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愛車との付き合い方は千差万別である。
多くのユーザーは購入したクルマを一定期間乗って買い替える、いわば「消耗品感覚」で接していることが大半である。
最近では、カーシェアやレンタカーを利用することで、愛車を持たないスタイルも出てきている。
この記事を読んでくださっているクルマ好きの皆さまは、愛車を文字通り「愛している」に違いない。
■1.旧車オーナーに増えている複数台所有の現状
愛車との時間を長く、より密に、すべての情熱を注ぎたいと思っているだろう。
そして旧車に関しては「不必要な消耗」を減らしたいというのが本音だと思う。
通勤や買物といった日常使いの多くは「不必要な消耗」と考えても良いと思っている。
無駄に(あえてこのように表現するが)増えてしまう走行距離、買物先での駐車中のトラブル・・・などなど。
現行車にとって、これらは大きなリスクにはならないが、旧車にとってはそうではない。
近年では外装部品はもちろん、走行に必要な部品も入手困難になっている車種も発生している。
そんな環境のためか、旧車オーナーのあいだでは複数台所有の方が増えているそうだ。
今回実際に複数所有オーナーたちの話も交えメリット•デメリットを紹介していきたい。
■2.メリット:気分や目的に合わせて選べる!
多くの複数台所有オーナーは、違う車種やジャンルのクルマを所有していることがほとんどである。
・走りを楽しむクルマ
・快適に出かけるためのクルマ
・アウトドアレジャーを楽しむクルマ
・お買い物や通勤と機動性の高いクルマ
・・・などなど
筆者の周りにいる複数台所有のオーナーはそれぞれ好みの車種選定を行っているため、その日の目的や気分に合わせて選び出かける楽しみがある。
ごく稀に、同一車種や同一ジャンルのクルマを複数台所有するオーナーもいる。
すべて同じクルマだと一般ユーザーからは思われることもあるそうだ。
しかし実は、ミッションやエンジンなど仕様が異なっているため、オーナーはその日の気分で選び、違いを楽しみ乗っていることもあったりする。
これはかなりのツワモノである(笑)。
■3.メリット-1:クルマとおサイフへの負担を分散
一台のクルマで通勤、買い物、レジャーと使用していた場合、自ずと走行距離は増えてしまう。
特に通勤で使用すると、驚くほど走行距離は増えていく。
ハイオク指定や、燃費の悪いクルマに乗っているとガソリン代とダブルパンチだ。
筆者の友人がスポーツカーばかり所有していたとき、その一台でサーキット走行から買い物、アウトドアレジャーまですべての用事をこなしていた。
燃費があまり良くなく、高速を使用しても燃費は10km/Lに届かないと聞いて驚いたことがあった。
さすがに燃費の悪さと消耗品の交換頻度を考慮して、中古の軽自動車を導入した。
驚いたことに、中古の軽自動車を導入した結果、浮いたガソリン代で維持費が賄えたとのことだった。
元々運転が好きな友人なので、購入した軽自動車はMTを選択し、操る楽しさも妥協せずガマンしないカーライフを送っている。
■4.メリット-2: 壊れた時の救世主⁉自己代車利用
旧車オーナーにとっての悩みは愛車の急な故障だったりする。
故障とまではいかなくとも不調がある場合、無理に動かし悪化はさせたくないものだ。
過保護でなくとも、気候によっては稼働させたくないこともあると思う。
だからといって、カーシェアやレンタカーが普及したとはいえ、都度借りるのは面倒であり、急用の際は手間が気になる。
しかし、愛車が増えることにより、不安や手間もなんと解消されるではないか!
急な故障だけでなく、長期にわたる大がかりなレストアや修理の際も代車を用意してもらう必要もない。
「余計な心配をせずに作業に専念できること」は、旧車趣味を楽しむオーナーにとっては実は大事なことだと筆者は思う。
■5.デメリット-1:クルマの数だけ増える備品
クルマの備品のなかで1番かさばるものは何か?と考えた際、真っ先に思い浮かぶのはタイヤである。
多くはスタッドレスタイヤだったり、サーキット走行を楽しむ人は走行用のタイヤだったりする。
筆者の場合、スタッドレスタイヤが3台分あるため、置き場所をどうにか工面している。
旧車オーナーとしてはストックパーツを持っている方も多いかと思う。
周りにいる旧車オーナーは多かれ少なかれ何かしらのパーツを保管していると聞く。
小物もあれば外装パーツといった大物部品もあり、予防整備で交換した際に元々装着されている部品を予備として残しておくケースもある。
メインの愛車だけで済めば良いのだが、複数台所有しそれぞれの部品が増えだすと置き場所で困るのは筆者の実体験である。
部品単体で置いておくと邪魔で仕方ないため「動く部品取り」としてもう一台同車種を所有する友人がいる。
しかし友人はその車種が好きでたまらないので、結局は「動く部品取り」もきれいにしてしまったのである(笑)。
■6.デメリット-2:乗るのに準備が必要!?
所有する愛車を自宅に置くことができる環境であれば理想的だ。
屋根付きガレージであればベストだろう。
さらに、並列に駐車できる環境であれば最高だが、なかなかそこまでの条件をクリアするのは難しいことも多い。
一軒家で自宅に複数台止められるお宅でも、縦列で止めるスタイルが多いと思う。
その場合、乗りたいクルマを出しやすいように並べ替えが必要になる。
また、駐車場を借りている場合は入れ替えに行かなくてはならない。
乗る頻度が少ない場合、保護のためのボディカバー、バッテリー上がりを防ぐためにバッテリー端子を外す対策も必要になる。
この手間に関して一番の解決策は、日頃こまめにローテーションで乗ることである。
■7.まとめ:あると便利で心強い存在!
旧車オーナーにとって一台の愛車に全力で愛情を注ぐことは素敵なことだと思う。
その愛車と末永く過ごすためにも、さらに愛車を増やすことで、一台にかかる負荷を分散させるメリットがある点をご理解いただければ幸いである。
実は筆者自身、最近新たに軽自動車を手にすることになった。
旧車といえる年代の軽自動車だが、この機動力の高さに驚いている次第だ。
一般的に複数台所有は理解されがたいこともあるが、可能であれば新たなクルマの楽しみや驚きにも触れられるので、ぜひおすすめしたいと思っている。
[画像・AdobeStock/撮影&ライター・お杉]