ランドクルーザー(以下、ランクル)といえば、過酷な環境下や悪路でも走行できるクロカン車として世界中で人気のモデルです。ランクルの中でも1980年8月~1990年1月まで製造・販売されていたランクル60は大型ボディの元祖高級路線ランクルとして人気を集めています。
しかし、購入したくても「クラシックランクルは維持費が大変そう……」と心配している方もきっと多いですよね。この記事では60系ランクルにかかる維持費について解説いたします。
ランクル60の維持費の内訳
60系ランクルの維持費について、5項目に分けて解説します。
燃料代
ランクル60にはガソリンエンジンモデルとディーゼルエンジンモデルがラインナップされています。それぞれの実燃費を見ていきましょう。
ガソリン:約4km/L(街乗り)
ガソリン:約7km/L(高速)
ディーゼル:約7km/L(街乗り)
ディーゼル:約8~9km/L(高速)
実燃費で比較しましたが、ガソリン車はかなりの大食いです。できたらディーゼルを選びたいところですが、排ガス規制対象地域には乗り入れることができないため、都市部に在住の方はガソリン車を選択するしかないでしょう。
ここからは金額をシミュレーションします。
仮にガソリンエンジン搭載のランクル60を通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンを約250リットル使用(*1) するため、燃料代は4万2,775円(*2) かかります。この条件で1年間走行した場合の燃料代は、51万3,300円(*2) です。
*1 燃費は4km/Lで算出
*2 2024年6月19日のレギュラーガソリン1L当たりの平均価格171.1円で算出
自動車税
都市部でも乗ることのできるガソリン車の上級グレード「ワゴン VX ハイルーフ」を例に自動車税をみていきましょう。
2024年11月現在、新車登録が2019年10月1日以後の3.5L超~4.0L以下(自家用)の自動車税は6万5,500円/年です。今回例にあげたモデルの排気量は3,955㏄で、車齢13年を超える可能性が高いため重課されます。結果として7万6,400円/年かかります。
任意保険
前述したワゴン VX ハイルーフに乗っていると仮定して、大手のネット型保険で任意保険のシミュレーションを実施しました。
<条件>
年齢:30歳以上
等級:20
使用目的:通勤・通学
運転者:本人限定
<補償内容>
対人賠償(1名につき):無制限
対物賠償(1事故につき):無制限
対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):なし
人身傷害:あり(車内のみ補償)
人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円
入院諸費用特約:なし
車両保険:なし
上記内容でシミュレーションしたところ、総額が4万2,000円/年でした。意外と安く思うかもしれませんが、車両保険はつきません。古いクルマのため、保険会社は車両の価値はないものとして算出します。ランクル60は新車価格を超えるプレミア価格で取引される場合が多いですが、事故を起こした際に車両保険で補償されないので注意しましょう。
車検
続いて、車検代の内訳を確認しましょう。
<ディーラー車検の場合>
自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)
自動車重量税:6万3,000円(24ヶ月)※初度登録年月から18年経過で算出
印紙代:1,800円
車検料:8万円
合計:16万2,450円
※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します
ここで注目したいポイントは重量税です。ワゴン VX ハイルーフは2.0t超~2.5t以下に区分され、重量税は4万1,000円ですが、初度登録年月から18年経過した車輌については2段階増額され6万3,000円かかります。
また、古いクルマの場合は車検時に部品交換等の整備が発生する可能性が高く、車検代が高くなってしまうケースが多いです。
メンテナンス費用
最後にメンテナンス費用をみていきましょう。ランクル60のメンテナンスについては下記の費用がかかります。
・洗車代
・ワイパーゴム交換代
・ウォッシャー液交換代
・冷却水補充代
・エアコンフィルター交換代
・ヘッドライト交換代
・エンジンオイル交換代
・オイルフィルター交換代
・ブレーキオイル交換代
・エアクリーナー交換代
1年間でこれらの費用が発生します。5万円ほどを見込んでおけばよいでしょう。タイヤ交換が発生する場合は大きなタイヤになるので+10万以上かかる可能性があります。
ランクル60の年間維持費はいくら?
維持費の内訳を見てきましたが、全てあわせるといくらになるのでしょうか。合計額を確認しましょう。
燃料代:51万3,300円
自動車税:7万6,400円
任意保険:約4万2,000円
車検:8万1,225円(2年ごとにかかる費用の半額分)
メンテナンス費:5万円
合計:76万2,925円
月額では6万3,570円ほどかかります。自動車税や重量税が重課されて負担が大きくなるほか、2024年6月現在も依然としてガソリン価格が高騰しているため、燃料代がかさんでしまいます。
また、ローンで購入した場合は、さらに月々の返済が発生します。月極駐車場を契約する場合は、別途駐車場代が毎月かかることに留意しましょう。
【番外編】ランクル60を1ナンバー登録したときの維持費は?
ここまで3ナンバー(乗用の普通自動車)登録を前提として解説しましたが、仕様変更をすれば普通貨物車の1ナンバーとしての登録も可能です。
基本スペックとして、全長 4.7m、全幅 1.7m、全高2m、排気量 2,000ccのいずれかを超えれば1ナンバーで登録できます。前述したワゴン VX ハイルーフはこの条件をクリアしています。そのほか、積載スペースが1平方m以上ある、積載スペースが乗員スペースよりも広いなどの条件が設けられているため、1ナンバー登録前にはランクル60の仕様を変更しなければなりません。
1ナンバー登録した際の維持費は以下のとおりです。
燃料代:51万3,300円
自動車税:1万7,600円 ※初度登録年月から11年経過で算出
任意保険:約4万2,000円
車検:11万7,600円
メンテナンス費:5万円
合計:74万500円
車検時にかかる自賠責保険料は、1ナンバーの場合1万6,900円/年です。重量税については、1ナンバーの場合は車輌総重量をもとに算出されます。車輌重量 2,160kg+定員5名(4ナンバーの場合)+最大積載量350kgとして、車輌総重量は2,785kgです。初年度登録年月から18年以上経過していると仮定して、3t以下に区分されて1万8,900円。結果、車検費用は11万7,600円かかります。
自動車税や重量税が3ナンバーよりも大幅に安くなりますが、1年ごとに車検を受けなければならないため、結果として年間維持費はあまり変わらないことがわかりました。また、前述のとおり1ナンバー登録する際には仕様変更や構造変更手続きをしなければならず、その分の工賃や手間を把握したうえで判断しましょう。
ランクル60の維持費が高いと思ったときの対処法
旧車の維持には、現代のクルマよりもお金がかかります。特にランクル60ような大排気量で大型の車種は自動車税、重量税がかさむためにより費用が高くなります。
さらに、古いクルマのため故障が増えて修理費用などが別途発生する可能性があるでしょう。
もし、ランクル60の維持費が高いと思ったら手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないといわれていましたが、昨今旧車人気が高まっているため、高値で売却できる可能性があります。
※2024年6月19日時点のデータです
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