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2023年もそろそろ終盤に差し掛かってきました。
そろそろ冬支度を始めようかなという気分になりつつあった去る11月19日、芦ノ湖スカイラインの中程にある「芦ノ湖スカイラインレストハウス フジビュー」の駐車場を借り切ったミーティングが行なわれました。
「GOGOmtg(ゴーゴーミーティング)」と銘打って開催されたこの集まりは、今回で2回目となります。
大のクルマ好きで、HOC(平成オーナーズクラブ)というクルマ好きグループの代表を務める「やまけん」さんが、自身のコネクションを通して交流の場を設けようと開催されたのがこのミーティングの始まり。
集まってきたクルマ達は、ポルシェやフェラーリ、ランボルギーニetcという蒼々たる顔ぶれで、1台1台細かく話を聞いてみたくなるような車種ばかり。
しかもそのHOCのメンバーが中心になっているので、オーナーさんの多くが30代と年齢が若いというのもこのミーティングの特色です。
ミーティングに集まった車輌はどれも素通りできないものばかりでしたが、その中でも気になった車種をピックアップして紹介していきたいと思います。
今回は(旧車ジャンルの)前編として、ポルシェを中心に紹介していきましょう!
■1992年式 ポルシェ 911(964)カレラ4・RS3.8ルック
まず1台目は1992年式のカレラ4です。
オーナーは、15シルビアでドリフトを楽しんでいたというひろきさん。
このフロントビューを見て「あれ?」と思った人はけっこうポルシェ好きな人だと思います。
この個体は964型のカレラ4をベースにして、「カレラRS 3.8」の外観に仕立てられた1台です。
「カレラRS 3.8」というのは964型の911の代で最もホットなモデル。
GTレースに出場する目的で製作されたホモロゲーションモデルのため、ウワサでは130台弱しか出荷されていないといわれ、今でも憧れている人は少なくありません。
ひろきさんもその一人で、父親の影響でポルシェに憧れを持った少年時代にRS 3.8の存在を知り、「いつかは所有してみたい」と思っていたそうです
さすがに本物のRS 3.8は希少すぎて入手が難しいため、憧れた迫力の外観だけでもカタチにしたいと、この個体を仕立て上げたそうです。
こだわりのポイントはホイール。
リヤが11Jという極太サイズのこのホイールは、苦労して本物を入手したんだそうです。
■「わ」ナンバーの1991年式 ポルシェ 911(964)カレラ2カブリオレ
続いては1992年式のカレラ2カブリオレです。
キレイな状態が保たれた真っ赤なカブリオレボディは、熟年になったら奥さんとちょっとした旅行に乗っていきたいなと夢想する人もいるのではないかと思わせる雰囲気を持っています。
実はこの個体、「わ」ナンバー登録のレンタカーなんです。
大阪で「ポルシェゲート」というポルシェ専門のレンタルサービス&カフェを展開している「ドリームゲート」代表の高橋さんが自走で参加されていました。
このカブリオレの他にも、レンタル車両としては珍しい930型から現行のモデルまで、合計40台の車両を取り揃えていて、最短3時間から借りられるそうです。
代表の高橋さんは、何台も乗り継ぐくらいポルシェが大好きで、コレクションの状態を保つ設備を整えたりしていくなか、興味がある人にせひポルシェの魅力を知って欲しいと思うようになって、このサービスを立ち上げたんだそうです。
ちなみに乗り継いだ中で最も思い入れがあるモデルは、2.7リッターモデルの初期型ビッグバンパーだとか。
「ポルシェ歴が増えるごとに、どんどん旧いモデルが好きになっていくのが不思議です」と仰っていました。
エンジンルーム内もキレイな状態に保たれていて、しっかり整備されているのが伝わってきます。
この日は天気に恵まれていたので、オープン状態で芦ノ湖スカイラインを走るのは気持ちよさそうです。
■1994年式 ポルシェ 911(993)
こちらはシンプルにノーマル仕様の外観に、オールドスクールなホイールがアクセントに効いた1台。
オーナーは、ポルシェ歴4年というKEIさんです。
この個体は乗り始めて1年くらいとのことですが、初めて乗った991型からフェラーリF355などを経由してこの993型に至ったそうで、「乗り換えるごとに徐々に年式が古くなって行ってますね(笑)」と、図らずも前出の高橋さんと同じことを仰ってました。
さらには、「次に乗り換えるとしたら964のカレラRSがいいと思ってます」と、その発言を裏付けていました。
この個体のいちばんのお気に入りは、クラシカルな雰囲気が特徴の「フックス」製ホイールです。
「フックス」は初代の911に装着されていたホイールを製造していたメーカーで、それ以降ずっとポルシェやアウディなどドイツ車にホイールを提供してきたそうです。
60年も前のデザインですが、空冷最終モデルであるこの993型にも意外とマッチしていますね。
■ポルシェのエンジニアリングの粋を集めたハイパーカー 2004年式 ポルシェ カレラGT
極めつけは、この日に訪れたポルシェオーナー達からも羨望の目を向けられていた「カレラGT」です。
2003年に発売されたこのハイパーカーは、まさに「ロードゴーイング・レースカー」と呼ぶに相応しい内容の造りとデザインで、発表当時は自動車ファンの目を釘付けにしました。
911系のラインにもレース出場を前提としたGT3などのスーパースポーツ・モデルがありますが、この「カレラGT」はそれら既存の車種をベースとしたと特別モデルはまったく異なる出発点で開発された特別、特殊なモデルです。
そもそもが市販車ベースうんぬんではなく、シャーシ、エンジン、足まわりなどすべてがこのモデルのために新たに設計されたもので構成されています。
シャーシは、カーボン製のキャビンを兼ねたメインフレームを中心に、前後のサブフレームでエンジンと足まわりを支える構造で、仮に外装が無くても問題無く走行できる強度を持たされています。
その外装もフルカーボン製で重量が抑えられていて、車両総重量は1380キロと、現行車で言うとシビックやプリウスなどのサブコンパクトカーくらいしかありません。
ポルシェの市販車では初となるV型10気筒のエンジンは、68度のバンク角を持つ専用設計。
市販エンジンではあまり採用されていないドライサンプ潤滑方式を採用していて、超ショートストロークの設計によって、5.7リットルの大きな排気量ながら、最高出力の612馬力を8000回転で発生させるモンスターユニットです。
上の写真で中央に見えるカーボンの部分はカバーではなくサブフレーム。
足まわりはまさにレーシングカー由来のインボードマウントのダンパーを備えたダブルウイッシュボーン式で、これを見るだけでも気分がアガります。
そして、そのスパルタンの極地と思えるシャーシやエンジンに対して、内装はラグジュアリー感さえ漂う上質なつくりとなっています。
ダッシュボードやドアトリム、シートなどの目に付く部分には暖かみのあるタンレザーがあしらわれ、その合間に高性能なメカニズムを感じさせるシルバーのパーツが配されていて、独特の雰囲気医に仕上がっています。
気になるオーナーはボンバヘイマツさん。
この「カレラGT」は10年ほど所有しているそうです。
これだけスペシャルなつくりなので、乗り味も特殊かと思いますが、ヘイマツさんによると「911とはまったく違うクルマだと思いますが、乗っているとどこかしらポルシェらしいなというフィーリングを感じます」とのことです。
他にも数台のポルシェやランボルギーニなどのハイパーカーを所有する羨ましい方ですが、本人は気さくなカーマニアという雰囲気の人でした。
ちなみに好きなクルマは「フェラーリ308GTB」とのことです。
■他にも気になったポルシェがいっぱい
時間内にインタビューしきれず、写真だけですが何台かピックアップして紹介します。
993型のRS仕様。
この筋肉質な感じ、たまりませんね。
こちらは純正状態の996型GT3ですね。
スピードイエローといえばこの型というイメージが強いです。
997型のGT3RS。
スレートグレーのボディ色が戦闘機のような無骨な印象です。
こちらは991型のGT3 RSですね。
この超スパルタンな車両で近畿方面から自走で参加とは、オーナーさんも気合いが入った人なのでしょう。
ポルシェ初の完全4シーターモデル、パナメーラ。
そのもっともホットなモデルGTSです。
そこらの高級サルーンとは一線を画す運動性能を持っていて、サーキットに持ち込んでも一級の走りができるポテンシャルは、さすがポルシェのクルマというところです。
これは懐かしいポルシェ944ですね。今ではこうして現車にお目に掛かるのは希少となってしまいましたが、改めて見てもカッコイイです。
今のラインナップで言うとケイマンになるでしょうか。
この個体はさり気なくリヤハッチに可変式ウイングのリヤスポイラーを装着しています。
■あとがき
さて、ババッと一気に紹介してきましたが、会場にはまだ多くのポルシェとそのオーナーが来ていました。
総じて感じたのは、若いオーナーが多かったのですが、話を聞くとかなりの思い入れが溢れてきて、「ああ、クルマが好きなんだな」という印象でした。
オーナーさんそれぞれに、幼少の頃に出会ったり、親御さんの影響だったり、あるいはオトナになってから出会った人や車の影響だったりと、ハマるきっかけは違いますが、こういう場で集まって話す内容は、年齢に関係無く熱いんだと感じられました。
次回はイタリア車やドイツ車、国産車の紹介をしてみたいと思います。
そちらも興味深い車種がいっぱいなので、ご期待ください。
[ライター・カメラ / 往 機人 一部画像提供 / 土居 凌祐さん(X@DoiChan40)]