購入時や保有段階で複数の税金が課される自動車。日本は高年式で環境性能が優れている自動車ほど優遇される税制度です。海外でも自動車税は存在し、税金額は各国によって異なります。この記事では、海外で課される自動車の税金額や、輸入車の税金に関する注意点などを紹介します。
日本の自動車に関する税金の種類
日本の自動車に関する税金は、毎年課せられる「自動車税(種別割)」や車検時に支払う「自動車重量税」などです。車の自動車税(種別割)は排気量が上がるほどに税金額が高くなるほか、初度登録から13年経過すると15%、18年を超えるとさらに重課される仕組みです。
車検時に支払う「自動車重量税」は、車両重量に応じて税金額が決まります。自動車税(種別割)と同様に初度登録から13年、18年を超えるとさらに重課され、古い車ほど税金額が高くなります。
一方、環境性能が優れている高年式車には「エコカー減税」や「グリーン化特列」などの減免制度があるため、税金額を抑えることが可能です。なお、購入時には「自動車取得税(環境性能割)」や、燃料を給油するときに発生する「ガソリン税」、修理や部品代には10%の消費税がかかります。
海外における自動車に関する税金額はどれぐらい?
海外では各国によって税制度が異なり、日本より税金額が低い国もあります。続いて、海外で課せられる車の税金を紹介します。
アメリカ・カナダ
アメリカとカナダは、日本に比べて車にかかる税金の種類が少なく、「車両登録税」のみを年に一度納税します。「車両登録税」とは、日本で例えるとナンバープレート発行料のような税です。税金額は州や連邦ごとに異なり、以下に応じて決められ、日本円にすると「1,000円〜15,000円」程度です。
・車両総重量
・年式
・車両価格
また、ガソリンも日本に比べて価格が低く、少ない維持費で車を所有できるため、大型SUVやピックアップトラックなどの排気量が大きい車の需要が高い国です。
ドイツ
ドイツは取得段階では課税しておらず、年に一度「自動車税」を納税する必要があります。税金額は排気量やCO2排出量に応じて決まり、以下が課税されます。(1ユーロ:148円※2023年6月1日時点)
■排気量基準
・ガソリン車 100ccあたり2ユーロ
・ディーゼル車 100ccあたり9.5ユーロ
■CO2排出量基準 1g/kmあたり2ユーロ
走行1kmあたりのCO2排出量が100g未満の場合は、免除になる制度もあるため、環境性能が優れている車は税金額を抑えることが可能です。ただしガソリン税は、日本が1Lあたり「0.4ユーロ」である一方、ドイツでは「0.66ユーロ」と、高めに設定されています。
また、以下の条件を満たす車は「旧車優遇制度」が適用され、年間の自動車税が一律191ユーロになります。
1.生産されてから30年以上経過している
2.オリジナルの状態が保たれている
3.走行に支障をきたす欠陥がないと判断された車
出典:外車王『意外?納得?ドイツにおける「Hナンバーの取得をあえて行わない」その理由とは』
ドイツは、古い車ほど重税される日本とは異なり、クラシックカーが優遇されている国です。なお、旧車優遇制度が適用された車は、ドイツ語で「歴史的(ヒストリック)」を表す「Hナンバー」が付与されます。
イギリス
イギリスは、年に一度「自動車税」を支払う必要があり、CO2排出量に応じて税金額が決まります。A〜Mまで車両クラスが設定されており、1km走行時のCO2排出量が多いほど、税金額が高くなる仕組みです。
Gクラス以降は「初年度」と「標準(2回目以降)」でも税額が異なります。具体的な車両クラスごとの税金額は以下のとおりです。
※1ポンド=173円 (2023年6月1日時点)
車輌クラス(CO2排出量) | 初年度 | 標準 |
A 〜100g/km | 0ポンド | 0ポンド |
B 101〜110g/km | 0ポンド | 20ポンド |
C 111〜120g/km | 0ポンド | 30ポンド |
D 121〜130g/km | 0ポンド | 90ポンド |
E 131〜140g/km | 110ポンド | 110ポンド |
F 141〜150g/km | 125ポンド | 125ポンド |
G 151〜165g/km | 155ポンド | 155ポンド |
H 161〜175g/km | 250ポンド | 180ポンド |
I 176〜185g/km | 300ポンド | 200ポンド |
J 186〜200g/km | 425ポンド | 235ポンド |
K 201〜225g/km | 550ポンド | 245ポンド |
L 226〜255g/km | 750ポンド | 425ポンド |
M 255g/km〜 | 950ポンド | 435ポンド |
また、2001年3月以前に登録された車はCO2排出量ではなく、排気量で税金額が設定され、以下の自動車税を支払う必要があります。
・1,549cc未満 135ポンド
・1,549cc以上 220ポンド
なお、1973年1月1日以前に登録された車は自動車税が免除されるため、ドイツと同様にクラシックカーが優遇されている国です。
フランス
フランスでは、取得時に27〜46ユーロ程度の「車両登録税」が発生します。(1ユーロ:148円※2023年6月1日時点)税額は馬力や地域によって異なり、パワーがある車ほど税金額が高い仕組みです。
また、取得時にCO2排出量が多い車に対しては重課、少ない車の場合は国から補助金が支給される「Bounus/Malus制度」もあります。「Bounus/Malus制度」は、環境性能が優れた車への買い替えを促進することを目的として、2008年1月に導入されました。
フランスは、日本と同様に環境性能が優れていない車に対して多く課税する国です。なお、車を所有している企業に対しては「自動車税」が課税され、税金額はCO2排出量によって決まります。
海外の車の税金に関する注意点
海外の車を日本で利用する場合は、国産車と同様の税金を納める必要があり、購入時も10%の消費税がかかります。続いて、海外の車の税金に関する注意点を紹介します。
輸入車の税金は国産車と同じ
輸入車も国産車と同様に、日本の税制度が適用されます。年に一度の自動車税や車検時の自動車重量税はもちろん、購入時の取得税も国産車と同様に納税する必要があります。輸入車が生産されている国の税制度が適用されるわけではない点に注意してください。
輸入車に関税はかからない
日本では輸入車に関税はかからないため、10%の消費税のみで購入できます。関税とは輸入品に課される税金のことで、自国の産業を保護するために定められています。
外国から安い商品が多く輸入されてしまうと、国産品が売れなくなることを避けるため、輸入品に関税をかけている国がほとんどです。例えば、他国が国産乗用車を輸入する場合、アメリカは「2.5%」中国では「15%」の関税がかかります。
日本では、車や車関連部品に関税がかからないことを把握しておきましょう。
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