事故車における修理代の相場とは?修理代が決まる要因も解説

目次
1.事故車の修理代の相場 2.事故車の修理代を抑えるための方法 3.事故車の修理代が決まる要因

愛車が事故にあい修理が必要になった時、気になるのは修理代金ではないでしょうか。今回はその修理代金の内訳と相場について解説します。修理代についてお悩みの方はぜひ参考にしてください。

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事故車の修理代の相場

修理代は、次の5つに分類できます。

・部品代
・部品を脱着する・調整するための工賃
・板金を行うための板金代
・塗装代(工賃と材料代)
・消費税

上記に加え、交換した部品などの廃棄物処理料がかかる場合があります。

この中で最も多くを占めるのが工賃です。工賃はレバレートとも呼ばれ、その会社の技術料として立地や規模によって算定されています。

1時間あたりの会社の技術料(レバレート)×作業時間=作業工賃となります。会社の規模が大きくなれば技術料は高くなる傾向があります。作業時間は指数と呼ばれ、工員の平均作業時間によって算出されています。

すなわち工員の行う作業と工程により工賃が決まります。
※一般社団法人 事故車損害調査協会によると、2021年度のレバレートの調査では東京都内において国産車の平均レバレートは7,221円で、輸入車は9,857円です。一般的な価格帯は国産車で6,800円~7,600円。輸入車で9,600円~10,200円であると考えられます。

修理代の算定の基本

車種、年式、型式、グレード、カラーコードを車検証やコーションプレートなどで調べて修理に必要な情報を集めます。正確な修理見積を算定するのに重要な所です。事故車は見た目で「ざっくり」とした修理代を算定するのは難しく、所有者と修理業者との間でトラブルになるので正しい算定方法で車両を評価します。

保険事故として処理する場合には、事故車の時価総額を調べる必要がありますが、今回は修理代の算定に必要な事だけを述べるため割愛します。

事故車の損傷具合を把握する

まず車両本体にどの程度物理エネルギーが加わったのかを調べることから始まります。
どこに、どの方向から、どのように、どこまで、を調べます。
自動車はボディ全体で衝撃を吸収する構造をしているため、一部分だけで損傷具合を評価はしません。※小さな擦過傷などは除く

見積は外側から自動車を分解してゆく

修理見積は実際に作業を行う手順に沿って記載されています。外側から車を分解・修理を行えるように書式が整えられているのが一般的です。概算ではありますが、事故事例を載せましたので参考にしてください。
※工賃は東京都の平均レバレート7,221円で計算。消費税は含まれていません。。

例1:正面衝突して自走不能な場合の見積「フレームとエンジンに深刻な損傷の場合」

Aメーカー製 コンパクトカー ボディカラーはシルバーメタリック 左右エアバック作動状態 
フロント部分およびエンジンフロント側に大きなダメージを負った場合の概算見積は
部 品 代  88万円(約25万円ほどがSRSエアバックシステムの部品代)
(エンジン本体の交換が必要な場合は部品代が約36万円追加になります)
部品交換工賃 18万5,000円
塗 装 工賃 78,000円(内、材料代が約10,000円)
消費税なしの総額で114万円ほどになります。

例2:左側面を損傷し、ドア交換が必要な場合の見積

Bメーカー製 セダン ボディカラーは3コートホワイトパール
左フロントフェンダ擦過 前後ドアは交換が必要な損傷 左リヤクォーター下部に軽くつぶれている状態の損傷を負った場合の概算見積は
部 品 代  12万2,000円 
部品交換工賃 44,000円
板 金 工賃 21,000円
塗 装 工賃 96,000円(内、材料代が12,000円)
消費税なしの総額で28万円ほどになります。

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事故車の修理代を抑えるための方法

修理代を抑える方法を解説します。主に中古部品を使う方法とぼかし塗装をしないなどの方法があります。

中古部品を使う

新品パネルより値段が安い場合があります。注意しなければならない点として年式が新しい車の場合は入手が難しく値段が新品より高い場合があること、細かな傷があること、事故車と同色の部品があるとは限らないことです。

逆に古い年式の車の場合、流通数が少ないことがあります。こちらも同様に傷や塗装の違いなどで板金作業、再塗装が必要な場合があり、新品パネルより値段が高くなる可能性があります。

ぼかし塗装をしない

板金した部分には限りなく原色に合うように調色作業を行って塗装を行いますが、隣合うパネルとは微妙に色合いが違う場合があります。その場合は隣合うパネルに半分ほど調色した色を塗装する「ぼかし塗装」を行います。これはグラデーションを施して色の差が判らないようにする塗装ですが、その分だけ工賃と材料代がかかります。

ある程度の色の違いを気にしないのであれば、ぼかし塗装をしないというのも選択肢のひとつです。あくまでも自己責任で修理業者にお願いする必要があります。

事故車の修理代が決まる要因

修理代が決まる要因とは、どのようなものか解説します。まず先に述べた自動車の価値とレバレート、そして損傷具合を算定した見積書によっておおまかな修理代を把握する事ができるようになります。

ここから先は実作業を行うことにより必要な部品をより細かく、修理工程をより詳しく拾い上げる事ができるようになります。

損傷の箇所

作業を行う工員は、見積書の順序に従って事故車の修理を始めます。分解してゆくことによって実際の損傷箇所を把握できます。見積書の算定から漏れていた部品や作業工程を拾い出します。思わぬ所まで損傷が伝わっている場合があり、この工程は算定結果に直結するので大きなダメージを受けた事故車は慎重に精査する必要があります。

損傷の程度

外観では判別できなかった損傷の程度を加える事で部品の納期、作業の予定日数などを予想することができます。フロントサイドメンバーやクォーターパネルなどの交換作業は難易度が高く、修理代の中でも特に大きな要因になります。足回りなどは外観では判別できない損傷を負っている場合があり、実作業で判明することがあります。

修理にかかる手間

実際に手間となる修理は、内反骨格の修正・交換、ルーフパネル、クォーターパネル、ドアパネルなどの交換・取付・調整および板金が必要な箇所、そして塗装です。
サイドメンバー、インナーフェンダーなど骨格を交換した場合は配線や部品を外した状態で、防錆塗装、制振塗装とフレーム色の塗装を施します。新品のドアパネルは裏表の塗装をする必要があります。

車両側面に板金や塗装が必要な場合はマスキング作業などが必要です。組み立てに掛かる手間もあります。交換に必要なすべての部品と塗装したパネルなどが揃って初めて自動車を組立・調整ができます。

パーツの入手の難しさ・コスト

パーツ入手の難易度は、年式が新しいほどメーカーから部品の入手がし易く、値段も適正です。年式が古くなってゆくとメーカーの部品在庫の管理費がかかるので値段が徐々に高くなります。新車発売から10年が経過する、または絶版車となった場合にはメーカーからの部品供給がなくなり中古市場で価格が高騰すると共に入手が困難になる場合があります。

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