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MT車(マニュアル車)は、運転に慣れるまでが大変です。ただ、コツさえ掴んでしまえば、スムーズに上達します。そこで今回は、MT車の「発進」「停止」「ギアチェンジ」「坂道発進」の4つについて解説します。
MT車(マニュアル車)の発進手順
MT車を発進させるときは、次の手順で行います。
【1】座席・ミラー調整
まず、運転席に座ったら、座席やミラーを調整します。それぞれの調整のポイントは次のとおりです。
・座席:クラッチペダルをいっぱいに踏み込んだときに膝が少し曲がるくらいの前後位置、ハンドルを持ったときに肘が少し曲がるくらいの背もたれの角度に調整する
・ミラー:目線を動かしたときの見え方が次のとおりになるよう調整する
ルームミラー バックガラス全体がミラーに入るように調整
ドアミラー 内側の縦4分の1に自分のクルマの車体が写り、ミラーの上下は半分が路面になるように調整
【2】エンジン始動
エンジンを始動させるときは、次の手順で行います。
1.パーキングブレーキ(サイドブレーキ)がかかっていることを確認する
2.左足でクラッチペダルをいっぱいに踏み込む
3.右足でブレーキペダルを踏み込む
4.ギアをニュートラルにする
5.両足でペダルを踏んだままエンジンをスタートさせる
エンジンがかかったら発進準備をします。
【3】発進
発進の手順は次のとおりです。
1.ギアをローギア(1速)に入れる
2.パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を下ろす(解除する)
3.ブレーキペダルからアクセルペダルに踏み換える
4.軽くアクセルを吹かしてクラッチを徐々に戻す
5.半クラッチ(クラッチミート)の部分でクラッチを戻す動作を一旦停止する
6.クルマの速度が乗ってきたらクラッチを戻す動作を再開してクラッチを繋げる
MT車(マニュアル車)の停止手順
MT車では、停止するときにもポイントがあります。クルマを停止させるときは、次の手順で行います。
1.ブレーキペダルを踏んで減速する
2.エンストする直前にクラッチペダルを一気に踏み込む(このときブレーキペダルを踏み続けたままクラッチペダルを踏み込む)
3.ブレーキペダルの踏力を調整して停止させる
MT車を停止させるとき、まずはブレーキで減速しましょう。よくあるNG例は、エンストするのを恐れて先にクラッチペダルを踏んでしまうことです。
先にクラッチペダルを踏んでしまうとエンジンブレーキが利かなくなり、制動距離が長くなってしまいます。クルマを減速させたり停止させたりするときは、エンジンブレーキとブレーキの両方を有効に使って速度を落としたり止めたりしましょう。まとめると、先にブレーキペダルで減速して、エンスト間際にクラッチペダルを踏み、ブレーキペダルの踏力調整で停止させるという順番です。
MT車(マニュアル車)の運転のコツ
MT車を運転する際には、発進するときや加速するときのコツを掴んでおくことが大切です。ここでは、MT車の運転のコツを3つ紹介します。
MT車(マニュアル車)のクラッチペダルの操作のコツ
クラッチペダルは、動力を繋げたり切ったりする「クラッチ板」を操作するペダルです。動力の伝達を調整するクラッチペダルの操作は、「繋げるとき」と「切るとき」で異なります。
クラッチを繋げる(クルマを動かす)ときは、クラッチペダルをいっぱいに踏み込んだ状態からペダルを戻します。ただし、いっぱいに踏み込んだクラッチペダルを、ペダルの反力を使ってポンッと一気に戻してしまうとエンストします。そのため、クラッチペダルを戻すときは、クラッチミートするポイントを探しながら少しずつ戻すのがポイントです。
クラッチを切る(動力の伝達を切断する)ときは、クラッチペダルを踏み込みます。クラッチを切るときは、一気に奥までスパッと踏み込んで動力を切断します。
MT車(マニュアル車)のギアチェンジのコツ
MT車では、ギアチェンジも運転者が行わなければなりません。ギアチェンジのポイントは、次のとおりです。
1.発進してクラッチを繋げた状態(クラッチペダルから足を離している状態)でアクセルを踏み込んで加速する
2.エンジン回転数とともに速度が上がってきたらアクセルペダルを素早く戻すと同時にクラッチペダルを一気に踏み込む
3.ギアを1段上げ半クラッチの位置までクラッチペダルを戻す
4.クラッチが繋がり始めるポイントからアクセルペダルを徐々に踏み込むとともにクラッチペダルを戻す
ギアチェンジはクルマの速度を上げてから行いましょう。加速不良の状態でギアチェンジすると、エンストしたりノッキングしたりするため注意してください。
また、3から4の工程をあまりゆっくり行うとクラッチが摩耗してしまう可能性があるため、その点も気をつけましょう。
MT車(マニュアル車)の坂道発進のコツ
MT車の運転において難関ともいわれるのが坂道発進です。坂道発進では、平坦な道よりもより強い駆動力が必要なため、難しく感じる方も多いようですが、半クラッチとアクセルの調整ができれば、難しくはありません。
一般的な坂道発進の方法は次のとおりです。
1.上り坂の途中で止まる
2.パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を強く引き逆行を防ぐ
3.半クラッチの状態を作る
4.半クラッチで作った前進する駆動力を強くするためにアクセルを軽く踏み込み、クラッチペダルをわずかに戻す(このときにエンストしないように注意する)
5.強い駆動力の状態を維持したままパーキングブレーキ(サイドブレーキ)を慎重に下ろす
※パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を急に下ろすと強い駆動力によって急発進する恐れがあります。
また、MT車の運転に慣れると、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を使わなくても坂道発進ができるようになります。
そもそもMT車(マニュアル車)とは
MT車(マニュアル車)は、速度に応じてドライバーがギアを変えて速度調整をしながら運転するクルマです。
右手でハンドル、左手でシフト操作、右足でアクセルペダルまたはブレーキペダル、左足でクラッチペダルを操作するため、両手両足を使ってクルマを動かします。
▼MT車(マニュアル車)に関する詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
MT車(マニュアル車)とは?特徴や注意点などを解説
MT車(マニュアル車)のメリット・デメリット
MT車(マニュアル車)は、メリットとデメリットがあります。主なメリットとデメリットは以下のとおりです。
【メリット】
・クルマとの一体感を楽しめる
・誤発進のリスクが低い
・エンジンブレーキが効きやすい(速度調整がしやすい)
など
【デメリット】
・発進時の操作が複雑
・渋滞時の疲労が大きい
など
▼詳しくはこちらの記事にて解説していますのであわせてご覧ください。
MT車(マニュアル車)のメリットとは?デメリットはある?マニュアル車がおすすめな人も解説
まとめ
MT車の運転には、クラッチペダルの操作、アクセルペダルとの調和、減速・停止時のブレーキペダルとクラッチペダルの順番など、さまざまなポイントがあります。これらのポイントを重点的に練習すると、スムーズに運転できるようになります。MT車を運転する際は、クラッチが繋がる部分、アクセルペダルやブレーキペダルの操作をしっかりと練習しましょう。
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