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日本人は男女問わず「野球好きだ!」。
そう実感したのが2023年3月に開催されたWBC。
大谷翔平選手をはじめ、サムライ戦士たちの躍動と興奮を受け継ぐように、現在プロ野球も大盛り上がり中。
そんななか、ふと思った。
「野球のポジションを連想させるクルマがあるじゃないか」と。
これは……大発見だ! 国産旧車でポジション別に挙げていきたい。
■チームのカギを握るピッチャー。Z33がそれにぴたりとハマる!
まずは野球という試合に挑むにあたり、カギになるのがピッチャーだ。
勝つか負けるかピッチャー次第、といっても過言ではなく、クルマに当てはめればメーカーの顔であり、売れてもらわなくては困る、という存在。
ならば、2002年登場の日産フェアレディZ(Z33)こそ、ピッチャーにふさわしいだろう。
やや荒っぽいが心地いいサウンドの3.5L NAエンジンを搭載し、速球派ピッチャーばりの加速を味わえるモデル。
Z32の発売終了から、長らく続いたフェアレディZ消滅期間からの「奇跡の復活劇」は、あの巨人・桑田投手の復活登板を彷彿させる!(古いか…)
次はキャッチャー。
扇の要とされるポジションで、どっしり構えてぶれずにチームをまとめる役割がある。
そのキャッチャーはズバリ、トヨタ14代目クラウン(2012年)だ。
先代からガラリと顔を変え、特にアスリートのギザギザデザインのグリルは「奇抜すぎて違和感あるなぁ」と、皆感じていたもの。
しかし、数年経つと自然となじんでいく…。
「これがクラウンの顔だ」と、どっしり構えて発売したトヨタの戦略も含めて、まさにキャッチャーの姿だ。
■背が高くテクニックも必要なファースト。ならばデリカ・スペーシアギアだ
ファーストはやや地味な存在ながら、内野手からの送球を確実に受け取るテクニックが要り、高い送球をキャッチする必要もあるので「背の高い選手」が理想的。
背の高いミニバン界でもトップクラスの、三菱デリカ・スペーシアギア(1994年)に登場していただこう。
なにせ全高2070mmですから。
加えて、パジェロゆずりの4WD性能もあり、走りのテクでも見せる!
右に左にと軽快に動き回り、打球を処理するのがセカンドだ。
求められるのは軽さと俊敏性。
それはもう、ホンダビート(1991年)で決まりだ。
軽自動車でありながらミドシップ、四輪ディスクブレーキという本格スポーツ。
捕球が難しいゴロに対しても「着実に止まり」ファーストへ投げる。
四輪ディスクブレーキが効いている、ということだ。
■花形ポジションのサードにつくのは、やはりR32 GT-Rしかいない
サードは、あの長嶋茂雄選手よろしく花形ポジション。
守備で魅せて打撃でも魅せる。
なぜか3~4番打順のホームラン打者が多く、まさしく日産R32スカイラインGT-R(1989年)そのものではないか。
2.6L、直6DOHCツインターボという心臓を持ち、6速スロットルチェンバーなど、先進のメカニズムを搭載。
その走りのパフォーマンスと張り出したフェンダーやウィングで武装したスタイルは、まさにスポーツモデルの花形。
今でも圧倒的人気を誇るR32は、やはり長嶋茂雄さんに似ているし、現役選手ならヤクルトの「村神様」級の存在だ。
セカンド同様、俊敏性が求められるポジションがショート。
足さばきが重要となるが、ならば、開発時に欧州の道路を徹底して走り込んだという、スズキ2代目スイフトスポーツ(2005年)にショートについていただこう。
超人気の現行モデルの基盤を築いた世代といっていいモデルで、1.4L、直4DOHCながら1060kgという軽さもあり、狙ったラインを思いのまま走行できる爽快感がある。
やはり、狙った打球を確実につかむ、ショートのポジションがお似合いだ。
そうそう。コスパのよさはこの2代目も同じだが、プロ野球のショートでコスパのいい選手は……いないかもしれません(汗)。
■人馬一体の走りでどんな打球にも追いつく「球際の魔術師・ロードスター」
続いては外野のポジション。まずはレフト。
ライン際に痛烈な打球が飛んでくる場合も多く、足の速い選手が理想的なポジションだ。
ここは、スバル3代目インプレッサWRX STI(2007年)の出番だろう!
インプレッサWRXシリーズのなかでも人気を誇る3代目で、発売当初のハッチバックに加え、4ドアセダンも設定。
どちらも筋肉系のスタイルで格好いい。
まさにレフトにつく選手とかぶる。
2L、水平対向4気筒ターボは最高出力308psと実にパワフル。この出力をもって打球を追う。3代目インプレッサWRX STIなら任せて安心。エラーなどするはずもなし!
外野の守備、その要となるのがセンター。
なにせ、前後左右に打球がどんどん飛んでくる。
それを軽やかに走り、キャッチしなければならない。
このポジションに似合うのは、マツダ初代ロードスターしかいない。
軽量で強靭なフレームを採用し、1.6L、直4DOHCを縦置きに搭載。
意のままに走れる「人馬一体」感で痛烈な打球も、風を切りながらキャッチ!
うん、サマになること間違いなし。
■驚きの好燃費でイチローのように長く「走り続ける」プリウス
そして、ライトを守ってもらうのはトヨタ3代目プリウス(2009年)。
予約受注がものすごい数で、発売されてからも長らく月販台数1位に輝いていた超人気モデル。
その人気のさまは、ライトといえばこの人、イチロー選手を彷彿させるほど。
新開発のハイブリッドシステムTHS-Ⅱを搭載し、当時の10・15モード燃費で38.0km/L。
この驚くべき数値で、イチロー選手同様にず~っと、なが~く走り続けたのである。
……以上。
「野球のポジションを連想させる9台の国産旧車」を、個人的主観で取りあげてみたが、野球選手のアグレッシブな動きをイメージさせるモデルばかりじゃないですか! と判明。
秋まで熱く続くプロ野球を観戦しながら、選手たちにクルマをカブらせてみることも一興かもしれない。
[画像・トヨタ,日産,ホンダ,マツダ,三菱 / ライター・柴太郎 ]