる費用の一部を補助する制度です。
同制度は2021年に終了しているため、現在は申請できません。
サポカー補助金は下記の2つで構成されています。
・対歩行者衝突軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置を搭載するクルマの購入費用の補助
・後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置の費用補助
それぞれの補助額は、下記のとおりです。
【購入費用の補助】
①対歩行者衝突軽減ブレーキのみを搭載
②対歩行者衝突軽減ブレーキとペダル踏み間違い急発進抑制装置の両方を搭載
搭載装置・金額 | |
登録車 |
①6万円 |
軽自動車 | ①3万円 ②7万円 |
中古車 | ①2万円 ②4万円 |
【取り付け費用の補助】
搭載装置 |
金額 |
ペダル踏み間違い急発進抑制装置等 |
2万円 |
【障害物検知機能付き】ペダル踏み間違い急発進抑制装置等 |
4万円 |
高齢者のクルマの買い換えに使える補助金
サポカー補助金は終了しましたが、自治体が独自に行っている補助金制度を利用できる可能性があります。制度によっては申込に年齢制限がないため、高齢の家族のクルマに限らず、自身のクルマの買い換えにも利用できます。
ここでは、クルマの買い換えに利用できる自治体の補助金制度の一例を紹介します。
【東京都】ZEVの車輌購入補助金
東京都では、ZEVの車輌購入の補助金制度を利用できます。ZEVはZero Emission Vehicle(ゼロ エミッション ビークル)の略称で、排ガスが出ないクルマのことです。たとえば、バッテリーのみで走行する「電気自動車(EV)」や、水素をエネルギーにして電気を発生させる「燃料電池自動車(FCV)」などがあります。
排ガスが発生するものの、ガソリンと電気の両方で走行する「プラグインハイブリッド車(PHEV)」も、補助金の対象です。ただし、プラグインハイブリッドと同様にガソリンと電気の両方で走行するものの、外部充電ができない「ハイブリッド車(HEV)」は対象外なことに留意してください。
制度策定の目的は、2050年までにCO2排出量実質ゼロとする「ゼロエミッション東京」を実現することです。
補助額は、クルマのバッテリーに蓄積されている電気を家庭やほかの機器に供給できる「給電機能」の有無によって、金額が異なります。具体的な金額は下記のとおりです。
車種 |
対象者 |
給電機能 ○ |
給電機能 × |
電気自動車 プラグインハイブリッド車 |
個人・事業者 |
45万円 |
35万円 |
燃料電池自動車 |
個人・事業者 |
110万円 |
100万円 |
別途、東京都が定めた条件を満たしている自動車メーカーのクルマを購入すれば、上記に加えて5万円または10万円が追加で補助されます。
申請期間は2024年4月26日〜2025年3月31日で、オンラインまたは郵送で申請できます。
参考:東京都「令和6年度 ZEVの車両購入補助金のお知らせ」
【横浜市】横浜市V2H充放電設備設置費補助金
横浜市の戸建住宅や集合住宅、事業所へ「V2H充放電設備」を設置する際にかかる費用を補助する制度です。V2Hは「Vehicle to Home(クルマから家へ)」の略称で、電気自動車やプラグインハイブリッド車に蓄えた電力を家庭用電源としても使用できるようにする設備です。
クルマの買い替え費用の補助金ではないものの、電気代が安い時間帯に充電した電気を家庭用に使用することで電気代を抑えたり、災害時の緊急用電源として利用したりできます。
補助額は、本体価格から国の補助金を除いた額の2分の1です(上限額:1基あたり10万円)。たとえば、本体価格が50万円で国から30万円の補助金を受け取った場合、不足額は20万円ですが、横浜市からは上限の10万円が支給されます。
V2Hの導入には設備の本体価格と設置工事費を合わせて80万〜180万円程度かかるため、補助金で少しでも負担を抑えましょう。
申請期間は2024年8月13日〜2025年2月14日で、電子申請システムを使用して申し込みます。
※補助予算額に達した場合、期限前に受付を終了
【愛知県】先進環境対応自動車導入促進費補助金
愛知県には、環境性能基準を満たすクルマを購入した事業者(条件あり)に対し、購入費を補助する制度があります。
対象車輌と補助額は下記のとおりです。
対象車輌 |
補助額 |
電気自動車(トラック・乗用車) |
上限:40万円 |
プラグインハイブリッド車(トラック) |
定額:20万円 |
プラグインハイブリッド車(乗用車) |
定額:10万円 |
燃料電池車(乗用車) |
定額:100万円 |
同制度に申し込めるのは、クルマによる温室効果ガス排出量の削減と大気環境の改善を目的に先進環境対応自動車の導入を行う下記の事業者のみです。
・旅客、貨物運送事業者
・中小企業等の事業者
・自動車リース事業者
申請期間は2024年4月1日〜2025年3月14日で、郵送で申請します。
参考:愛知県「2024年度 先進環境対応自動車導入促進費補助金のご案内」
【大阪府】電動車等に関する補助金及び優遇制度
大阪府では、環境性能基準を満たしたクルマの購入費を補助しており、市区町村によって制度が異なります。ここでは、一例として3つの自治体の補助金制度を紹介します。
■豊中市電気自動車等購入支援補助金
内容 |
温室効果ガスの排出量が少ないクルマの購入費用を補助 |
対象車種 |
・電気自動車 |
補助額 |
・個人:10万円(※1) |
対象者 |
・市内に住む個人 |
申請期間 |
2024年5月9日~2025年2月28日(※2) |
申請方法 |
電子申込システムまたは郵送 |
※1 個人向けの補助金はすでに終了
※2 補助予算額に達した場合、期限前に受付を終了
■岬町電気自動車等導入支援事業補助金
内容 |
二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目的とし、購入費用を補助 |
対象車種 |
・電気自動車 |
補助額 |
・電気自動車:5万円 |
対象者 |
・町内に1年以上住んでいる |
申請期間 |
2024年4月1日~2025年3月31日 |
申請方法 |
郵送 |
■堺市電気自動車等導入支援事業補助金
内容 |
温室効果ガス排出量の削減を目的とし、購入費用を補助 |
対象車種 |
・電気自動車 |
補助額 |
5万円 |
対象者 |
・市内に住んでいる |
申請期間 |
2024年6月25日~2025年2月15日 |
申請方法 |
郵送 |
なお、大阪府ではクルマの購入費用の補助金に加えて、下記の導入助成も利用可能です。
・充電設備
・V2H
・エコタイヤ
・ドライブレコーダー
【福岡県】福岡市次世代自動車の普及に向けた支援事業
福岡市では、環境性能基準を満たしたクルマの購入費を補助しています。対象車と補助額は下記のとおりです。
種類 |
補助額 |
電気自動車(EV) |
10万円 |
プラグインハイブリッド車 |
5万円 |
燃料電池自動車 |
60万円 |
補助金の申請条件は下記いずれかを満たすことです。
・市内に1年以上住んでいる者
・市内に事業所を有する個人事業主や法人
・リース会社
・自治協議会
上記以外にも、税金の滞納がなく、暴力団と密接な関係を有していないなどの条件を満たす必要があります。
申請期間は2024年5月7日〜2025年2月28日で、メールまたは郵送で申請します。
また、福岡市には充電設備の導入に関する補助金制度もあります。クルマの購入と同時に充電設備を導入したい場合はあわせて確認しましょう。
参考:福岡市「令和6年度 福岡市次世代自動車の普及に向けた支援事業(電気自動車等)補助金」
補助金制度を使える高齢者に向いているクルマ
補助金の対象車だからといって、必ずしも高齢者に向いているとは限りません。運転のしやすさや搭載されている装置など、さまざまな観点から最適と考えられるクルマを選ぶことが大切です。補助金制度の対象車のうち、高齢者に向いているクルマを紹介します。
日産 サクラ
電気自動車である日産のサクラを購入した場合、国の補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)により、55万円補助してもらえます。国の補助金に加えて、各自治体の補助金制度も併用すれば、さらに費用を抑えて購入できます。
たとえば、東京都の再生可能エネルギー設備の設置を支援する「再エネ電力導入」を活用すれば、70万円補助してもらうことが可能です。エコカー減税の対象でもあるため、購入時にかかる税金(軽自動車税・重量税)が1万5,600円減税されるうえに、環境性能割も非課税です。
また、日産のサクラは「自動車安全性能2022」において、最高評価であるファイブスター賞を獲得しているため、自身の運転に不安を感じている高齢者に向いています。装備されている安全性能は、下記のとおりです。
安全性能 |
機能 |
特徴 |
オートライトシステム |
周囲が薄暗くなり始めたら自動で各種ライトが点灯 |
視界を確保して安全運転を支援 |
ビークルダイナミクスコントロール |
横滑りを軽減して車輌の安定性を向上 |
回避操作を支援 |
高強度安全ボディ |
車輌の保護性能の向上と相手車輌への加害性を低減 |
事故の被害を最小限にとどめる |
歩行者傷害軽減ボディ |
歩行者と衝突した際の頭部や脚部への衝撃を緩和 |
事故の被害を最小限にとどめる |
加えて、下記のような先進安全機能も装備されています。
先進安全機能 |
機能 |
特徴 |
エマージェンシーブレーキ※1 |
表示とブザーで回避操作を促し、安全に減速できなかった場合はブレーキを作動 |
走行中の衝突回避をアシスト |
踏み間違い衝突防止アシスト |
ブレーキとアクセルを間違えて踏み込んだ場合に、モーター出力やブレーキを制御 |
前進・後退時の衝突回避をアシスト |
※1 一部グレードではパッケージでのメーカーオプション
三菱 ek クロスEV
三菱 ekクロスEVは日産 サクラの兄弟車で、こちらも電気自動車です。国の補助金制度(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)により、55万円の補助を受けられます。
また、各自治体の制度を併用すれば、さらに安く購入できます。たとえば、東京都の補助金制度と併用すれば、70万円の補助金を受け取ることが可能です。
加えて、ekクロスEVは、サクラと同様に税制面も優遇されており、税金(軽自動車税・重量税)が1万5,600円減税されるうえに、環境性能割も非課税です。
ekクロスEVは下記を装備しており、安全性能に優れているため運転に自信がない方におすすめです。
装備 |
機能 |
特徴 |
マルチアラウンドモニター(移動物検知機能付)※1 |
360℃視点で車輌の周囲を確認できる |
駐車時の安全をサポート |
デジタルルームミラー ※1 |
後方の映像をミラーに表示 |
荷物や乗員で後方が見えにくいときや、夜間または雨天時に有効 |
グリップコントロール |
スリップした駆動輪をブレーキ制御し、駆動力を確保 |
雪道やぬかるみで空転した際に発進をサポート |
電動パーキングブレーキ&オートホールド ※2 |
・スイッチ操作でパーキングブレーキを作動、ブレーキペダルから足を離しても停車状態を維持 |
運転による疲労を軽減 |
ヒルスタートアシスト |
坂道発進時にブレーキを約2秒間保持 |
坂道発進時での後退を防止 |
SRSエアバッグ |
車内に7つのエアバッグを装備 |
事故による傷害を軽減 |
エマージェンシーストップシグナルシステム |
急ブレーキ時にストップランプが高速点滅 |
後続車の追突を防止するための注意喚起 |
※1 一部グレードではパッケージでのメーカーオプション
※2 一部グレードのみ搭載
まとめ
サポカー補助金は2021年に終了しているため、現在は申請できないものの、自治体ごとに環境性能に優れているクルマの購入や充電設備の設置を後押しする補助金が設けられています。
補助金の対象の中でも「日産 サクラ」や「三菱 ekクロスEV」は、安全性能が高いうえに、小回りが効くため高齢者でも運転しやすい車種です。補助金については、ディーラーや自動車販売店でもサポートしてもらえるため、不明点がある場合は相談してみてください。
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