車を操る楽しみを味わえるのは、やはりMT(マニュアルトランスミッション)車です。速度域やエンジンの回転数にあわせてシフトチェンジをすれば、思い通りに車を走らせることができます。
今回は、初心者にもおすすめで、手頃な価格で入手可能なMT車をご紹介します。運転する楽しみと実用性を兼ね備えた車種ばかりなので、MT車選びの参考にしてください。
MT車はコンパクトカーが狙い目
MT車を中古車で探すのならコンパクトカーがおすすめ。コンパクトカーのMT車の多くはスポーティモデルとなっており、走行性能が高く十分に走りを楽しめます。さらに、手頃な価格帯で販売されている上、実用的で日常の使い勝手も申し分ありません。
近年MTの設定がある車は減少している
近年MTの設定のある車はスポーツカーが中心となっていて、全体として選択肢は少なくなっています。ワンボックスや軽トラなどの実用車を除くと、そもそもMTの設定がない車種も珍しくありません。
また、新車時の価格設定も高くなる傾向にあります。かつては同モデルであればMT車の方が安く設定されていましたが、走行性能をより重視したモデルに設定されることが多いためです。
コンパクトカーが狙い目の理由
MT車はスポーツカーが中心ですが、現在スポーツカーは年式の古いものでも価格が高止まりしています。理由は、海外で日本製スポーツカーの人気が高まっているためです。
そこで、おすすめなのがコンパクトカー。コンパクトカーでもMTの設定があるグレードはスポーツモデルが多くなっています。WRCなどラリーカーのベース車両になっている車種もあるので、コンパクトカーでも十分な走行性能が備えられています。
80万円で買えるMT車5選
予算80万円でも十分に走りを楽しめるMT車を購入できます。日常使いに便利なコンパクトカーですが、MTが設定されているモデルはどの車種もスポーツモデルが中心で、高い走行性能を備えています。
コンプリートカー並みの性能を持った車種や、人気のプレミアムカーも含まれているので、初心者だけでなくこだわりのある上級者にもおすすめです。
GRヤリスにつながる最終型トヨタ ヴィッツRS
2010年に登場した3代目トヨタ ヴィッツは、スタイリッシュなデザインが特徴のコンパクトカー。コンパクトカーながら見た目以上に車内は広く、上質なインテリアに仕上げられています。
5MTが設定されているグレード「RS」は、ヴィッツのスポーティグレードです。109ps を発生する1.5L直列4気筒エンジンは、控えめなパワーながら気持ちよく回ります。さらに、通常のモデルより、足回りが硬めの設定になっているのもRSの特徴。軽量な車重とあわせて軽快な走りを楽しめます。また、バンパーやルーフスポイラーなどが専用デザインとなっている点も特別感があるのでおすすめのモデルです。
3代目ヴィッツRSの中古車価格は39.8〜139.8万円。たとえば「ヴィッツRS 2015年式、5MT、1.6万km」の中古車は79.8万円で販売されていました。(2022年4月現在)
モデル末期には現在のGRヤリスにつながるGRスポーツモデルも販売されているので気になるかたはチェックしてみてください。
スイスポの名前を定着させた2代目スズキ スイフトスポーツ
2005年に登場した2代目スズキ スイフト。新たに世界戦略車という位置付けになり、高い走行性能とデザインが好評を博したスズキを代表するコンパクトカーです。とくにスポーツモデルとなるスイフト スポーツは、「スイスポ」という略語もうまれるほど通常モデル以上に評価されています。
1.6L直列4気筒エンジンは6,800回転で125psを発生。車重わずか1,070kgの車体を軽快に走らせます。足回りにはモンロー製ショックアブソーバーや前後ディスクブレーキなどスポーツグレードにふさわしい装備となっているのも通常モデルとは異なる特徴です。
中古車価格は19.8〜119万円。たとえば「スイフトスポーツ 2008年式、5MT、走行距離5.7万km」で79.8万円という個体もあります。(2022年4月現在)
日常使いも便利な2代目ホンダ フィットRS
2代目フィットは2007年に登場しました。フィットの特徴は、インテリアの高い質感と使い勝手のよさです。広い荷室が確保されていることはもちろん、シート周りにも収納スペースが豊富に設けられています。ホンダならではの走行性能の高さもあり、通常モデルでも日常使いだけではなく運転をする楽しさも味わえるモデルに仕上がっているのが特徴です。
5MTが設定されているRSは、フィットの使い勝手のよさはそのままに、より走行性能が高められています。120psを発生する1.5L直列4気筒エンジンは、i-VTEC仕様で低回転から高回転までスムーズに吹け上がります。また、最大トルクは145Nmと十分で、低速走行の多い街乗りでもストレスを感じません。また、さらに走りを楽しめる6MTモデルもあります。
中古車価格は19〜118万円で、中心価格帯は80万円以下です。たとえば「フィットRS 2013年式、6MT、6.7万km」の中古車は79.9万円でした。(2022年4月現在)
コンプリートカー並みの完成度だった三菱 コルト ラリーアート バージョンR
ベース車両の三菱コルトは、2002年の登場から2013年までの11年間、大きなモデルチェンジをおこなうことなく販売された三菱を代表するコンパクトカーです。販売期間が長かったため、多くのグレードや派生モデルが登場しました。
コルト ラリーアート バージョンRは、コルトをベース車両として開発されたスポーツモデル。もともとあったコルトラリーアートに専用のエアロバンパーやオーバーフェンダーを装着し、ランサーエボリューションを思わせる外観になっています。
性能面では、163psを発生する1.5L直列4気筒ターボMIVECエンジンが最大の特徴です。わずか1,100kgほどの車重を考えるとかなりハイスペックで、スポーツ走行も十分楽しめます。足回りやホイールが強化されていることに加えて、MT車には横滑り防止装置まで装備されていてこのままラリーに出場できそうな仕様です。
中古車価格は28〜238万円で、中心価格帯は80万円以下です。「コルト ラリーアート バージョンR 2009年式、5MT、10.7万km」が79.9万円で販売されていました。(2022年4月現在)ただし、走行性能重視のスポーツモデルだけあって走行距離が多めの中古車が多く、実際に購入する場合は、きちんと車を見極める力が必要です。
毎日特別な気分で運転できる2代目BMW ミニ クーパー
BMW社が商標を獲得し、2007年に登場した2代目となるBMWミニ。プレミアムコンパクトカーとして人気の高いミニも、先代であれば80万円の射程圏内です。
ミニ独特の内外装のデザインは、所有しているだけで特別感を味わえます。また、走行性能の高さもミニの特徴。1.6L直列4気筒エンジンは最高出力120ps、最大トルク160Nmを発生します。バルブトロニックという技術によって、バルブのリフト量とタイミングを無段階で精密にコントロール。低域から高域までストレスのないエンジンフィールを実現しています。
中古車価格は35〜163.5万円。「ミニ クーパー 2010年式、6MT、5.3万km」のモデルが79.8万円で販売されていました。(2022年4月現在)また、175psを発生するターボモデル「クーパーS」もほぼ同価格帯で販売されています。
まとめ
MT車であれば、高性能スポーツカーでなくても運転を楽しめます。
そして、MT車を低価格で購入したいのであれば、コンパクトカーがおすすめ。多くが走行性能を重視したスポーツグレードなので、小柄なボディをきびきびと走らせる爽快感が味わえます。
また、最近のコンパクトカーであればインテリアも上質で見た目以上に車内も広いので日常使いの車としても最適です。年式や走行距離には注意が必要ですが、こだわりの特別仕様車なども予算80万円で見つかるかも知れません。
[ライター/増田真吾]
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