遺言書がない場合、法定相続人全員に遺産の相続権があります。とはいえ、未成年でも被相続人の車を相続できるのか気になる方もいるでしょう。この記事では、未成年でも車を相続できるかについてや、手続き方法などを紹介します。
未成年でも車を相続できる
免許を取得していない未成年でも、車を相続できます。免許はあくまでも車を運転するために必要なものであり、所有できるかどうかは関係ありません。ただし、未成年が相続するには親権者の同意が必要です。相続手続き時に、親権者の同意書を運輸支局に提出しましょう。
また、車にローンが残っている場合は、残債もそのまま相続されます。残っているローンは、基本的に一括で返済する必要があります。一括返済が難しい場合、ローン会社によっては残債をそのまま引き継げるケースもあるため、問い合わせて確認しましょう。なお、親権者と共同相続もできるため、無理に未成年者だけで単独相続する必要はありません。
遺産分割協議では特別代理人を立てる必要がある
被相続人の遺言書がなく、遺産分割協議を行わなければならない場合、未成年者は特別代理人を立てる必要があります。特別代理人には、基本的に未成年者の親権者が該当します。
未成年者は物事を決定するための判断力が不十分とされており、契約の締結と同様に1人では遺産分割協議に参加できないため、代わりに特別代理人が出席しなければなりません。ただし、未成年者の親権者にも車を相続する権利がある場合は「利益相反行為」になるため、法定相続人以外の特別代理人を家庭裁判所に申立てる必要があります。
利益相反行為とは、一方の利益になると同時に他方への不利益となる行為のことです。例えば父が亡くなった場合、配偶者である妻と子どもが法定相続人のケースです。同じ法定相続人である妻が特別代理人になると、自分の都合のよいように相続されてしまう可能性があります。親と子どもが利益相反した状態で遺産分割協議を行っても無効になるため、家庭裁判所に「特別代理人選任」の申立をしましょう。
選任後は、未成年の代わりに特別代理人が遺産分割協議に参加し、必要書類に署名や押印を行います。なお、特別代理人の申立から結果が出るまでは、1ヶ月程度かかります。混在状況によっては、1ヶ月以上かかる可能性があるため、余裕を持って申請しましょう。
未成年が車を相続するときの手続き
未成年が車を相続する際、相続人全員を確定させた後に遺産分割協議を行い、相続することが決定したら必要書類を揃えます。必要書類を所定の場所に持参し、名義変更を行うと相続手続きは完了です。続いて、未成年が車を相続するときの手続きを紹介します。
相続人を確定させる
被相続人の遺言書がある場合、相続人は内容どおりの方です。しかし、遺言書がない場合は、遺産分割協議により決定した方が車を相続できます。遺産分割協議は、法定相続人全員が参加する必要があり、被相続人の以下が該当します。
第1順位:直系卑属(配偶者や子ども)
第2順位:直系尊属(父母)
第3順位:兄弟姉妹
そのため、未成年者が遺産分割協議に参加するケースは少なくありません。
また、上記の場合は被相続人の配偶者も遺産分割協議に参加する必要があり、利益相反行為になるため、法定相続人以外の特別代理人を選任して家庭裁判所へ申立をしましょう。
必要書類を揃える
被相続人の遺言書の内容や遺産分割協議の結果により、未成年が車を相続する場合は、通常の相続手続きに加えて、親の同意書や印鑑証明書などを揃える必要があります。
具体的な必要書類は以下のとおりです。
・被相続人の戸籍謄本 ※死亡した事実や相続人全員を確認できるもの
・遺産分割協議書 ※未成年者以外の相続人全員と特別代理人の実印を押印
・親権者の同意書
・親権者の印鑑証明書
・新所有者(未成年者)の戸籍謄本 ※親権者を確認できるもの
・新所有者(未成年者)の印鑑証明書もしくは住民票
・新所有者(未成年者)の実印 ※ない場合は親権者の実印
・車検証
・車庫証明書 ※保管場所に変更がない場合は不要
・OCRシート ※第1号様式
・手数料納付書
・自動車税申告書
また、利益相反行為により特別代理人を立てた場合は以下の書類も必要です。
・特別代理人の印鑑証明書
・特別代理人選任の審判書の謄本
・特別代理人の実印 ※手続きに出向けない場合は実印を押印した委任状
・譲渡証明書
特別代理人選任の審判書の謄本は、申立の審判が完了したら家庭裁判所から発行される書類です。相続手続き時に必要になるため、紛失しないよう管理しておきましょう。
所定の場所で相続手続きする
必要書類が揃ったら、新所有者が住んでいる地域を管轄する「運輸支局」で相続手続きをします。例えば、新所有者が板橋区に住んでいる場合、管轄の運輸支局は「練馬自動車検査登録事務所」です。管轄の運輸支局が不明な場合は、こちらから確認してみてください。
また、運輸支局の営業時間は「平日8:45〜16:00」です。手続きに出向けない場合、実印を押印した委任状を用意すれば、親族や知り合いなどの第三者に代行を依頼できます。車の手続きに精通しているディーラーや自動車販売店にも代行依頼が可能です。
まとめ
親権者の同意があれば、免許を取得していない未成年でも車の相続が可能です。また、被相続人の遺言書がなく、遺産分割協議を行う必要がある場合は特別代理人を立てる必要があります。特別代理人は、基本的に親権者が該当します。
ただし、親権者も相続人である場合は利益相反行為になるため、法定相続人以外の方を特別代理人に選任しなければなりません。法定相続人以外の方を特別代理人にする場合は、家庭裁判所で「特別代理人選任」の申立をしましょう。
なお、未成年が車を相続する場合は、通常の相続手続きの書類に加えて、親権者の同意書や印鑑証明書も必要です。利益相反行為になる場合は、特別代理人の印鑑証明書や実印も必要になるため、事前に漏れがないよう確認しましょう。
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