ランドクルーザー70は1984年にデビューした現在でも人気の高いクロスカントリー車です。現在では「ヘビーデューティ系」に分類され、未舗装路でも難なく走行できる高い走破性や優れた耐久性が特徴のモデルです。
しかし、発売開始されたのが約40年前のクルマであるため、購入を検討しているものの、故障を心配している方、壊れた場合に高額な修理費用がかかるのではないかと不安な方は多いのではないでしょうか。
この記事では、ランクル70でよくある故障事例5つと修理費用を解説します。
ランクル70のよくある故障事例と修理費用の相場
耐久性が高いといわれるランクルですが、何十年も前に登場したモデルともなれば、やはり故障や不具合が多くなります。ランクル70が発売されたのは1984年で約40年前です。さまざまな箇所に故障や不具合がみられてもおかしくありません。
ここでは、ランクル70のよくある故障事例と修理費用の相場を紹介します。
オルタネーターの発電不良
オルタネーターはいわゆる発電器のことで、バッテリーの充電及びさまざまな電装部品への電力供給を行います。一般的に10年~15年、もしくは10万km〜15万kmが寿命といわれており、発売から40年近く経過したランクル70でも、故障に気をつけなければならない箇所です。
ランクル70のオルタネーターの修理費用の相場は、リビルト品で6万円程度、新品部品で12万円程度です。しかし、依頼する業者や使用するパーツによって金額は異なります。
なお、リビルト品とは、パーツ交換やクリーニングを実施し、完全に機能する状態に組み立てられたパーツのことを指します。廃車になったクルマなどから取り外したパーツが使われるため、新品部品ではありませんが、手頃な価格で手に入れられる高品質なパーツです。
ラジエーターからの冷却水漏れ
ラジエーターの交換時期は10年または10万kmといわれています。中古のランクル70だと、走行距離が30万kmを超える個体も多いため、交換を避けて通ることはできないでしょう。
年式によっては新品、中古品ともにパーツがないため、専門業者に現物を持ち込んで修理を依頼することになります。
修理費用の相場は、新品(社外品)への交換場合で8万~10万円程度、現物修理の場合で10万円程度です。
燃料噴射ポンプからの燃料漏れ
ランクル70には、ディーゼルエンジンを搭載したモデルがラインナップされています。
ディーゼルエンジンは、圧縮した空気に燃料を噴射して動作するエンジンです。ディーゼルの燃料噴射ポンプは非常に丈夫に作られていますが、長年の使用によって磨耗したり、内部のパーツが劣化したりしてパーツに隙間ができてしまい、燃料漏れを起こすことがあります。
燃料噴射ポンプの修理費用の相場は、リビルト品を使用した場合で20万円程度です。依頼する業者によって金額は異なりますが、いずれにしても高額な交換費用を覚悟しなければなりません。
エアコンの効きが悪い
一般的にエアコンの寿命は7年〜10年といわれています。使用状況によっては10年以上使える場合もありますが、ランクル70は最も年式が新しい個体でも20年近くが経過しているため、仮に今正常に作動していてもいつエアコンが効かなくなるかわかりません。
修理費用の相場は、コンプレッサーの交換の場合で10万円程度です。しかし、エバポレーターや配管からエアコンガスの漏れがあった場合は、さらに10万〜20万円程度の費用がかかります。理由は、ダッシュボードの裏側などの交換作業が難しい場所に設置されているためです。交換作業は非常に複雑なため、かかる費用の半分以上が工賃になることも珍しくありません。
フロントアクスルからのデフオイル漏れ
ランクル70のフロントアクスルには、ナックルという部品が装着されています。ナックルとは、クルマのステアリングシステムを構成する部品の1つで、ランクル70の場合はそのナックルの内部がグリスで満たされています。また、ナックル内部にはグリスとデフオイルが混ざらないようにオイルシールが設けられています。
しかし、長年の走行でそのオイルシールが消耗するとグリスとデフオイルが混ざりはじめます。グリスとデフオイルが混ざるとキングピンベアリングの固着やナックルからのデフオイル漏れが起こり、最悪の場合は走行できなくなります。
修理費用の相場は、オイルシールに加えて、キングピンベアリングの交換も行った場合で、13万円程度です。
まとめ
ランクル70は、30万km以上の走行にも耐える耐久性があるといわれているものの、発売からかなりの年数が経過しているために故障や不具合を避けられないクルマです。消耗品という捉え方で対処するオーナーの方もいますが、初めて古いクルマに乗る方や、クルマが故障した経験が少ない方にとっては、不安を感じるでしょう。
今回紹介した故障事例をもとに、あらかじめ壊れた際の依頼先を検討しておいたり、修理費用を見積もっておくと安心したランクル70ライフを送れるかもしれません。
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