クルマには交換が必要なパーツがあります。走行によって摩耗したり、樹脂やゴム製のパーツは、熱や紫外線を受けて劣化します。しかし、パーツの供給は生産終了からおよそ10年といわれているため、いずれ新品の入手ができなくなります。
特に“旧車”と呼ばれている古いクルマだと、パーツを入手するのがより難しいといわれています。
そこでこの記事では、旧車のパーツが入手困難な理由とパーツの入手方法について詳しく紹介します。
旧車のパーツが入手困難な理由
1台のクルマには、約3万個のパーツが使われているといわれています。中には他の車種との共用品もあれば、逆に外観が同じ車でも、製造年月日で変更されているパーツもあります。これら全てのパーツを、自動車メーカーや自動車パーツ製造会社が、いつまでも保有し続けることはできません。また、日本には自動車メーカーに保管期間を定める法律はなく、自動車会社ごとに判断されています。
一般的に、クルマの生産終了から10年程度であれば、ほとんどのパーツの入手が可能といわれています。逆に生産終了から10年以上経過すると、自動車メーカーからパーツを入手できなくなることもあります。
“旧車”という言葉に明確な定義はないものの、生産終了から10年以上が経過している車種を指すことが多いです。パーツの生産年数を踏まえて考えると、ほとんどの旧車の新品パーツはすでに入手できない状況にあります。一方で、発売から何十年も経過した旧車だと、さまざまな箇所に故障がみられ、パーツの交換に迫られる場合が少なくありません。そのため、旧車オーナーにとって、パーツの入手方法は維持するための大きな課題の1つだといえます。
旧車パーツの入手方法
自動車メーカーの在庫が無くても、旧車のパーツを入手する方法があります。
ここからは、旧車のパーツを入手する方法とその特徴を紹介します。
①ネットオークションで競り落とす
まずは手っ取り早く、ネットオークションで探してみましょう。オークションは、入札によって価格が競り上がるため、希少価値の高いパーツや人気の高いアフターパーツなどは高額になりがちです。逆に需要が小さければ、格安で入手できる場合もあります。
ネットオークションは、欲しいパーツが出品されているとは限りませんので、定期的にチェックするとよいでしょう。
②フリマアプリで購入する
フリマアプリは、入札によって価格が競り上がる部分を除けば、基本的にネットオークションと同じです。そのため、常に欲しいパーツが見つかる訳ではありません。しかし、フリマ市場は拡大傾向にあるため、パーツ入手の最も有効な手段になるかもしれません。
③SNSで売り手を探す
SNSを活用して欲しいパーツの売り手を探すこともできるでしょう。あなたの情報が売り手に伝わりやすくなるよう、#(ハッシュタグ)に車種、メーカー名や部品名を付けましょう。直接売り手に届かなくとも、同じ車の愛好家があなたの情報を拡散してくれるかもしれません。
④部品取り車を購入してパーツを取る
部品取りができるクルマを、丸ごと購入する方法です。車種やクルマの状態によっては高額になることもありますが、走行できない状態で長く放置されていたり、下位グレードで価値が低かったりするクルマであれば、比較的安価に入手できることがあります。ただし、購入したクルマの保管場所を確保する必要があるため、他の方法よりもハードルは高いといえるでしょう。
⑤流用可能なパーツを購入する
車種が違っていても共通して使われているパーツもあります。エンジンやトランスミッションなどは形式が同じであれば、違う車種であっても流用が可能です。旧車パーツを探す際には同一車種に限定せず、共通して使われていそうな車種についても調べてみましょう。
⑥アフターパーツを使う
純正部品が手に入らなくなってしまってもアフターパーツなら手に入るというケースは多々あります。具体的には、サスペンション、マフラー、フロントフェンダー、カーボンボンネット、シート、ステアリングなどです。旧車をカスタイズするユーザーも多いため、有効な手段といえるでしょう。
【最新アフターパーツ情報】純正形状の外板パーツもある
一部の旧車の純正形状の外板パーツを販売しているアフターパーツメーカーもあります。一般的なアフターパーツと異なり限りなく純正に近い形状のため、旧車オーナーにとっては大変心強い存在でしょう。形状だけではなく、素材も純正と同じスチールを使用していることが多いようです。
⑧メーカーの復刻パーツを使う
現在、トヨタ、日産、ホンダ、マツダから一部の旧車の復刻パーツが発売されています。車種は限られますが、各メーカーで復刻パーツ生産を今後も推進していくことが予想されます。生産終了した純正パーツを入手できる絶好の機会のため、自分の探しているパーツが対象に含まれているかどうかをこまめにチェックするとよいでしょう。
各メーカーの復刻パーツ情報は下記サイトで確認できます。
トヨタ/GR HERITAGE PARTS
日産/NISMO Heritage Parts
ホンダ/BEATparts ※ビートのみ
マツダ/CLASSIC MAZDA ※NAロードスター、FC/FD RX-7のみ
まとめ
旧車のパーツが入手困難な理由とパーツの入手方法について紹介しました。
旧車のなかでも、発売から半世紀近くが経過する1970〜1980年代の古いクルマは、さまざまな箇所に錆や腐食が発生するため、維持し続けるにはパーツ交換が必須です。
ネットオークションやフリマアプリで手軽に取引できるようになったり、自動車メーカーの復刻パーツがはじまったりするなど、旧車のパーツを入手する方法がどんどん増えています。さまざまな方法を駆使すれば、より長く旧車に乗り続けることができるでしょう。
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