環境規制に適合しつつ、圧倒的なハイパフォーマンスを誇ったスカイライン 2000GTターボ。5代目スカイラインの追加モデルとして、当時の日産が満を持して投入しました。
性能面で遅れをとっていた5代目スカイラインの評判を一気に挽回した、スカイライン 2000GTターボについて詳しく振り返ってみましょう。
「ジャパン」の愛称で呼ばれた5代目スカイライン
スカイライン 2000GTは、5代目スカイラインの上位モデルとして1977年に登場しました。「日本の風土が生んだ名車」としての誇りを込めた「SKYLINE JAPAN」の名を冠していたことから、世間では「ジャパン」の愛称で親しまれるようになります。
しかし、実はフルモデルチェンジを行った1977年にはラインナップにターボモデルはありませんでした。5代目スカイラインの真打ちともいえる、スカイライン 2000GTターボの誕生について振り返ってみましょう。
GT-Rの再来と呼ばれたスカイライン 2000GTターボ
スカイライン 2000GTターボがラインナップに追加されたのは、マイナーチェンジを行った翌年の1980年です。5代目スカイラインでは高性能グレード「GT-R」が設定されていなかったため、ターボモデルの追加はGT-Rの再来を感じさせました。
また、前年のマイナーチェンジで大きく変更された外観も、スカイライン2000GTターボの魅力をより際立たせています。歴代スカイラインで受け継がれてきた丸目4灯のヘッドライトを、現代的で洗練された角目2灯に刷新。性能、デザインともに国産最高峰のGTカーと呼べる存在でした。
日産3車種目のターボ車として充実したラインナップ
スカイライン 2000GTターボは、日産にとって3車種目の量産ターボ車です。しかも、量産車としてはターボチャージャーはまだ特別な存在でしたが、一部のスポーツモデルだけでなく幅広いラインナップが用意されます。特に、AT車にターボを搭載したのは、国産車で初めての試みでした。
まず、セダンとハードトップの2タイプのボディを用意し、それぞれGT-E、GT-E L、GT-E・X、GT-E・Sの4グレードを設定。合計8モデルもライナップしたところから、日産にとってスカイライン 2000GTターボが重要だったことがわかります。ターボの高い性能を存分に発揮するのは、2ドアハードトップのスポーツグレードGT-E・Sですが、さまざまなユーザーがスカイライン 2000GTターボの力強い走りを堪能しました。
燃費とハイパフォーマンスを両立
スカイライン 2000GTターボは、高出力だけでなく「低燃費」「低公害」も掲げていました。当時世界一厳しいといわれた昭和53年(1978年)の排ガス規制が施行されるなど、時代背景として環境性能は重要なポイントだったためです。実際、5代目スカイラインに当初高性能モデルが投入できなかったのは、排ガス規制への対応が難しかったことも一因といわれています。
「“省燃費”と“高性能”を両立させた夢のエンジニアリング」というキャッチコピーで、日産はターボの魅力をアピール。従来捨てていた排気ガスの圧力を高出力化に利用するターボエンジンは、環境性能との両立を図るうえで理想的な機構でした。
圧倒的な個性を放っていたスカイライン 2000GTターボ
直接のライバル車だったトヨタ セリカが、「名ばかりのGT達は、道を開ける。」というキャッチコピーを掲げるほど5代目スカイラインは性能面で水をあけられていました。しかし、ターボ車の登場で、スカイラインは本来の輝きを取り戻します。
当時の大人気ドラマ「西部警察」にも登場した、スカイライン 2000GTターボの魅力をみていきましょう。
レーシングカー開発の経験がフィードバックされたターボ
スカイライン 2000GTターボのエンジンが高性能だったのは、日産が開発にあたっていたレーシングカーR383の技術が盛り込まれていたためです。自然吸気だったL20E型エンジンにターボを搭載したL20E-T型エンジンは、最高出力145ps、最大トルクに至ってはライバルのセリカを圧倒的に凌駕する21.0kg・mを発揮します。
点火時期を最適化する電子制御式のノックセンサーや専用設定のニッサンEGI(電子制御燃料噴射装置)など、先進の技術が注ぎ込まれていました。
スパルタンな印象のインパネがかっこいい
インパネとメーターパネルは、スカイライン 2000GTターボ用に刷新されました。デザイン上の最大の特徴は、水平ゼロ指針に統一された各種メーターです。速度計や回転計に加えて、ターボ搭載モデルであることを象徴するブースト計などの4つのメーター全てが水平ゼロ指針で整然と並ぶデザインは、よりスパルタンな印象を演出しています。
西部警察の劇中車として登場
スカイライン 2000GTターボの話題として外せないのが、当時の大ヒットドラマ「西部警察」の劇中車として登場した特別車です。マシンXと呼ばれたこの車輌には、渡哲也のこだわりが詰まっています。犯人追跡用のペイント弾発射装置やリモコン操作可能な大型サーチライトなどの劇中の特別装備だけでなく、カンパニョーロ製スカイライン専用ホイール、レカロシート、ナルディステアリングを装備し、単純なカスタムカーとしても高い完成度を誇っていました。
「ジャパン」のなかでも人気の高いターボシリーズ
モデルチェンジ当初は高性能車を投入できず、不遇だった5代目スカイラインジャパン。しかし、スカイライン 2000GTターボの登場によってライバル車の挑発や世間の評価をひっくり返しました。現在でも高い人気を誇る旧車の1つで、旧車王でも、2ドアハードトップの2000ターボGT-E・Sを280万円で買取しました。2000GTターボは西部警察の劇中車だったというだけでなく、旧車としても高い価値のあるモデルといえます。
ただし、発売から40年以上が経過したクルマのため、市場での流通量は年々減少している点に注意が必要です。流動性の低い車種は正しく査定されないこともあるため、売却する際は旧車専門の買取業者に相談することをおすすめします。
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