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エンジンブレーキを正しく使えば、スムーズな運転が実現します。しかし、正しい使い方の具体的な方法、間違った使い方について、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、エンジンブレーキの正しい使い方や、適切な使用によって得られるメリットについて詳しく解説します。さらに、エンジンブレーキを使うべきシーンや、間違った使い方がもたらす問題点にも触れるため、運転の安全性と快適性の向上に役立ちます。ぜひ最後までご覧ください。
エンジンブレーキとは
エンジンブレーキは、車の速度を落とす技術の1つです。アクセルペダルから足を離すことでエンジンの回転数が落ち、その際に生じる抵抗力で減速する現象をエンジンブレーキといいます。足で踏むフットブレーキとは異なり、ブレーキパッドやディスクへの負担が少ないという特徴もあります。
アクセルから足を離すとガソリンを使わないため、速度が落ちるだけではなく燃費向上の面でも有効な方法です。さらに、フットブレーキよりも緩やかな速度調整によって、同乗者も快適に過ごせるでしょう。
また、アクセルペダルから足を離したあとにシフトダウンすると、エンジン回転数が上がるため、より強い制動力が発生します。
なお、シフトダウンをMT車やAT車ではなく、CVT搭載車で行なう場合は「Sレンジ」にすると、「Dレンジ」よりもエンジンブレーキが強くかかります。山道や高速道路など、長い下り坂での速度制御や、フットブレーキの多用を避ける場合に適した方法です。
「ブレーキ」と一言でいっても以下3つの種類があります。
・足で踏むブレーキは「フットブレーキ」
・エンジンの力を使うのは「エンジンブレーキ」
・車を完全に止めるのは「ハンドブレーキ」
エンジンブレーキの正しい使い方
AT車ではDやSにギアを入れたまま、MT車ではN以外にギアを入れたまま、アクセルペダルから足を離します。エンジンブレーキはフットブレーキよりも緩やかです。
また、速度が速い状態で必要以上にシフトダウンしてしまうと、エンジンに大きな負担がかかるため、車に悪い影響を及ぼす可能性もあります。
なお、エンジンブレーキはブレーキランプが点灯しない点で後続車への配慮が必要です。必要に応じて、フットブレーキで速度を落とす意志を示しながらエンジンブレーキを使うと、追突事故のリスクを軽減できます。
エンジンブレーキの正しい使い方をステップでおさらいしておきましょう。
・アクセルペダルから足を離す
・ギアを下げる場合:AT車はセカンドやロー、MT車はギアを1速ずつ落とす、CVT車はSレンジ
・必要に応じてフットブレーキも使う
エンジンブレーキの間違った使い方
エンジンブレーキは緩やかな速度調整に便利ですが、常に使うのは間違いです。なぜなら、エンジンブレーキを使うとエンジンやミッションへの負担や故障が高まるためです。エンジンの回転数が上がっている状態が続くとそれだけエンジンに負担がかかってしまい、最悪の場合は故障してしまいます。
また、エンジンブレーキは、フットブレーキのようにブレーキランプが点灯しないため、後続車が速度を落としていないことに気付きにくい点にも注意が必要です。十分な車間距離が取られていない場合、追突されるリスクがあります。
エンジンブレーキをメインとするのではなく、あくまで補助的な役割にとどめて、足で踏むフットブレーキとの併用が必要なものと認識して使うようにしましょう。
エンジンブレーキを正しく使うメリット
ここからは、エンジンブレーキを正しく使うことで得られる3つのメリットを解説します。
フェード現象のリスクを抑えられる
エンジンブレーキによって、ブレーキの効きが弱くなる「フェード現象」の発生防止につながります。足で踏んでかけるフットブレーキは、長時間使うとタイヤとボディの間にあるブレーキパッドが過熱してしまい、ブレーキを踏んでいるのに止まらない状態になってしまいます。この状態が「フェード現象」です。
特に山道は下り坂が長く、角度も急なためフェード現象が起こりやすい環境といえます。なお、ブレーキの熱が下がれば、フェード現象が発生したとしても通常の状態に復活します。エンジンブレーキを適切に使ってブレーキへの負担が減る運転を心がけましょう。
べーパーロック現象のリスクを抑えられる
エンジンブレーキを適切に利用することで、ブレーキが効きにくくなる「ベーパーロック現象」のリスクを低減できます。ベーパーロック現象の原因は、ブレーキによる摩擦熱が原因でブレーキオイルが沸騰することです。
ブレーキオイルが沸騰すると、ブレーキペダルからの圧力がタイヤに伝わりにくくなり、ブレーキをかけているのに車が止まらない状態になってしまいます。
フットブレーキの多用によってブレーキオイルを過熱させないためにも、エンジンブレーキの適切な活用が重要です。
燃費が上がる
エンジンブレーキを使う間はアクセルから足が離れており、ガソリンを使わず走行できるため自然と燃費が向上します。
エンジンブレーキを使う間はガソリンを使わない燃料カット機構がついている車種が多く、燃費向上に貢献します。特にハイブリッド車や電気自動車であればバッテリーの充電にも役立つため、さらなる燃費向上につながるでしょう。
エンジンブレーキを使うのに適したシーン
エンジンブレーキを使ったほうがいい3つのシーンを紹介します。これからの運転で気にかけるとメリットが感じられるでしょう。
高速道路
緩やかな速度調整が必要な高速道路は、エンジンブレーキが有効です。渋滞に直面したときの速度調整や、サービスエリアでの利用がよくあるシーンとして想定されるでしょう。
高速道路でフットブレーキを使うと、急な減速やブレーキランプの視覚的な部分で、周りの車のストレスになる可能性が考えられます。エンジンブレーキはそのようなリスクがないため、高速道路での利用に適している点がメリットです。
信号付近
街中の信号付近の停止場面でも、エンジンブレーキは役立ちます。高速道路ほど速度が出ていないためエンジンへの負荷が少なく、スムーズな停止が可能です。
意外に青信号から赤信号へ切り替わる際の速度調整は、気を遣う場面といえます。特に初めて通る道ではタイミングが難しく、停止線から出てしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。
停止線からはみ出さずに停止するためには、エンジンブレーキを併用した緩やかなブレーキが有効です。また、アクセルから足を離すタイミングも早くなるため、燃費向上にも役立ちます。
ブレーキパッドの摩耗も少なくなるため、ブレーキ自体の寿命も伸びます。車検や定期点検などで、出費が抑えられるという効果にも期待できるでしょう。
下り坂
急な下り坂や長い下り坂は、エンジンブレーキが有効な場面です。フットブレーキだけを使ってしまうと、ブレーキが効かなくなるフェード現象やベーパーロック現象のリスクがあります。
エンジンブレーキを使うと緩やかに速度が落ちて、ハンドルのコントロールもしやすくなります。ブレーキへの負担を過度に恐れて、スピードを落としきれずに事故になってしまっては本末転倒です。ブレーキは走行する際の風で冷やせるため、心配する必要はありません。
フットブレーキの適切な使用によって運転の安全性が高まるため、下り坂はエンジンブレーキを積極的に併用するようにしましょう。
まとめ
エンジンブレーキは、適切に使えばブレーキの負担を減らしながら、安全運転にも役立つ機能です。また、ブレーキが効かなくなるフェード現象やベーパーロック現象の防止にも効果的です。
使えるシーンは、高速道路から街中の運転までさまざまです。エンジンブレーキの正しい活用によって、安全運転につながるだけではなく、燃費を向上させたり車の部品を長持ちさせたりといった経済面にも貢献します。ぜひ、エンジンブレーキを運転に取り入れてみてください。
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