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近年、20~30代の若者の間でネオクラシックカーと呼ばれる旧車ブームが巻き起こっており、非常に注目を集めている。
都内で大学生をしている筆者のまわりでも、ゴルフやボルボに代表される王道車種はもちろん、そのほかにも個性的なネオクラシックカーがほしいという声がちらほらと聞こえるようになってきた。
クルマが好きな筆者としては、同世代の友人たちがどんな要因であれ自動車に興味を持ってくれるのは本当に嬉しいことである。
▲近年絶大な人気を得ているゴルフ2
▲同じく人気を集めているボルボ240
しかし我々20代の学生にとって、クルマというのはとてもハードルが高い買い物、ましてや旧い車なんてなおさらのこと。
しかも自動車というものは買っただけでは済まず、維持費がかかるし、旧車なら修理費もかかったりもする。
そういった点で、皆あこがれてはいるけれど、なかなか手が出ないというのが現状である。
そんな“旧車に乗りたいけれど、ハードルが高くてあきらめかけている同世代のオーナー予備軍の方々”へ。
ごく一般家庭で育った文系大学生の筆者が、“どのようにして旧車ライフを送れているかのコツと工夫”を参考になるかはさておき、お伝えしておこうと思う。
■旧車は維持費が高い、燃費が悪いというイメージについて
僕のまわりの大人や友人、いろいろな人から“超”頻繁に聞くフレーズとして“旧車は壊れる、旧車は金がかかる、燃費が悪い”がある。
これは確かに間違っていないが、正しいとも言い難い。
旧車のなかでも大小さまざま千差万別であり、これを真に受けて旧車をあきらめてしまうのは非常にもったいないと思う。
■旧車と付き合っていくうえでネックになる維持費や修理費を節約するには
旧車がその魅力にもかかわらず敬遠される要因でもあるランニングコスト。
これは工夫次第で抑えることができるのだ。
もちろん税金や保険は節約できないので、頑張って捻出する以外に選択肢はないのだが、ここでは車検や整備費などの抑え方について解説していく。
ポイント1 ~ユーザー車検~
車検というと、整備工場に依頼して取得してもらうのが一般的である。
しかし旧車の場合、車検を取得には現行の自動車とは少し異なる技術が必要であり、整備費が高くついてしまうのだ。
それを自分でおこなうことによって、大幅に費用を節約することができる。
もちろん車両によって注意点などが異なったりもするわけだが、近年ではユーザー車検に挑む人も増えている。
さらにネットにも多くの情報が公開されているので、それらを参考にすると良いだろう。
ポイント2 ~こまめな点検、整備を自分で~
旧車は壊れやすいといわれるが、理由としてはさまざまな部品が年数を経て劣化していることがあげられる。
それらの部品は大抵大事になる前に予兆があり、それに気が付いて事前に交換や修理、調整をしてやることで解決できる。
ほったらかしにしないで日頃からこまめに車の様子を観察して注油するなど、メンテナンスしてクルマとコミュニケーションを取ることが大切だ。
これらのことを続けていれば、オーナーにしかわからないクルマの声のようなものが聞き取れるようになっていき、これが旧車と付き合っていくことの醍醐味だったりもする。
ポイント3 ~修理を自力で行う方法~
旧車は壊れやすいといわれるが、それゆえに構造がシンプルで簡単に修理できる傾向がある。
メジャーな車種や一部輸入車などは、未だにメーカーから新品の部品が生産されていたり、そうでなくてもヤフオクやイーベイなどを駆使すれば、素人でも簡単に部品が入手できるケースが多い。
一定数人気のある車種だと修理の解説をしている動画やサイトなどもあるので、筆者のような完全な素人でもネット時代の恩恵である程度の修理はできてしまうのだ。
手をかければかけるほど愛着が湧くので、なるべく自分で修理するというのもオススメである。
■筆者がオススメするクルマの条件
比較的維持しやすいクルマの条件を解説する
・排気量が小さめ
税金やガソリン代を抑えるためというのもあるが、排気量はクルマ自体の大きさや重さ、パワーに直結する指標であるので、排気量が少なければタイヤにかかる負担も小さくなりやすい。
▲排気量ごとの税金
・1960~1970年代に設計されたクルマ
この年代に設計されたクルマは、それ以降のクルマに比べてはるかにシンプルな構造になっていて、電気的に車を制御するシステムなどもない。
つまりDIYで修理をするにも比較的イージーであり、不便な部分は多いけれど運転するのにもコツが要るため、ドライバーを育ててくれる利点もある。
▲シンプルで手の入りやすい旧車のエンジンルーム
・自分が心から惚れ込んでしまったクルマ
旧車というのは現行の自動車に比べてやはり手間がかかるし、苦労する部分もあるので情熱がないとなかなか厳しい。
なので苦労や手間もすべて吹き飛んでしまうくらい大好きなクルマを選ぶことが肝心だ(もちろん妥協のないクルマ選びというのは口でいう100倍以上難しいのだけれど…)。
■さいごに筆者より
クルマが欲しいと思ったなら、旧車やクルマ全般によく言われる噂やイメージなどを鵜呑みにせず、ネットなり本なりで細かくいろいろと調べてみることを薦めます。
ハードルが高いとはいえ情熱があれば案外どうにでもなったりするものです。
諦めなければいつかきっと手に入るはず。
これを読んでいる旧車にあこがれているみなさまが、ステキなカーライフを送れることを心より祈ります。
[ライター・画像 / 小河昭太]