軽快すぎて事故多発!?ホンダ 初代・2代目CR-Xのスポーティな魅力と中古市場について解説

目次
1.スタイリッシュかつ斬新な装備も多かった初代CR-X 2.キープコンセプトながらよりシャープになった2代目CR-X 3.初代&2代目CR-Xの中古市場 4.まとめ

ホンダのFFライトウェイトスポーツとして、車史に名を馳せるシビックやインテグラですが、1983年に登場したCR-Xは、それらのルーツともいえる存在です。CR-Xは居住空間を捨ててまで洗練させたフォルムと軽量ボディ、そして、高回転まで回るエンジンを搭載し、当時の若者たちを魅了し尽くしました。

今回は元祖FFライトウェイトスポーツ、CR-Xの初代と2代目について、中古市場も合わせて解説していきます。

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スタイリッシュかつ斬新な装備も多かった初代CR-X

ホンダ 初代CR-Xは、シビックの姉妹車として発売されていた「バラード」の派生スポーツクーペ「バラードスポーツCR-X」の名で、1983年7月に登場します。

スタイリングはセミリトラクタブルヘッドライトや、ラインを断ち切ったようなリアエンドの「カムテール」など、先進的な意匠を採用。ほかにも手動開閉式のルーフベンチレーションや電動アウタースライドサンルーフなど、個性的な装備が用意されていました。

初代CR-Xのエンジンは、それぞれ直4SOHCの1.3リッターのキャブレター仕様と、1.5リッターPGM-FI仕様をラインナップ。1984年11月には最高出力135psの直4DOHCエンジンを搭載した「Si」を追加し、860kgという軽量ボディも相まって、迫力のあるドライビングが味わえました。

2人乗りと割り切れば必要十分な室内

スポーツクーペとして洗練されたフォルムを持つ初代CR-Xですが、そのぶん室内空間に制限ができてしまい、決して快適な広さとはいえません。

4人乗りではありつつも、2,200mmという短いホイールベースや室内の高さが低いことで後部座席は非常に窮屈。ホンダ自らが「ワンマイルシート」と呼ぶほどで、後部座席は荷物置きとして使われることがほとんどでした。

「デュエットクルーザー」というキャッチコピーのとおり、初代CR-Xはデートカーとしても宣伝されていたので、後部スペースを重視しない若者を中心に、高い人気を得ることができました。

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キープコンセプトながらよりシャープになった2代目CR-X

初代のヒットを受け、さらにスタイリッシュになった2代目CR-Xが登場したのは1987年9月。
「バラード」の名が外れ「CR-X」と名称を改めた2代目は、先代よりも車体形状を長く低くしたことで、よりスポーティなフォルムに進化しました。

印象的だった「カムテール」を引き続き採用しつつも、先代で難点とされていた後方視界に対しては「エクストラウインドウ」を追加。リアガラス下部に横長のウィンドウを設置することで、後方視界が大幅に改善するとともに、CR-Xの個性的なエクステリアを保つことにも成功しました。

後部座席の快適性は初代モデルと変わりありませんが、より低くスポーティになった2代目CR-Xは初代以上の盛り上がりを見せ、多くのファンを生みます。

リッター100馬力を実現したVTECエンジンを搭載

2代目CR-Xの特徴的な点として、車体の軽さと高回転エンジンを活かした走行性能の高さが挙げられます。

エンジンは当初、1.5リッターSOHCと1.6リッターDOHCのみでしたが、1989年9月のマイナーチェンジで、1.6リッターのVTECエンジンを搭載した「SiR」グレードを追加しました。
可変バルブタイミング・リフト機構である「VTEC」を搭載したB16A型エンジンは、最大出力160ps/7600rpmを発生。970kgの軽量ボディと160psを発生する高回転エンジンの組み合わせは、パワフルな加速と軽快なハンドリングを楽しめ、当時の走り屋の間で高い人気を博しました。

まさにライトウェイトスポーツたるスペックの2代目CR-Xですが、高回転ハイパワーなエンジンと短いホイールベースゆえ、コントロール性はまさにじゃじゃ馬。自損事故も多く発生し、自動車保険料が高くなってしまった車としても有名です。

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初代&2代目CR-Xの中古市場

そんな2世代のホンダ CR-Xの中古市場はどうなっているのか、記事執筆時の2021年11月時点での大手中古車サイトを調べてみました。サイト上では初代が5台、2代目は18台掲載されていますが、やはり年式が古い車ということもあり、走行距離が10万kmを超えた個体がほとんどです。

初代は最安値だと、1984年式9.4万km走行の個体が89万円で、最高値は1985年式18.1万km走行のものが220万円となっていました。一方、2代目は最安値が1988年式10.3万km走行で120万円。最高値は1989年式の6.4万km走行のSiRグレードが319万円。SiRグレードは、今では稀有な存在となってしまった高回転型エンジンを搭載するコンパクトスポーツとして、その希少性ゆえ高額になりがちです。

全体的に見ても、当時人気の高かった2代目のSiRグレードが最も高い上昇率を見せており、車体の状態によってはかなりの高プライスが期待できるかもしれません。

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まとめ

初代、2代目ともに軽快かつ、スタイリッシュなスポーツクーペとして、当時の若者を魅了したホンダ CR-X。ホンダの元祖FFライトウェイトスポーツともいえる初代、そして走ることの楽しさをさらに増した2代目と、その人気は北米にも及び、CR-Xの人気は拡大していきました。

その後は、3代目の「CR-Xデルソル」を最後にCR-Xの名は消滅。しかし、2010年2月には初代、2代目のDNAを汲んだ「CR-Z」が登場し、CR-Xのコンセプトは完全に断たれたわけではありません。

中古市場では多少値が張るものの、当時のFFライトウェイトスポーツを楽しみたいのであれば、CR-Xは買って損のない車です。

[ライター/増田真吾]

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