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1972年3月以前に発売された車の燃料は「有鉛ガソリン」に指定されています。ハコスカやS30フェアレディZなど現在でも人気の旧車が有鉛ガソリン車にあたりますが「有鉛ガソリンってどこで入れられるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。実は、2023年2月現在は有鉛ガソリンを扱っているガソリンスタンドは日本に存在しません。取り扱っているのは無鉛ガソリンのみです。
そこでこの記事では、有鉛ガソリン車に乗り続ければどうすればいいのか、無鉛ガソリンでも代用できるのか、気になる燃料事情を解説します。
そもそも「有鉛ガソリン」って何?
有鉛ガソリンとはアルキル鉛が微量添加されているガソリンです。オクタン価を上昇させるアンチノック剤としてアルキル鉛がガソリンに添加されていました。また、アルキル鉛にはバルブシートの摩耗を防ぎ保護するという役割もあります。簡単にいえば、有鉛ガソリンはエンジンに優しいということです。
しかし、アルキル鉛は環境には優しくありませんでした。毒物及び劇物取締法の特定毒物に指定されている有害物質を含んでいるからです。1980年頃まではハイオクガソリンにアルキル鉛がわずかに使用されていましたが、1987年には完全に無鉛化されました。
「有鉛ガソリン車」に「無鉛ガソリン」を入れても良いの?
ここからは本題の「無鉛ガソリン車」に「無鉛ガソリン」を入れても問題ないか解説します。
かつて有鉛ガソリンが使われていた主な理由は下記の2点です。
・アンチノック剤としてオクタン価を上昇させるため
・潤滑、クッション材としてバルブシートを保護するため
現在は「無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリン」がオクタン価の高い燃料として生産されています。そのため、ハイオクを入れておけば、ノッキングは避けられるでしょう。しかし問題は2つ目の理由です。現代のハイオクガソリンでは、バブルシートを多少なりとも摩耗させてしまいます。やはり完全にリスクを排除して無鉛ガソリンを代用するのは難しいようです。
無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンで「有鉛ガソリン車」を入れる際の注意点
完全に代用はできなくても、無鉛ガソリンを入れたからといって走行できなくなるわけではありません。ここからは、無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンを使いながらも有鉛ガソリン車のエンジンをいたわるポイントを解説します。
市販の有鉛化添加剤をハイオクガソリンに混ぜる
整備工場やカー用品店、ネット通販などでガソリンに混ぜるための有鉛化添加剤が売られています。これらを使用すると、バルブシートの摩耗を防止できます。有鉛化といっても、鉛の代わりにナトリウム化合物によって有鉛化効果を得るものであるため、環境的に問題はありません。
「有鉛ガソリン車」の使用頻度を下げる
週末に少しだけ乗る、というような頻度の少ない使い方であれば、ハイオクガソリンをそのまま入れて問題ないでしょう。しかし通勤に使うなどほとんど毎日乗る場合には、どうしてもバブルシートが摩耗してしまいます。なるべく乗る機会を減らすか、もしくはハイオクガソリンを入れるたびに添加剤も入れておくのもバルブシートの摩耗を防ぐ方法です。
バルブシートを無鉛ガソリン用に交換する
現代では旧車発売当時より技術力が向上しており、無鉛ガソリンでも摩耗しにくいバブルシートが開発されています。無鉛ガソリン対応のバブルシートに交換すれば、無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンを入れても問題ありません。しかし、整備工場に交換を依頼する必要があるため、費用がかさんでしまいます。
有鉛ガソリン車の取り扱いに困ったら手放すという選択肢も
旧車の維持には多くのお金が必要です。特に「有鉛ガソリン車」は添加剤の使用やバルブシートの交換でさらに費用がかかります。もし維持費を負担に感じたら、売却をご検討してみてはいかがでしょうか。
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