中古車は新車に比べてリーズナブルな価格が魅力といえます。新車は値引きが一般化していますが、実は中古車も値引きできる場合があることをご存じでしょうか。今回は中古車の値引きや値引き交渉を成功させるコツについて解説します。中古車の購入を検討中の方は参考にしてください。
中古車はどれぐらい値引きできる?
中古車は値引きしてもらえないと思っている方も多いようです。実際に「総額の端数を値引いてもらった」という方も少なくありませんが、その値引き額は数千円から2~3万円程度であることがほとんどです。中古車は新車のように明確な原価計算のできる商品ではないため、数十万円という大幅な値引きは難しいでしょう。
中古車の値引き相場は仕入原価や車のコンディション、納車前の点検整備や保証の有無でも大きく左右されるため、一概には言えません。値引き目標として、車両本体価格が100万円未満なら5%程度、100万円以上なら10万円としてみましょう。過度な値引き交渉は売り手側から敬遠されるため注意が必要です。
中古車の値引きについて知っておきたいポイント
続いて、中古車の値引きについて知っておきたいポイントを解説します。
1.他店と競合させても大きな値引きは期待できない
中古車の値引きは、新車とは異なり他店と競合させても大きな値引きは期待できません。在庫限りの中古車は全て一点ものです。点検整備渡しの場合は消耗品やパーツの交換コストなどに差があり、販売後の無償保証のリスクも考慮すると他店と大幅な値引き競争をして販売するといった手法は取らないといえます。
2.購入総額がわからない車は選ばない
一般的な商品とは異なり車の購入には様々な諸費用がかかります。それに加えて点検整備や納車のための架装や修理交換にかかる費用は一般的にわかりにくい内容です。このような不透明な部分が不当な価格表示や契約後のトラブルに発展するケースもあり、中古車購入の難しさともいえます。現状では購入総額が明確にわからない車は選択肢から外すのが賢明でしょう。
車両価格を相場よりも大幅に安く掲示して集客を募り諸費用やオプションに金額を上乗せするケースや、「点検整備時に高額なパーツ交換や修理が必要であることが判明した」として追加料金を請求する中古車販売店も残念ながら存在します。無用なトラブルを避けるためにも冷静に判断しましょう。
このようなトラブルに対応するために、自動車公正取引協議会が中古車価格の支払総額表示義務化に動いています。自動車公正競争規約の改正案を決定し、中古車販売店へのルールの明確化と罰則の強化により中古車市場の信頼性向上につなげる方針です。この改正案が公正取引委員会に認定・承認されて施行されると、より安心安全に中古車を購入できるようになるでしょう。
3.値引き率には市場での人気が関係している
中古車の値引き率は市場での人気に大きく左右されます。人気のある車種は仕入原価も販売価格も共に高く、販売店側も無理に値引きしてまで売ろうとはしません。これは、相場に見合った車両本体価格であれば、値引きしなくても他のお客様に販売できるためです。逆に、不人気車種や在庫過多の車は元々の価格設定が安いか、値引き率が高くなる傾向にあります。
4.月末は値引き交渉に成功しやすい
大手の中古車販売店やディーラーの中古車部門では、毎月の目標達成の追い込みのために月末の方が値引きの上乗せをする傾向にあります。また、新車の取扱いをしているディーラーでは3月の繁忙期を過ぎると下取りした車で在庫が増えるため、中古車選びの選択肢が広がり、値引き交渉がしやすくなる可能性もあります。
中古車の値引き交渉を成功させるコツ
続いて、中古車の値引き交渉を成功させるコツについて解説します。
購入する意思を見せる
中古車販売店での商談は短期(即日)決戦が基本です。中古車はそれぞれが一点もので、売れてしまえば売る側も買う側も交渉の余地がなくなります。「今日中に決めるつもりで来た」というスタンスで購入する意思を見せることで、売る側も本気で対応してくれます。
また、「値引きをがんばれば即決してくれる」という印象を相手に与えることが最も重要です。なお、たとえ前向きに検討している意味であったとしても、「検討します」という言葉は、中古車販売店において断り文句として認識されます。
予算は少なめに申告する
予算を少なめに申告することで、売り手側はお客様の希望に可能な限り近づけようと、限界値引きを早い段階で提示してくれる可能性があります。ただし、相場と乖離した予算申告をすると、値引きではなく自動車ローンを提案する方針で対応されてしまうでしょう。
オプションをつける形で値引き交渉する
中古車でもナビゲーションや新しいフロアマットの追加は可能で、さらに傷や凹みの補修を依頼することもできます。事前にそういった要望を伝えておくことで、それらを含めた値引き交渉が可能となります。ナビゲーションの取付け費用を値引きしてくれたり、傷の補修費用をサービスしてもらえることもあるため、試してみてはいかがでしょうか。
事前に価格相場をチェックする
中古車販売店に行く前に希望の車種やグレードの価格相場をチェックしておきましょう。中古車の車両本体価格は相場に照らし合わせて設定されるのが一般的です。適切な価格であるかを見極めるためには重要なポイントといえます。
明らかに安すぎる車は諸費用やオプションが割高なケースもあり注意が必要です。逆に高すぎる車はその理由について確認するようにしましょう。希少な限定車や重要パーツの交換がされているなどお買い得車である可能性もあります。
諸費用を節約するのも1つの方法
自分で手続きすることで節約できる諸費用もあります。代表的なものとしては、車庫証明の手続きを自分で行うことで代行費用である1~3万円程度を削ることが可能です。また、下取りがある場合は買取業者に出すことも視野に入れましょう。査定額が同じであれば買取業者では下取り代行手続き費用が不要なケースも多いので、その分が節約できるといえます。
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