高級SUV路線のモデルも発売されるなかで、硬派な出で立ちのヘビーデューティー仕様を貫くトヨタ 70系ランドクルーザー。通称「ランクル70」とも呼ばれるこのモデルは、販売終了後に再販されるなど、現在でも高い人気を誇っています。
数あるランクル70のモデルのなかでも、マニアを中心に注目を集めているのがオーストラリアや中東を中心に販売されている「トゥループキャリア」です。「トゥルーピー」という通称で呼ばれるほどファンが多く、日本国内では販売されていないものの、並行輸入で入手する人もいるほどの人気を誇ります。今回は、隠れた人気モデルであるランドクルーザー トゥループキャリアの魅力に迫ります。
国内販売終了後も世界で作り続けられたランクル70
ランドクルーザー70は、日本国内での販売が終了した後も、中東やオーストラリアといった需要の高い一部の地域で生産され続けています。しかも、ただ同モデルを生産するだけでなく、精力的な年次改良やバリエーションの追加までされるほどの人気車種です。
まずは現在のランドクルーザー70の事情について紹介します。
今もなお人気の70系ランドクルーザー
70系ランドクルーザーは、ロングライフだった40系の後を受ける形で1984年にリリースされました。ヘビーデューティー系と呼ばれる、ランドクルーザー本来のオフロードユースを想定したモデルで、高い走破性と耐久性から人気を集めます。2004年に日本国内での販売が終了するまで、わずかなマイナーチェンジのみで20年間も販売されました。
一方で、国内販売が終了した後も、オーストラリア向けを中心に70系ランドクルーザーは生産され続けます。日本国内でも2014年に限定で再販されましたが、2023年に再度の再販が決定したことも報じられました。
オーストラリアで販売されているトゥループキャリア
ランドクルーザーは、用途に応じてさまざまなボディタイプが用意されています。「トゥループキャリア」は、「一団、軍隊」などを意味する英語の「troop」に由来し、人員を輸送することに特化したモデルです。
ロングタイプボディのリアシートは、前後ではなくボディ左右に対面式のシートが設置され、より多くの人員を輸送できるようになっています。
並行輸入という形で国内入手も可能
ランドクルーザー70は、日本国内では販売されていません。(新型車の国内再販は2023年に発表済)しかし、現在も販売の続くオーストラリアのモデルを、並行輸入品として取り扱う専門店もあります。
また、並行輸入モデルは、国内販売されていないエンジンが搭載されている点も大きな魅力です。現行型のトゥループキャリアは、最高出力205ps、最大トルク430Nmを発揮する4.5L V型8気筒のディーゼルターボエンジンを搭載。大柄なボディに見合ったビッグサイズエンジンは、国内販売車にはない迫力を感じさせてくれます。
ただし、公道で乗るためには、排気システムや架装を国内登録可能な仕様に変更する必要があるため注意しましょう。多くの場合は、取扱い業者で対応してくれます。
国内版では見られない個性的なランクル
オーストラリアで販売されているトゥループキャリアは、国内のランドクルーザー70にはない個性的なモデルです。法令的な問題はあるものの、広大な自然のあるオーストラリアだからこそ生まれたモデルといえるでしょう。
今すぐにでもアウトドアに出かけたくなるランドクルーザー70 トゥループキャリアの魅力に迫ります。
横向き対面式に配置されたリアシート
トゥループキャリア最大の魅力は、後席の対面式シートです。通常は前後に配置される座席が、通勤電車のようにボディサイドに沿って左右に配置され、多くの人々が乗車できます。約5.2mというロングボディということもあり、リア部分は広々としていて使い勝手も抜群です。
日本国内では新規の登録ができない影響から、新しく購入した場合は前席の3名乗車ですが、広大な荷室はアウトドアや車中泊といった場面で大活躍します。
質実剛健を地で行く力強いデザイン
もともとヘビーデューティ仕様として開発されたランドクルーザー70は、車高、全高ともに高く、全体に直線基調の機能性を重視したデザインが採用されています。さらにトゥループキャリアは、車輌側面に後席のドアがありません。開口部が最小限のデザインは、ランドクルーザーの力強さをより強調しています。
後席の乗員は後部に設置された観音開きのドアから乗降するという、まさに兵員輸送車のようなデザイン。デザイン性はもちろん、実使用時の堅牢性という面でもランドクルーザー70のコンセプトを体現しています。
国内正規販売されていない希少車
トヨタ 70型ランドクルーザー トゥループキャリアは、国内で正規販売されていないだけに流通量の少ない希少車です。また、根強いファンからの人気が高く、状態次第では通常のランクル70の2倍近い価格がつくこともあります。
一方で、流通量の少ない車種は、どの中古車業者でも買取ってもらえるわけではありません。特にトゥループキャリアのように特殊な車輌の場合、取り扱いに慣れている業者でなければ正確に査定することさえ難しいでしょう。旧車や希少車の売却を検討する際は、取扱い経験が豊富な専門業者への相談がおすすめです。
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