日本が世界に誇る自動車産業。
2022年度のグループ別世界販売台数では、トヨタ自動車が1048万3024台で3年連続の世界1位となった。
2位のフォルクスワーゲンは、中国のロックダウンの影響などもあり、前年比を大きく下回り826万2800台という結果になった。
トヨタ自動車は、新型コロナウイルスの煽りを受けながらも、2位のフォルクスワーゲンと222万台以上の大差でトップの座に君臨した。
また3位に韓国の現代自動車が684万8198台、続く4位にルノー・日産・三菱の3社連合が615万6777台となっている。
未だ衰えを知らない日本の自動車産業。
世界中で選ばれ続けている日本車が最大のライバル、ドイツではどれだけの人気があるのか?
またどんな日本車が選ばれているのか?
現地在住の著者が徹底解説をしていく。
■ドイツのグループ別乗用車登録台数
ドイツ連邦陸運局(KBA)が2023年1月3日に発表した2022年度の乗用車新車登録台数は、265万1357台である。
●メーカー/年間登録台数/ドイツ国内シェア
VW/480,967/18.1%
Mercedes/243,999/9.2%
Audi/213,410/8.0%
BMW/209,722/7.9%
Opel/144,588/5.5%
Skoda/143,928/5.4%
Ford/131,256/5.0%
SEAT/111,646/4.2%
Hyundai/105,074/4.0%
Renault/79,861/3.0%
TOYOTA/78,366/3.0%
おわかりいただけただろうか。
日本車メーカーがトップ10に1社もランクインしていないという事実だ。
ドイツで日本車メーカーのトップはトヨタ自動車が78,366台で国内シェア3.0%の11位という結果となった。
では日本車メーカーだけであればどうだろうか。
■ドイツの日本車メーカー別乗用車登録台数
●メーカー/年間登録台数/ドイツ国内シェア
TOYOTA/78,366/3.0%
MAZDA/35,008/1.3%
MITSUBISHI/34,430/1.3%
NISSAN/26,069/1.0%
SUZUKI/15,583/0.6%
HONDA/7,709/0.3%
SUBARU/3,725/0.1%
LEXUS/2,746/0.1%
日本車メーカーの年間登録台数の合計は203,636台、国内シェアの合計はわずか7.7%となっている。
つまりこの数字が表しているとおり、ドイツでの日本車はとても人気とはいえないだろう。
■もっとも売れている日本車とは?
2023年1月〜2月にかけてもっとも売れた日本車は「トヨタ ヤリス」であった。
シリーズ別販売台数ではVW ゴルフが13,695台、トヨタ ヤリスは5,298台で11位にランクインしている。
輸入車別ではテスラ モデルY、シュコダ オクタヴィアに続いて堂々の3位にランクインしていることから、非常に順調な販売台数で推移していることがわかった。
■まとめ:ドイツでの日本車市場は年々減少傾向
ドイツでの日本車市場は年々減少傾向にある。
これにはいくつかの理由が挙げられる。
ひとつ例を挙げるとすれば、欧州全体で進められているEV(電気自動車)へのシフト化だろう。
日本車メーカーは海外メーカーと比べるとEVへのシフト化が遅れており、EVのモデルも少ない。
しかし、ドイツをはじめとした欧州全体では環境に配慮したPHEV(プラグインハイブリット)またはEVが選ばれつつあり、新車販売台数でも上位を占めている。
今後は世界全体でますますEVへのシフト化が進んでいくだろう。
ドイツでの日本車市場は非常に厳しい状況に直面しているが、今後も日本車は選ばれ続けるのか。
はたまたドイツから撤退していくのか。
はたまた大きな変革をもたらし、日本車シェアを拡大していくのか。
今後の動きに目が離せない。
[ライター/高岡ケン]