ランドクルーザープラドといえば、ランドクルーザーシリーズのライトデューティー用に開発・発売されたモデルです。プラドのなかでも1996年5月~2002年10月に製造・販売されていた95プラドはガソリン車を選択できるため、都会でも乗ることのできるクラシックランクルとして人気を集めています。
しかし「クラシックランクルは維持費が大変そう……」と心配している方もきっと多いですよね。この記事ではランクル95プラドにかかる維持費について解説いたします。
95プラド維持費の内訳
95プラドの維持費について、5項目に分け解説します。今回は1998年式の TX(ガソリン/3,378cc )を例に挙げて、費用をシミュレーションします。
燃料代
今回例に挙げる1998年式の TX(ガソリン/3,378cc )のカタログ燃費は10.15モードで7.9km/Lです。
たとえば月間1,000km走行した場合、ガソリンは約126リットル使用(*1) することになり、燃料代は2万1,546円(*2) かかります。この条件で1年間走行した場合の費用は、25万8,552円(*2) です。
*1 燃費は7.9km/Lで算出
*2 2024年6月25日のレギュラーガソリン1L当たりの平均価格171円で算出
自動車税
2024年6月現在、新車登録が2019年10月1日以後の3,000cc超~3,500ccル以下(自家用)の自動車税は5万7,000円/年です。ただし、1998年式の95プラドは車齢が13年を超える可能性が非常に高いため、6万6,700円/年かかります。
なお、95プラドにはエンジンの異なる2,693ccのモデルもラインナップされており、この排気量でなおかつ車齢が13年を超えている場合は5万8,600円/年かかります。もし排気量が小さくても問題ないという方は、エンジンの違うモデルを選択することで維持費を抑えられるでしょう。
任意保険
95プラドの任意保険について大手のネット型保険でシミュレーションをしました。
<条件>
年齢:25歳
等級:6B
使用目的:日常・レジャー
運転者:本人限定
<補償内容>
対人賠償(1名につき):無制限
対物賠償(1事故につき):無制限
対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり
人身傷害:あり(車内のみ補償)
人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円
入院諸費用特約:なし
車両保険:あり(限定タイプ)
→保険金額 25万円/免責金額(1回目-2回目以降)5-10万円
総額は約13万円/年でした。古いクルマには車両保険を付帯できないケースが多いですが95プラドにはつけることができました。しかし、25万円までしか補償されないため、付帯しないで保険金額を安くしてもよいかもしれません。
車検
続いて、95プラドの車検代についてみていきましょう。
<ディーラー車検の場合>
自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)
自動車重量税:5万400円(24ヶ月)※初度登録年月から18年経過で算出
印紙代:1,800円
車検基本料:5万円 ※店舗・工場によって異なる
合計:11万9,850円
ここで注目したいのは重量税です。95プラドの枠である1.5t超~2.0t以下区分の自家用車の場合、重量税は3万2,800円ですが、初度登録年月から18年経過した車輌については増額され5万400円かかります。
また、古いクルマの場合は車検時に部品交換をはじめとする各種メンテナンスが発生する可能性が高いです。車輌のコンディションが不調で、複数箇所の整備が必要な場合には車検代がさらにかさむでしょう。
メンテナンス費用
最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。95プラドのメンテナンスについては下記の費用がかかります。
・洗車代
・ワイパーゴム交換代
・ウォッシャー液交換代
・冷却水補充代
・エアコンフィルター交換代
・ヘッドライト交換代
・エンジンオイル交換代
・オイルフィルター交換代
・ブレーキオイル交換代
・エアクリーナー交換代
1年間でこれらの費用が発生します。5万円ほどを見込んでおけばよいでしょう。ランクル95プラドのタイヤ交換が発生する場合は大きなタイヤになるためプラスで10万以上かかるケースもあります。
【知っておきたい】95プラドのよくある故障
95プラドを所有するにあたり、よくある故障と修理費用もチェックしておくと安心です。ここでは95プラドで起こりがちなトラブルを紹介します。
・パワーステアリングラックの故障
クルマを運転するのに大変重要なステアリングに関連する部品です。経年劣化によって「ゴトゴト」という異音がしたりオイル漏れしたりすることがあります。リビルド品での交換+工賃で7万円程度の費用がかかるでしょう。
・エアコンのコンプレッサーの故障
エアコンも経年劣化によって焼付きが起こってしまう場合があります。工賃込みで10万円ほどかかります。エアコン使用時に異音やガス漏れに気付いた際にはなるべくはやく整備工場に修理を依頼しましょう。
いずれも経年劣化で発生しやすい故障です。中古の95プラドは、初度登録年月から20年近く経過している可能性が高いため、長年蓄積されたダメージによって故障が起こりやすいことを把握しておきましょう。
また、購入前にはエンジン内部の汚れを確認しておくことをおすすめします。長年乗り続けられた個体はエンジンが汚れているケースが多く、あまりにも状態がひどいと焼付きを起こしてしまう可能性があります。エンジンが壊れると丸ごと載せ替える必要があり、かなりの手間がかかるうえに費用も100万円ほどかかるため、購入前に必ずチェックしておきたいポイントです。
95プラドの年間維持費は約56万円!
ここまで95プラドの維持費の内訳について解説してきました。すべて合わせると、年間で約56万円ほどの維持費がかかります。
<95プラドの年間維持費>
燃料代:25万8,552円
自動車税:6万6,700円
任意保険:約13万円
車検:5万9,925円(2年ごとにかかる費用の半額分)
メンテナンス費:5万円
合計:56万5,177円
月額では約4万7,000円ほどかかる計算です。この結果から燃料代の割合が大きいことが判明しました。2024年6月現在もなおガソリン価格が高騰しているため、あまり燃費のよくないガソリンエンジンでは大きな負担になるでしょう。また、自動車税も車齢13年超のガソリン車のため増税されてしまいます。
95プラドはランクルよりも維持費が安い?
95プラドの年間維持費は約56万円でしたが、同時期に発売されていたクルマと比べると費用は高いほうなのでしょうか。おおむね同じタイミングで販売されていたランドクルーザー100系の維持費を比較してみましょう。
<ランクル100の年間維持費>
燃料代:35万5,992円
自動車税:10万1,200円
任意保険:約11万円
車検:6万6,225円(2年ごとにかかる費用の半額分)
メンテナンス費:5万円
合計:68万3,417円
なんと、95プラドよりもランクル100のほうが10万円近く高いという結果になりました。95プラドよりも大排気量で車輌重量が重く、自動車税と重量税の負担が大きいことが要因です。もし95プラドとランクルで購入を迷われているのであれば、維持費の情報も車種検討の際にお役立てください。
▼ランクル100の維持費の詳細はこちらで解説しています。
トヨタ ランドクルーザー(100系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
まとめ
旧車の維持には、現代のクルマよりもお金がかかるものです。特に95プラドのような大排気量で大型の車種は自動車税、重量税がかさむために費用が高くなります。さらに、古いクルマのため故障が増えて修理費用などが別途発生する可能性があるでしょう。購入の際には、今回紹介した維持費の情報も参考に検討してみてください。
※2024年6月25日時点のデータです
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