ハイエースは、広い室内空間と高いリセールバリューが魅力のクルマですが、故障が多いのではないかと不安に感じる方も多いでしょう。
今回は、ハイエースのよくある故障箇所と修理費用の目安を詳しく解説します。ハイエースの購入を検討中の方はぜひ参考にしてください。
ハイエースのよくある故障箇所と修理費用の目安
耐久性が高いといわれるハイエースですが、走行距離が20万kmをはるかに超えるような個体では、どうしても故障や不具合が多くなります。
ここでは、ハイエースのよくある故障事例と修理費用の相場を紹介します。
オルタネーターの発電不良
オルタネーターは、10年もしくは10万kmごとに交換が必要な消耗品といわれています。オルタネーターが故障するとバッテリーが電力不足に陥るため、最悪の場合エンジンがかからなくなります。
交換費用の相場は、リビルト品を使用した場合で6万〜7万円程度、新品で11万円程度です。
吸排気系へのカーボンの堆積とDPFの目詰まり
ハイエースをはじめとするディーゼルエンジンを搭載する商用車は、発ガン性があるといわれる有害な粒子状物質(PM)、いわゆる煤の大気中への排出量を低減するために、「DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)」が装着されています。なお、トヨタでは、「DPR」と呼んでいます。「DPR」は、「Diesel Particulate Active Reduction System」の略称で、基本的な役割は「DPF」と変わりません。
ディーゼルエンジンから出る煤は、エンジンを動かしていればDPF内に蓄積されますが、一定量溜まると自動でエンジンの回転数が上がり、煤の燃焼と除去が行われます。これをDPFの「自動再生」といいます。
ところが、汚れがある一定のラインを超えると、その「自動再生」ができなくなり、最終的に「DPF」を交換するしかなくなります。交換にかかる費用は、部品代だけで37万2,900円(税込/純正品の場合)と非常に高額です。また、後方に装着されているエキゾーストガスコントロールバルブが同時に不具合を起こすことがあり、部品代だけで8万4,590円(税込/純正品の場合)かかります。「DPF」とエキゾーストガスコントロールバルブを一緒に交換・修理する場合、工賃を含めて50万円近くの修理費用がかかる可能性があります。
さらにハイエースの場合は、スロットルボディ、EGRバルブ、インテークマニホールドなどのカーボンの堆積が原因で、一度消えた警告灯が再び点灯することがあります。カーボンの堆積だけであれば、専門店などが行っているエンジン洗浄システムで対応が可能ですが、それでもプラスの費用として30万円程度を覚悟しなければなりません。
サプライポンプの不具合
現代のディーゼルエンジンはコモンレール式を採用しており、ハイエースにおいても例外ではありません。
従来のディーゼルエンジンでは、インジェクションポンプと呼ばれるいわゆる燃料噴射ポンプで高圧燃料を燃焼室に噴射していました。それに対してコモンレール式は、燃料タンクからきた燃料をサプライポンプと呼ばれるポンプで超高圧に圧縮し、コモンレールと呼ばれる蓄圧室に蓄圧します。さらにその蓄圧された燃料は、緻密な制御が可能な電子制御式のインジェクターで精密にシリンダー内に噴射されます。
サプライポンプは走行距離20万kmを超えるあたりから不具合が起こりやすいといわれています。速度が出なかったり燃料漏れが発生したりするほか、最悪の場合はエンジンが始動できなくなります。
修理する場合には、サプライポンプに加えて、インジェクター、コモンレール、インジェクターパイプ、ヘッドカバーパッキン、燃料フィルターなどの交換が必要で、サプライポンプとインジェクターにリビルト品を使用したとしても35万円程度かかります。
リアリーフスプリングの破損
ハイエースは、商用車(バン)のため、サスペンションにリーフスプリングを採用しています。リーフスプリングは高負荷に耐えられるだけでなく、コイルスプリングに比べて圧倒的に高い耐久性をもっています。
しかし、いくら頑丈なリーフスプリングでも、走行距離や使い方によっては折れることがあります。部品代は、左右あわせて10万円程度です。さらに工賃やUボルト、シャックルなどの小パーツの費用が加わるため、トータルでは14万円程度かかります。
エアコンの効きが悪い
ハイエースに限ったことではありませんが、エアコンは経年劣化によるコンプレッサーの不具合が多く発生します。コンプレッサーに加えて、エバポレーター、コンデンサーなどの交換が必要な場合もあり、故障の状態に応じて修理費用は変動します。
コンプレッサーの交換は10万円程度、エバポレーターやコンデンサーからエアコンガスの漏れがあった場合は、さらに5万〜20万円程度の修理費用がかかります。
また、リアクーラーが装着されている場合は、風が出ないなどの症状で、ブロアモーターとレジスターの交換が必要になることがあります。ハイエースのリアクーラーには2個のブロアモーターが使用されており、両方とも交換するケースが一般的です。レジスターとあわせて8万〜10万円程度の交換費用がかかります。
まとめ
ハイエースは、頑丈なエンジンと堅牢なシャーシにより、メンテナンスさえ怠らなければ100万km以上走ることも可能だといわれています。 しかし、メンテナンスせずに極端に長い距離を走ったり大きな荷物を載せすぎたりすると、車輌にダメージが蓄積し、ここで紹介したような故障が発生する可能性が高くなります。建築関係や配送業などで、長距離を運転したり多くの荷物を載せたりする場合には、故障に対する備えを計画的に行う必要があるでしょう。
また、ガソリン車を選択すると修理費用を抑えられる可能性があります。ディーゼルエンジンの不具合による故障が多いためです。ただし、耐久性はディーゼルエンジンのほうが高いため、ガソリン車が推奨されるのは走行距離が短い場合です。年間の走行距離が2万km程度であれば、ガソリン車を選択肢にいれてもよいでしょう。
ハイエースを購入する際には、もともとの車輌の状態をチェックしておくと同時に利用シーンにあっているかどうかもふまえて検討することをおすすめします。
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