ランドクルーザー(以下、ランクル)といえば、過酷な環境下や悪路でも走行できるクロカン車として世界中で人気のモデルです。ランクルの中でも1989年10月~1997年12月まで製造・販売されていた80系のランクルはクラウンと遜色ない内装になり、ランクルの新たな購入層を開拓しました。
しかし、約30年前のクラシックなランクルのため、維持費を負担に感じている方も多いでしょう。そこで、この記事ではランクル80の維持費を抑える方法について解説いたします。
ランクル80、維持費が安いのは1ナンバー!
ランクル80は、普通乗用車として3ナンバー登録する方が多い一方で、貨物車として1ナンバー登録することもできます。実は、1ナンバー登録したほうがわずかながら維持費の負担が抑えられるのです。3ナンバーと1ナンバー、それぞれの年間維持費の内訳を比較しながら紹介します。
※今回は1995年式のワゴン GX(レギュラーガソリンモデル)を例に挙げて維持費をシミュレーションします。
【3ナンバー登録】ランクル80の年間維持費
ランクル80を3ナンバー登録した場合の年間維持費は、75万6,933円です。内訳は以下のとおりです。
燃料代
今回例示するレギュラーガソリンモデルの燃費は、街乗りで4〜5km/Lといわれています。この燃費をもとに金額をシミュレーションしました。
ランクル80で月間1,000km走行した場合、ガソリンは約222リットル使用(*1) し、燃料代は3万7,984円(*2) かかります。この条件で1年間走行した場合の費用は、45万5,808円(*2) です。
*1 燃費は4.5km/Lで算出
*2 2024年6月21日のレギュラーガソリン1L当たりの平均価格171.1円で算出
自動車税
例示した1995年式のワゴン GXの排気量は4,476㏄です。2024年6月現在、新車登録が2019年10月1日以降の場合、4L超~4.5L以下(自家用)の自動車税は7万5,500円/年です。
しかし、ランクル80は車齢13年を超える可能性が非常に高いため重課され、8万7,900円/年かかります。現行モデルよりも1万2,400円も多く納税しなければなりません。
任意保険
1995年式のランクル80 ワゴン GXの任意保険について大手のネット型保険でシミュレーションしました。
<条件>
年齢:26歳
等級:5
使用目的:日常・レジャー
運転者:本人限定
<補償内容>
対人賠償(1名につき):無制限
対物賠償(1事故につき):無制限
対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):なし
人身傷害:あり(車内のみ補償)
人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円
入院諸費用特約:なし
車両保険:なし
上記内容でシミュレーションしたところ、約9万7,000円/年でした。負担が大きいうえに、古いモデルのため車両保険はつけられません。万が一事故を起こしてしまった場合、車両保険で補償されないので注意しましょう。
車検代
続いて、ランクル80の車検代を確認しましょう。
<ディーラー車検の場合>
自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)
自動車重量税:6万3,000円(24ヶ月)※初度登録年月から18年経過で算出
印紙代:1,800円
車検基本料:5万円 ※店舗・工場によって異なる
合計:13万2,450円
ここで注目したいのは重量税です。今回例示したランクル80の車輌重量は2,100kgのため、2t超~2.5tに区分されます。現行のクルマであれば重量税は4万1,000円ですが、ランクル80は初度登録年月から18年以上経過している可能性が高いため、2段階増額されて6万3,000円かかります。
また、車検時に部品交換やメンテナンスが発生した場合には別途費用がかかります。ランクル80はクロカン車のため、アウトドアで悪路を走行する方も多いかもしれません。その分ダメージが蓄積しやすく、なおかつ古いクルマのため、予想以上に車検代がかかる可能性があることも覚えておきましょう。
メンテナンス費用
最後にメンテナンス費用をみていきましょう。ランクル80のメンテナンスについては下記の費用がかかります。
・洗車代
・ワイパーゴム交換代
・ウォッシャー液交換代
・冷却水補充代
・エアコンフィルター交換代
・ヘッドライト交換代
・エンジンオイル交換代
・オイルフィルター交換代
・ブレーキオイル交換代
・エアクリーナー交換代
1年間でこれらの費用が発生します。5万円ほどを見込んでおけばよいでしょう。ランクル80のタイヤ交換が発生する場合は大きなタイヤになるので+10万以上かかるケースもあります。
【1ナンバー登録】ランクル80の年間維持費
ここまで3ナンバー登録時の年間維持費を解説しました。続いて1ナンバー登録時の維持費を紹介します。
総額からお伝えすると、70万8,008円/年です。3ナンバーよりも5万円も費用を抑えられます。なお、燃料代と任意保険、メンテナンス費用は同額として計算しています。
自動車税
自動車税は1万7,600円/年です。車齢が13年を超えた場合の重課された税額ですが、3ナンバーと比べると大きな差があります。1ナンバーの維持費が安い原因の1つといえるでしょう。
任意保険
任意保険は同額で計算したとお伝えしましたが、注意点があります。
ほとんど差はないものの、1ナンバーのほうが保険料が高い場合があるようです。また、ネット型保険では1ナンバーを取扱していないことが多く、代理店を通じて問い合わせる必要があります。
実際に申し込む際には、いくつかの代理店に問い合わせて保険料を比較するとよいでしょう。
車検代
ランクル80を1ナンバー登録した際の車検代は以下のとおりです。
<ディーラー車検の場合>
自賠責保険:1万6,900円(12ヶ月)
自動車重量税:1万8,900円(12ヶ月)※初年度登録から18年経過で算出
印紙代:1,800円
車検基本料:5万円 ※店舗・工場によって異なる
合計:8万7,600円
車検時にかかる自賠責保険料は、1ナンバーの場合1万6,900円/年です。重量税については、1ナンバーの場合は車輌総重量をもとに算出されます。車輌重量 2,100kg+定員5名(1ナンバーの場合)+最大積載量350kgとして、車輌総重量は2,725kgです。初年度登録年月から18年以上経過していると仮定して、3t以下に区分されて1万8,900円。結果、車検費用は13万2,450円かかります。
【要チェック】1ナンバー登録する際の注意点
年間維持費は1ナンバー登録のほうが安いものの、1ナンバーで登録するためにはいくつもの条件があります。
基本スペックとして、全長 4.7m、全幅 1.7m、全高2m、排気量 2,000ccのいずれかを超えている必要があり、積載スペースが1平方m以上ある、積載スペースが乗員スペースよりも広いなどの条件が設けられています。
ランクル80は基本スペックに関して問題ありませんが、各種仕様変更と陸運局での構造変更手続きが必要です。さまざまな作業や手続きの費用や手間も加味して、1ナンバー登録するかどうか決めたほうがよいでしょう。
※ただし、ディーゼルモデルは1ナンバー登録しかできません。
ランクル80の維持費を抑える方法
1ナンバー登録のほうが維持費を抑えられることがわかりました。しかし、もっと手軽に負担を減らす方法を知りたい方もいるでしょう。そこで、すぐにできる維持費の節約術を紹介します。
DIYでメンテナンスする
自分自身でランクル80を修理や整備をすれば、メンテナンスにかかる費用を抑えられます。たとえば、以下の箇所はDIYでの修理と整備が可能です。
・洗車
・オイル交換
・ワイパーゴム交換
・ヘッドライト交換(バルブのみの場合)
DIYでのメンテナンスと聞いてハードルが高く感じる方がいるかもしれませんが、洗車は水の使えるスペースがあれば専門技術がなくても取り組めます。そのほかの箇所も比較的難しくないため、外注する費用が気になる場合には自身で修理するとよいでしょう。
車検の依頼先を見直す
車検の依頼先の見直しも、維持費の負担を抑えるのに有効です。
シミュレーションではディーラーを例にあげましたが、車検基本料金は店舗や工場によって異なります。民間車検の利用も視野にいれながら、いくつか見積もりをとって検討するとよいでしょう。
保険会社を見直す
保険の見直しも維持費を抑えるために実施するとよいでしょう。
同じランクル80でも、保険会社が違うと保険料が異なる場合があります。また、国内損保よりもネット型保険のほうが安い傾向にあります。ただし、1ナンバー登録する場合にはネット型保険で申し込めないケースが多いため、やはり複数の保険を比較する必要があるでしょう。
ランクル80の維持費がどうしても高いと思ったときの対処法
今回はランクル80の維持費を抑える方法を解説しました。
1ナンバー登録で維持費を抑えられるものの、それでも年間で70万円以上の費用がかかります。どうしても負担が大きいと感じた場合には、手放すことを選択肢にいれてもよいかもしれません。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないといわれていました。しかし、昨今の旧車ブームによって市場での価値が高まっています。加えて、ランクル80は世界的にも人気のあるモデルのため、高く売却できる可能性も充分に考えられるでしょう。
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