フェード現象とは?ベーパーロック現象との違いや原因・対策をわかりやすく解説

目次
1.フェード現象とは? 2.ベーパーロック現象との違い 3.フェード現象が起こりやすい状況 4.フェード現象を未然に防ぐ方法 5.フェード現象が起きたら何をしたらよい? 6.まとめ

クルマで長い坂を下っている最中などにスピードを落とせなくなる現象を「フェード現象」といいます。スピードを落とせないままに走行すると重大な事故に発展する可能性があり、大変危険です。安全にドライブを楽しむためにフェード現象の原因や対策を把握しておきましょう。

この記事では、フェード現象の原因と対策、発生時の対処法、フェード現象とよく似た「ベーパーロック現象」との違いについて解説します。

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フェード現象とは?

フェード現象とは?

フェード現象とは、走行中にフットブレーキを連続使用することによってブレーキが効かなくなる現象のことです。

エンジンを構成するパーツの1つである「ブレーキパッド」には、摩擦材が使われています。フットブレーキを多用すると摩擦材に必要以上に熱くなり、一定の温度を超えるとガス化してブレーキパッドとブレーキローターの間に入り込みます。ブレーキパッドとブレーキローターの間に薄い膜が張られたような状態となるため、摩擦力が低下してブレーキが効かなくなってしまうのです。

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ベーパーロック現象との違い

フェード現象とよく似ている「ベーパーロック現象」という現象があります。フェード現象と同じく、フットブレーキの多用によってブレーキが効かなくなる現象です。フェード現象とは、ブレーキが機能しなくなる原因が異なります。

フェード現象はガス化した摩擦材がブレーキパッドとブレーキローターの間に入り込むことで発生しますが、ベーパーロック現象は摩擦熱によってブレーキ液が沸騰することで起こります

▼ベーパーロック現象についてはこちらで詳しく解説しています。
ベーパーロック現象とは?原因・対策・対処法について解説

フェード現象が起こりやすい状況

フェード現象は、フットブレーキを多用するときやブレーキに負荷がかかりやすいときに発生します。具体的な状況を3つ紹介します。

峠道・山道

入り組んだ峠道や山道では、慎重にクルマを進行させなければ危険です。一方で、フットブレーキを頻繁に使用するためにフェード現象が発生しやすい状況でもあります。

下り坂

長い下り坂を走行する際には、クルマの重さによってブレーキに負担がかかって摩擦熱が生じ、フェード現象につながる場合があります。

渋滞中

渋滞している最中は、少しずつクルマを進めるためにフットブレーキを多用します。その結果、フェード現象が発生することがあります。

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フェード現象を未然に防ぐ方法

フェード現象が起こるとブレーキが効かなくなるため、周囲のクルマや歩行者を巻き込む重大な事故につながりかねません。ここでは、フェード現象を未然に防ぐための方法を紹介します。

エンジンブレーキを併用する

フェード現象を防ぐためには、ブレーキペダルを使いすぎずエンジンブレーキを併用しましょう。エンジンブレーキとは、走行中にアクセルペダルを離すと速度が落ちる現象です。また、低いギアに入れることでも強いエンジンブレーキを効かせることが可能です。

MT車の場合は、1段ずつ低いギアに落とします。AT車の場合は、2または3、Lにギアを入れるとエンジンブレーキを効かせることができます。

下り坂ではアクセルを踏まない

スピードが出やすい下り坂でアクセルの使用を控えるのも、フェード現象の防止に効果的です。そもそも速度が上がりすぎなければフットブレーキを多用する必要がありません。アクセルを踏みすぎなければ、何度もブレーキをかけなくても問題ないため、下り坂を走る際には気をつけましょう。

ブレーキを定期的に点検する

ブレーキの定期的な点検も重要です。ブレーキを踏んだときに違和感がないか、ブレーキオイルやブレーキ関連の部品に問題がないか日常的に確認しておきましょう。

フェード現象が起きたら何をしたらよい?

フェード現象が起きてしまったときは、エンジンブレーキを使うかブレーキを冷やして対処します。それぞれの方法について詳しくみていきましょう。

エンジンブレーキを使う

フェード現象が起きているときは、ブレーキのペダルを踏んでもクルマは減速しません。ブレーキペダルを踏んでも減速しないと気づいたら、アクセルペダルから足を離すか、低いギアにチェンジしてエンジンブレーキを活用しましょう。

ブレーキを冷やす

フットブレーキが効かないことに気づいたら、エンジンブレーキを使って少しずつスピードを落としましょう。フットブレーキを使わずに走行すれば走行風でブレーキを冷やすことができ、フットブレーキの効果を回復させられる場合があります。

クルマを止めてブレーキを冷やす場合は、路肩や駐車場など安全な場所に停車し、ブレーキの熱を下げましょう。30分ほど停車すれば、ブレーキを適温に戻せます

ただし、ブレーキを冷やしてブレーキの効果を回復させられるのは、フェード現象にいち早く気づいた場合です。フェード現象が進行し、ベーパーロック現象が起きてしまうと、ブレーキを冷やしても本来の性能まで回復できない場合があります。フェード現象やベーパーロック現象が起きたときは、なるべく早くプロに点検してもらい、ブレーキの修理や部品交換などを実施してください。

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まとめ

今回はフェード現象が起きる原因、防止策、対処法を紹介しました。

運転中にブレーキが効かなくなると、大きな事故を起こしてしまうかもしれません。そうならないためにも、運転するときはフットブレーキだけでなくエンジンブレーキも併用して運転しましょう。

もし、運転中にブレーキが効かないことに気づいたら、無理に運転を続けようとせず、エンジンブレーキを使って速度を落とし、安全な場所に車を止め、救援を依頼してください。

また、フェード現象が起きないよう日頃からブレーキを踏んだときに違和感がないか確認したり、ブレーキ周辺の定期点検を行ったりしておきましょう。

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