ホンダ NSXはアイルトン・セナがいないと完成しなかった?! 全日本GT選手権で活躍した和製スーパーカーのすべて

目次
1.世界初のオールアルミ製軽量高剛性ボディの国産スーパーカー 2.全日本GT選手権で発揮した高い実力 3.スポーツカーの時代を変えたNSX

元祖和製スーパーカーともいわれる、ホンダ NSX。自然吸気ながらハイパワーを発揮するVTECエンジンをミッドシップに搭載し、独特のスタイリングの軽量高剛性ボディで圧倒的なパフォーマンスを誇りました。

世界のスポーツカーメーカーにまで影響を与えたNSXについて、全日本GT選手権での活躍を中心に振り返ってみましょう。

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世界初のオールアルミ製軽量高剛性ボディの国産スーパーカー

NSXは、量産車として世界初発のオールアルミ製ボディを採用したスーパーカーです。ハイパワーエンジンをあえて不慣れなミッドシップに搭載し、「新しい時代のスポーツカー」を目指して開発されました。

あのF1ドライバーのアドバイスが完成のきっかけになったともいわれる、NSXの誕生背景を振り返ってみましょう。

アイルトン・セナの一言で完成を迎えた

国産スーパーカーの代表ともいわれるNSXは、アイルトン・セナの一言によって最終的な方向性が決まったといわれています。NSX登場直前の1989年に、アイルトン・セナがプロトタイプのステアリングを握りました。テスト走行の感想として、ボディ剛性を高めたほうがよいというアドバイスをホンダ開発陣に伝えたそうです。この発言をきっかけに、ホンダはドイツのニュルブルクリンクでの徹底的な走り込みを決断しました。

今でこそ市販車開発のテストコースとして有名なニュルブルクリンクですが、当時は現地に長期滞在してテストを実施する日本のメーカーはいませんでした。数ヶ月に及ぶテスト走行で、セナが指摘したボディ剛性を50%も高めることに成功します。ボディ剛性の向上により、スポーツカーとしての運動性能を高めつつ、高級車としての乗り心地も両立させました。結果として、ホンダが目指した「新しい時代のスポーツカー」というコンセプトを体現したモデルになりました。

VTECエンジンをミッドシップ搭載

ミッドシップに搭載されたV6エンジンには、ホンダを象徴する可変バルブ機構のVTECを採用。自然吸気エンジンながら、最高出力は自主規制いっぱいの280psを発揮します。

また、FFの開発を得意としていたホンダですが、NSXではミッドシップレイアウトを採用しています。誰もがドライビングを楽しめる、新時代のスポーツカーを提示したかったためです。

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全日本GT選手権で発揮した高い実力

スーパーGTの前身である全日本GT選手権(以下JGTC)で、NSXは13年間の参戦期間で37勝という成績を残しています。参戦自体が後発となってしまったことや、トヨタ スープラ、日産 GT-Rといった競合がひしめいていた時代だったことを考えると輝かしい実績です。

JGTCでのNSXの活躍を、順を追ってみていきましょう。

本格参戦2年目で初優勝を達成

NSXがJGTCに本格的に参戦したのは、選手権発足3年後の1997年です。多くのライバルがハイパワーターボ車だったなかで自然吸気エンジンだったため、空力を中心とした運動性能でカバーする方針を打ち出して開発されました。

参戦初年度は多くのトラブルに見舞われつつも、第5戦のMINE、第6戦のSUGOで連続して2位表彰台を獲得。優勝こそ獲得できませんでしたが、参戦初年度から実力の片鱗を感じさせました。

続く1998年は、開幕戦鈴鹿の予選で上位3位を独占すると、毎戦ポールポジションを獲得します。そして、第4戦の富士で念願の初優勝を成し遂げた後、最終戦までの4戦とも勝ち続け、見事5連勝を飾ります。前半に勝利を重ねられなかったことでタイトルこそ逃したものの、全戦でポールポジションを獲得するという圧倒的な速さをみせつけました。

ランボルギーニと同じ方式の縦置きMR

JGTC参戦時は、市販車と同様の横置きのMRレイアウトでした。しかし、2003年に自由なエンジンレイアウトが認められたことで、利点の多い縦置きへの変更に踏み切ります。

しかも、ただの縦置きではなく、ランボルギーニと同じ前後を逆に配置してトランスミッションが前方にくるレイアウトを採用。ウェイトハンデや実質的な空力規制といったミッドシップに不利な規制改定がされるなか、少しでも前後重量バランスを改善することが目的でした。

苦心の末に獲得した最後のタイトル

NSXは参戦全105戦中、5割弱に及ぶ50回ものポールポジションを獲得しました。また、優勝を37回も数えていることからも、NSXの実力の高さがうかがえます。しかし、意外にもタイトルの獲得は、2000年と2007年の2度のみに終わりました。

特に2000年のタイトル初獲得以降は、度重なる仕様変更に苦心していたことがわかります。先のエンジンレイアウトの変更、自然吸気へのこだわりを捨ててターボエンジンを投入するといった多くの対策を講じたものの、思うような結果にはつながりませんでした。

しかし、最終的には自然吸気エンジンに回帰した結果、2007年シーズン開幕戦ではNSX勢が予選で上位4位を独占。シーズンを通じて速さを発揮し、2度目となるタイトルを獲得しました。

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スポーツカーの時代を変えたNSX

NSXの登場は、フェラーリやポルシェといった名だたるスポーツカーメーカーのアプローチを変えたともいわれています。オールアルミ製ボディの採用、アイルトン・セナの発言をきっかけに突き詰められた高剛性化によって、ミッドシップ本来の運動性能の高さを最大限に発揮するモデルとして誕生したNSX。

スポーツカーらしい人馬一体の操作感に加え、乗る人を選ばない運転のしやすさと乗り心地を両立しました。従来のスポーツカーは乗り手の技術を要求する存在でしたが、誰でも運転できるという新ジャンルを切り開いたのがNSXです。高性能で速いのに乗りやすいという現代のスポーツカーは、NSXの存在がなければ実現していなかったのかも知れません。

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