クルマの売却は代理人に依頼できる?手順や必要書類などを紹介

目次
1.クルマを代理人が売却するときの手順 2.クルマを代理人が売却する際の必要書類 3.代理人がクルマを売却する際に名義変更は不要 4.代理人がクルマを売却する際の委任状の書き方 5.まとめ

仕事や育児で忙しい方や健康上の問題を抱えている方などは、クルマの売却手続きを自分で行うことを負担に感じるのではないでしょうか。クルマの売却手続きは、代理人に代行してもらうことが可能です。

この記事では、クルマを代理人が売却するときの手順や必要書類などについて紹介します。

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クルマを代理人が売却するときの手順

クルマを代理人が売却するときの手順

代理人は、運輸支局での売却手続きだけではなく、必要書類の準備やクルマの引き渡しなども代行できます。

クルマを代理人が売却するときの手順は下記のとおりです。

1.売却方法の決定

クルマの売却方法には3つの選択肢があり、それぞれメリットとデメリットが異なります。

売却方法

メリット

デメリット

ディーラー

乗り換え時に売却すると、クルマの購入と同時に売却手続きを進めてもらえる

買取業者よりも査定額が低い傾向にある

買取業者

状態次第では高価買取が期待でき、売却手続きを代行してもらえる

売却するクルマに特化していないと査定額が低い傾向にある

個人間での売買

自分で販売価格を設定できる

トラブルが発生しやすく、手続きに手間がかかる

それぞれに売却した場合のメリットやデメリットを確認し、自分に適した方法を選びましょう

2.必要書類の準備

売却方法を決定したら、必要書類を準備します。クルマの売却に必要な書類は、下記のとおりです。

必要書類

取得方法()は紛失した場合の申請先

代理人による取得

車検証

車内の車検証入れ (運輸支局)

再発行のみ

自賠責保険証明書

車内の車検証入れ(保険会社の窓口または郵送)

再発行のみ

リサイクル券

車内の車検証入れ(Webサイトから印刷)

再発行のみ

自動車税納税証明書

自宅で書類を保管している場所(普通車:県税事務所・自動車税事務所

軽自動車税:役所)

再発行のみ

実印

自身で印鑑を購入し、市区町村で登録する

-

印鑑証明書

役所・コンビニエンスストア

譲渡証明書

運輸支局・ダウンロード

委任状

運輸支局・ダウンロード

車検証や自賠責保険証明書、リサイクル券は車検証入れに保管されているケースがほとんどです。グローブボックス内の車検証入れを確認しましょう。

自動車税納税証明書は、5月頃に支払った納付書の控えです。Web経由で納税した場合は、管轄の県税事務所や自動車税事務所の窓口で発行を依頼しましょう。窓口に行く時間がない場合は、郵送での再発行依頼も可能です。

業者によっては、確実に納税したことを証明できれば、自動車税納税証明書の提出が不要な場合もあります。再発行する時間がない場合は、業者に相談してみてください。

リサイクル券は、自動車リサイクルシステムの「自動車リサイクル料金の預託状況」の画面から印刷して代用できます。また、ディーラーや買取業者にクルマを売却する場合、譲渡証明書や委任状は用意してもらえます。

各種再発行手続きを代理人が行う際は、委任状のほかに本人確認書類やその他の書類の提示を求められるケースもあるため、事前に確認しましょう。

なお、軽自動車の場合は下記の書類が不要です。

・印鑑証明書
・譲渡証明書
・委任状

軽自動車検査協会で、手続き当日に記入する「申請依頼書」が委任状の代わりになります。申請依頼書には、委任状のように所有者の署名捺印が不要です。各種申請書類も認印で手続きできるため、実印が不要なことにも留意してください。

3.査定依頼

必要書類を準備したら、売却先に査定依頼をします。査定時は、所有者ではなく代理人による立ち会いでも問題ありません。

ただし、盗難車の引取やトラブルを防ぐため、業者によっては委任状が求められるケースもあります。代理人が立ち会う場合は、査定依頼時に委任状が必要かどうか確認しましょう。

また、買取業者によっては、指定した場所で査定してもらえる「出張査定」を行っています。店舗に出向く手間を省けるため、時間がない場合は活用してみてください。

過去の整備歴を確認できる「メンテナンスノート」や「点検記録簿」があると、査定額が上がる可能性があります。メンテナンスノートや点検記録簿は、車検証ケースに入れられているケースが多いため、査定前に用意しておきましょう。

なお、クルマの査定時間は30分〜1時間程度です。カスタムをしていたり修復歴があったりする場合は、目安の時間よりもかかることに留意してください。

4.売買契約の締結

提示された査定金額に納得した場合は、売買契約を締結します。

売買契約の締結も、査定時と同様に所有者から委任されていれば、代理人による対応が可能な場合があります。所有者が同席していなくても売買契約を締結できるか、売却先に確認しましょう。

また、査定してもらったからとはいえ、無理にクルマを売却する必要はありません。提示された査定金額に納得がいかない場合は、時間をかけて売却を考えたり、他社に査定依頼したりすることをおすすめします。

業者によっては「この金額は今日限り」と言われるケースがあるものの、焦って売買契約を締結しないようにしましょう。

5.クルマの引き渡し

売買契約を締結したら、指定された日にクルマを引き渡します。クルマを引き渡す際は、車内に忘れ物がないか確認し、ナビやドライブレコーダーを初期化しましょう。

また、クルマの引き渡しも基本的に代理人のみの立ち合いでも問題ありません。ただし、委任状を求められるケースがあるため、事前に業者に確認してみてください。

なお、引き渡し日までに著しく車体に傷がついたり故障したりした場合、買取金額を減額する業者もいます。そのため、売買締結時に「引き渡しまでの車輌の状態維持」について、責任範囲や条件を確認しておくことをおすすめします。

6.支払いの確認

クルマを引き渡してから数日で、売却金が所有者の口座に振り込まれます。

振り込みのタイミングは業者によって異なり、2〜7日程度が目安です。期日までに支払いが確認できない場合は、売却した業者に問い合わせましょう。

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クルマを代理人が売却する際の必要書類

クルマを代理人が売却する際、通常の売却手続きより必要書類が増える場合があります。

続いて、クルマを代理人が売却する際の必要書類について詳しく紹介します。

所有者が親

所有者が親の場合は、通常の売却手続きに必要な下記の書類を準備します。

・車検証
・自賠責保険証明書
・リサイクル券
・自動車税納税証明書
・実印
・印鑑証明書
・譲渡証明書
・委任状

軽自動車であれば印鑑証明書や譲渡証明書、委任状が不要です。また、ほかの申請書類の捺印は認印でも問題ないため、実印を準備する必要がありません。

所有者が配偶者

所有者が配偶者の場合も、通常の売却手続きに必要な書類を揃えます。たとえば、夫が代理人になってクルマを売却する場合、妻の署名捺印がある譲渡証明書や委任状、印鑑証明書が必要です。

ただし、離婚により所有者の名前や住所が変わる場合は、車検証に記載されている事項を変更する「変更登録」を行う必要があります。売却と同時に手続きできるものの、下記の書類が必要なため手間が増えることに留意してください。

・名前に変更あり:氏名の変更の事実が証明できる戸籍謄本
・住所に変更あり:住所のつながりを証明できる住民票

所有者が故人

所有者が故人の場合、運輸支局で相続手続きをした後に、クルマを売却できます。

クルマは所有者が亡くなった時点で、法定相続人全員の共有財産となり、状態にかかわらず新所有者を確定させて相続手続きをしなければなりません。クルマの相続手続きには、下記の書類が必要です。

・遺産分割協議書
・法定相続人全員の印鑑証明書
・故人が死亡した事実や相続人全員を証明できる戸籍謄本
・相続人の車庫証明書
・相続人の実印

遺産分割協議書は、遺産分割協議の内容をまとめた書類であり、法定相続人全員の実印を押印する必要があります。軽自動車の場合、遺産分割協議書や車庫証明などは不要です。

なお、相続とクルマの売却に必要な書類を揃えておけば、手続きを同時に行える場合があります。必要書類は多くなるものの、手間を抑えたいのであれば、同時に手続きするとよいでしょう。

所有者の認知能力に問題がある場合

所有者の認知能力に問題がある場合は、家庭裁判所で成年後見人を申立した後にクルマを売却します。成年後見人とは、認知症や知的障害により判断能力が低下している人に代わって、財務管理や契約締結などの法律行為を行う人のことです。

成年後見人を立てたら、その方の印鑑証明書と実印を用いてクルマを売却できます。ただし、成年後見人の申立には下記のような書類が必要であり、準備や手続きに時間がかかることに留意してください。

・後見開始申立書
・申立事情説明書
・親族関係図
・親族の意見書
・後見人等候補者事情説明書
・財産目録
・相続財産目録
・収支予定表
・医師の診断書
・戸籍謄本
・住民票
・本人の健康状態に関する資料
・本人の財産等に関する資料

参考:最高裁判所「成年後見等の申立てに必要な書類等について」

また、成年後見人は家庭裁判所が本人にとって適切な人を選ぶため、親族のほかに司法書士や弁護士などが選任される場合もあります。

現に、考えや気持ちがまとまりづらくなる「統合失調症」だったケースにおいて、唯一の家族である遠方の叔母では成年後見人になるのは困難との判断に基づき、司法書士が選任されてクルマを売却した事例もあります。

参考:法務省「Q3〜Q15 法定後見人制度について」

代理人がクルマを売却する際に名義変更は不要

代理人がクルマを売却する際、基本的に名義変更する必要はありません。

ただし、所有者と代理人が親族関係にない場合、盗難車と疑われる可能性もあります。不安な場合は、クルマを代理人名義に変更してから売却するとよいでしょう。

また、買取店や司法書士などのクルマの手続きに精通した業者に売却を代行してもらうことも1つの手段です。

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代理人がクルマを売却する際の委任状の書き方

運輸支局で手続きする際に必要な委任状は、下記のように記入します。

1.受任者(代理人)の住所と氏名
2.手続きの種類(売却の場合は「移転登録」)
3.売却するクルマの登録番号または車体番号
4.委任者(所有者)の住所と氏名、捺印

こちらからテンプレートをダウンロードできるため、活用してみてください。

まとめ

クルマの売却において代理人は、運輸支局での手続きのほかに、必要書類の準備やクルマの引き渡しなども代行できます。ただし、査定の立ち合いやクルマの引き渡しでは、売却先に所有者の委任状を求められるケースがあることに留意してください。

また、代理人がクルマを売却する際、名義変更をする必要はありません。トラブルを防ぎたい場合は、親族に代理人になってもらうか、買取店や司法書士などのプロに売却の代行を依頼するとよいでしょう。

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