MR-Sは、MR2の後継車種として1999年10月から2007年7月まで販売されました。コンパクトなミッドシップスポーツカーとして人気を博しましたが、どのくらいの金額で中古車市場に流通しているのでしょうか。今回は、MR-Sの魅力を紹介するとともに、現在の相場と直帰の価格推移について解説します。
MR-Sとは
トヨタ MR-Sとは、1999年10月に販売を開始したコンパクトサイズのミッドシップオープンスポーツカーです。車種名のMR-Sは「Midship Runabout Sports」を意味しています。
MR2の後継車種としてデビューしたMR-Sは、車輌重量1t以下の軽量スポーツカーとして設計されました。ルーフには、ガラス製のリアウィンドウを採用したソフトトップを装備しています。また、オプションで脱着式のハードトップを設定していました。
エンジンは、座席すぐ後ろに1.8L直列4気筒DOHCを搭載しています。エンジンスペックは最高出力140ps/6,400rpm、最大トルク17.4kgm/4,400rpmと、パワフルではないものの、軽量なボディや重量物が前後輪(ホイールベース)の間に集中していることから軽快な走りが楽しめます。2000年には、日本初となるシーケンシャルトランスミッションを搭載したモデルが追加されました。
2000年6月にはモデリスタから150台の限定車「カセルタ」を販売。さらに、同年8月にはTRDと共同開発したコンプリートカー「VM180 TRD」を発売しました。続く2001年1月にはザガートが手がけた100台の限定車「VM180"ZAGATO"」を販売しています。
2002年にはトランスミッションを6速に変更。その後2007年に販売した特別仕様車「ファイナルバージョン(限定1000台)」を最後に生産を終了しました。MR-Sは、約8年にわたり販売され、1世代で幕を閉じたコンパクトサイズのミッドシップオープンスポーツカーです。
MR-Sの価格は高騰している?
MR-Sの価格は、直近2〜3ヶ月は目立って高騰していません。中古車販売サイトを確認すると、むしろ若干価格が落ちているグレードもあります。2020年頃に巻き起こった旧車ブームの影響は落ち着いてきたと捉えてもよいでしょう。
MR-Sの現在の買取相場
MR-Sの価格推移について解説しましたが、実際にどのくらいの値がついているのでしょうか。ここでは、2024年9月時点でのMR-Sの買取相場をグレード別に紹介します。
グレード |
トランスミッション |
買取相場 |
ベースグレード |
6AT/6MT |
5万~70万円 |
Sエディション |
6AT/6MT |
5万~180万円 |
Vエディション |
6AT/6MT |
5万~120万円 |
Vエディション・ファイナルバージョン |
6AT/6MT |
5万~170万円 |
新車価格が200万~250万円程度であったため、残価率は35~60%ほどです。20年以上前に発売されたモデルだと考えると、十分に高く評価されているといえるでしょう。
MR-Sを高く売るにはどうしたらよい?
MR-Sの買取相場を解説しましたが、より高く売却するためにはどういった点に注意したらよいのでしょうか。ここでは、MR-Sを売るにあたっておさえておきたいポイントを紹介します。
こまめにメンテナンスされている
隅々までメンテナンスが行き届いていると、査定時に高く評価されやすいです。売却を検討している場合は、エンジンオイルやクラッチなどのパワートレイン、タイヤやサスペンションなどの足まわり、キズ・へこみやフレームのサビなどのボディに不具合がないよう定期的に点検しておきましょう。
走行距離を抑える
走行距離が短いクルマのほうが、さまざまな機関や部品へのダメージが少ないとみなされて高く評価される傾向にあります。売却を検討しているのであれば、クルマの使用を最低限に抑えてなるべく走行距離を伸ばさないようにしましょう。
ただし、ワンオーナー車や、後述する限定モデルの場合には、走行距離が長くても高い価格で買取される場合があります。
コンプリートカーは希少性をアピール
2000年〜2001年にかけて、MR-Sをベースにしたコンプリートカーがモデリスタより3つ発売されています。「カセルタ(CASERTA)」、「VM180 TRD」、「VM180"ZAGATO"(ザガート)」です。いずれも台数が限られていることから、高値がつきやすい傾向にあります。売却時にその希少性をアピールすると、より高く評価されるかもしれません。
150台限定の「カセルタ(CASERTA)」
2000年に販売されたカスタマイズモデルの「カセルタ」は、大人のためのミッドシップオープン2シーターで、ラテンテイストを基調とするスタイリング、走行性能に対するこだわりが盛り込まれた限定車となっています。
ボディサイズは、全長4,040mm、全幅1,840mm、全高1,235mmと、ベースモデルよりも全長が155mm長く、全幅が145mm広くなったワイドなスタイリングが特徴です。また、縦長のヘッドライトや丸型のリアコンビランプなどエクステリアをオリジナルデザインへ変更。さらに、ラグジュアリー仕様を選べば、タンカラーの本革シートやドアトリムなどのインテリアが装備されます。
カセルタは希少な限定車で、流通台数が非常に少ないため、高値になりやすいでしょう。
100台限定の「VM180 TRD」
2000年8月に発売された「VM180 TRD」は、MR-SをベースにチューンナップメーカーのTRDとモデリスタが共同開発したコンプリートカーです。エアロパーツを装着してスポーティな見た目に仕上げたほか、最高出力を15psアップするなど、MR-Sの走行性能により磨きがかかりました。わずか100台しか製造されなかったため、中古車市場では希少価値の高いモデルとして評価されています。
100台限定の「VM180"ZAGATO"」
2001年に販売された限定車「VM180"ZAGATO"」は、イタリアのカロッツェリア(デザイン工房)のZAGATO(ザガート)が手がけた100台限定のカスタマイズモデルです。
ヘッドライトから回り込むフロントバンパー、3眼のヘッドライトユニット、縦型のリアコンビランプなど大胆で流麗なエクステリア、コーディネートされたインテリア、チューニングされたサスペンションなどが特徴です。
生産数100台のVM180"ZAGATO"は希少なモデルであるため、高値で取引される可能性が高いでしょう。
MR-Sを売るなら実績・知識豊富な業者へ
軽量かつコンパクトなミッドシップスポーツカーとして人気を博しているMR-S。価格は目立って高騰していないものの、多くのファンが存在することは事実です。売却する際には、その魅力や価値を熟知している買取業者に査定依頼し、適正な価格を算出してもらいましょう。特に限定モデルは、誕生の経緯や生産台数の少なさによる希少性を理解していないと、正しく査定できません。
MR-Sを売る際には、多くの買取実績をもち、豊富な知識を有する買取業者に依頼することをおすすめします。
なお、旧車王は20年以上経過した古いクルマに特化して買取事業を行っており、これまでにMR-Sをはじめとする多くのクルマを取扱った実績をもっております。ご売却を検討される場合には、ぜひ一度旧車王にお問い合わせください。