フランスの小さな街ですれ違った1944年製のjeep

目次
1.■ノルマンディーの小さな街で3台のjeepと遭遇 2.■1944年といえば、ノルマンディー上陸作戦がはじまった年 3.■オーナーのひとりが1944年製のjeepに座らせてくれた

6月上旬の週末に諸用があり、クルマでノルマンディー地方へ行くことになりました。

観光地として有名なノルマンディー地方はとても広いので、2時間ほどで着く内陸部もありますが、今回は4時間以上運転をして海岸沿いを目指します。

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■ノルマンディーの小さな街で3台のjeepと遭遇

古くてかわいらしい街並みを運転していると、チラホラとミリタリー系のクルマを見かけるようになりました。

内心古いクルマが見られるかもとワクワクしていると予感的中です。

トランという小さな街の市役所を通り過ぎた瞬間、3台のjeep御一行が駐車しているのを発見しました。

気付いたときには追い抜いていましたが、車輌だけではなくドライバーの雰囲気もすてきでしたので、折り返して私たちも駐車することにしました。

それがこちらの1944年製のjeepです。カッコイイですね。

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■1944年といえば、ノルマンディー上陸作戦がはじまった年

1944年と聞いてピンとくる方もいるかもしれません。

フランス人の旦那は、すぐに「anniversaire debarquement 6 juin!!(6月6日の記念日だ!!)」とひらめいておりました。

そうです、6月6日はノルマンディー上陸作戦が始まった日で、それに関するセレモニーがその前の週末から当日にかけて行われるということでした。

ノルマンディー上陸作戦は、第二次世界大戦中ドイツに支配されていたフランスにてアメリカ・カナダ・イギリスなどを中心とした連合国軍が、ドーバー海峡を渡ってノルマンディーに上陸した史上最大規模の上陸作戦です。

のちにパリまで解放され、終戦のきっかけのひとつにもなっているできごとです。

きれいに全塗装されている車体には、英語で「USA」とフランス語で「grabuge(騒ぎ出すぞ)」と、二か国語が混ざって書かれているのも、普段なかなか見かけない組み合わせなので歴史的な物語を感じます。

私はこのできごとの名前くらいしか聞いたことがないのですが、フランス人にとってはナチスに占領されていた自国を取り戻すことができた大切な日で、今年も当日にはフランスのマクロン大統領がノルマンディー地方を訪問され話題となっていました。

■オーナーのひとりが1944年製のjeepに座らせてくれた

この日は22℃を超える晴天でしたが、乗車されているみなさまそろって当時を意識した装いをされていました。

クルマだけではなく、タイムスリップをしたような空間に興奮をしていると、ドライバーのムッシュが助手席へ座ることを提案してくれました。

車輌は綺麗に塗装し直されていましたが、触れると熱くなっている扉やシートベルトの感触は、当時を感じさせるものでした。

彼らもその先の海岸沿いまで行き仲間と合流をするそうで、いくつかのイベントの情報を教えてくれたので、私たちも時間をみつけて立ち寄ってみることにしました。

プログラムを見てみると、日にちごとにパレードや展示などがあり、私たちはles bourses militariaというミリタリー専門のフリーマーケットへ。

当時のクルマや戦闘機のナンバープレートやシートベルトなど、コレクターの方々にはお宝であろう商品がたくさんありました。

まわりの会話を聞いていると、海外から買い付けをしに来ている人もいたようです。

たくさんの映画やドラマのテーマになっているできごとですから、ファンが多いのもわかります。

先ほど話を聞かせていただいた御一行を探したのですが、海岸沿いの会場がいくつにも分かれていたため、再会できなかったのが残念です。

しかし、偶然にもこのイベントを知って堪能できて楽しかったです。

来年はこの歴史的大作戦をおこなった年から丸80年を迎えます。

10年前の70周年記念式典では、各国より首脳が来仏し盛大なパレードがおこなわれましたから、80周年記念式典では、また一層たくさんののイベントが各地でおこなわれることでしょう。

私も次回はより早くチェックをして参加したいと思います。

[ライター・撮影 / スミ]

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