雪が降ったときは車のワイパーを立てることが常識とされています。しかし、ワイパーが雪の重みで破損しないか不安に思う方もいるでしょう。ワイパーは、立てても基本的に問題はないものの、状況や扱い方によっては破損するケースもあるため注意が必要です。この記事では、雪が降ったときに車のワイパーを立てる理由やデメリット、注意点を紹介します。
雪が降ったときに車のワイパーを立てる理由
雪が降ったときに車のワイパーを立てることは、破損の防止やフロントガラスを掃除しやすくするためなど、いくつかの理由があります。まずは、雪が降ったときに車のワイパーを立てる理由を紹介します。
ワイパーを無理に動かすことによる破損の防止
気温の低下によりゴム部分が凍結し、フロントガラスに張り付くケースがあります。除雪する際に無理に引き剥がすと、ゴム部分が切れたりアームが折れたりするため、誤操作したときのトラブルを防ぐために、ワイパーを立てておかなければなりません。
また、凍結した状態で無理に作動させると、ワイパーに動力を伝えるモーター部分が破損するケースもあります。凍結した状態で作動させることは、フロントガラスに傷がつく可能性もあるため、ワイパーで除雪作業は行わないようにしましょう。
フロントガラスの清掃のため
フロントガラスに積もった雪を掃除しやすくするため、降雪時にワイパーを立てます。積もった雪を降ろす際は、スノーブラシを使用するため、立てたほうがフロントガラスを掃除しやすいでしょう。
また、立てていない状態でフロントガラスの雪を掃除すると、スノーブラシがワイパーに当たることにより、故障するケースもあります。スムーズにフロントガラスを清掃するためにも、降雪時はワイパーを立てておくとよいでしょう。
車を見つけやすくする
自分の車を見つけやすくするため、事前にワイパーを立てるドライバーもいるでしょう。豪雪地帯では車が雪で覆われることが珍しくありません。また、猛吹雪のときは視界も悪くなるため、ますます車を見つけづらくなります。ワイパーを立てておけば、目印となり車を発見しやすくなります。
雪が降ったときに車のワイパーを立てるデメリット
ワイパーを立てると、周囲の建物からまとまった雪が落ちて来た際に下敷となり、折れてしまうデメリットがあります。立てたワイパーが見えなくなるほど車が雪で覆われた場合は、除雪時にひっかけてアーム部分を折るケースもあるため注意が必要です。
また、雪の重みによりアーム部分が変形したり折れたりするケースもあります。たとえば、比較的気温が高い本州で降る「もち雪」や「べた雪」などは水分を多く含んでおり、粉雪や乾雪より重い特徴を持っています。
水分を多く含んだ雪が車全体を覆うと、重さに耐えきれずアーム部分が変形したり折れたりする可能性があるため、必ずしもワイパーを立てることが正解とは限りません。気象情報をチェックしつつ、状況に応じて立てるかどうか判断しましょう。
ワイパーが破損した場合は、新たに購入する必要があり以下の費用が発生します。目安として参考にしてみてください。
・ゴム 1,000円程度
・アーム 3,000円程度
・モーター 1〜2万円程度
ワイパーに動力を伝えるモーター部分が破損すると、交換費用が高額になるため、雪が降ったときに立てるかどうかよく考える必要があります。
降雪時に車のワイパーを立てるときの注意点
降雪時は、雪の塊が落ちてくるところには駐車せず、すでに載っている雪を落としてから立てるようにしましょう。続いて、降雪時に車のワイパーを立てるときの注意点を紹介します。
雪の塊が落ちてくるところには駐車しない
降雪時に車のワイパーを立てる際は、雪の塊が落ちてきそうな場所に駐車しないようにしましょう。立てた状態で雪の塊が落ちると、アーム部分が変形したり折れたりする可能性があります。特に建物の軒先(のきさき)や庇(ひさし)の真下などは、雪の塊が落ちてくる可能性が高いため注意が必要です。
また、強風の場合はアームが折れるケースもあります。除雪する際の負担の軽減もできるため、風向きを考慮して駐車しましょう。
すでに載っている雪を落としてから立てる
降雪時は、すでに載っている雪を落としてから車のワイパーを立てましょう。降る量によっては数時間で積もるケースがあるため、除雪する際の手間を考慮すると、少しでも雪を落としておいた方がスムーズに目的地へ向かうことが可能です。
また、ワイパーを立てる際はアーム部分を持ち上げる方法が一般的ですが、スイッチ操作が必要な車種もあります。たとえば、ドイツ車であるフォルクスワーゲンのほとんどの車種は、以下の方法でワイパーを立てます。
1.始動スイッチを数秒間ONにしてからOFFに切り替える
2.ワイパーレバーを下げる
3.サービスポジションに移動したアーム部分を手で掴んで持ち上げる
無理に持ち上げると破損や故障につながるため、愛車の正確なワイパーの立て方を把握しておきましょう。
まとめ
気温の低下によりゴム部分やアームが凍結するケースがあり、無理に動かすことによる破損を防止するためにワイパーを立てます。フロントガラスを掃除しやすくするためや、車を見つけやすくすることも、ワイパーを立てる理由の1つです。
ただし、周囲の建物からまとまった雪が落下した際や、除雪時に引っ掛けて破損させてしまうケースもあるため、注意してワイパーを立てなければなりません。立てる際は、雪の塊が落ちてくる場所を避けて駐車しましょう。
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