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筆者には愛してやまない3歳の甥っ子と生後7ヶ月の姪っ子がいる。
最近、少し落ち着いたが、誰に似たのか、甥っ子はクルマが大好きだ。
現行車の名前はもちろん、旧車王ヒストリアで扱う年代(彼にとっては、本当の旧車なのだと気づき、感慨深くなってしまった)でも知名度の高い車種はわかるようになってきた。
現行車であるが、ジムニーシエラ、フェアレディZのカタログをプレゼントした。
そしたら、各ページの謳い文句を暗記。
グレードも判別ができるようにまでなっていた!
おっと、甥っ子の話は今回の本題ではないので、ここまでにしよう(笑)。
そんな甥っ子、姪っ子とクルマで出かける際の必須アイテムのひとつがチャイルドシートである。
今回は、筆者所有の旧車にチャイルドシートを装着した経験から、読者の方々に少しでも情報共有ができればと思う。
■同じに見えるチャイルドシート、実は取付方法にも種類が!
筆者が所有する「愛車たち」の生産された年代は、1992年〜2002年式と、10年くらいの幅がある。
それぞれの愛車を見比べると、この10年という期間において、クルマの進歩は目覚ましいものがある。
そのなかのひとつが、安全性能であり、チャイルドシートに関連する機能の進化だ。
チャイルドシートの固定方法については、大きく分けて3種類ある。
まず、現代の主流であるISO-FIXタイプ。
現在販売されているクルマは、ISO-FIXという規格にて簡単に取り付けが可能となっている。
シートの座面と背面の間に固定用のバーがある。
対応したチャイルドシートは、ワンタッチでバーに固定することができる。
確認方法としては、取り付け位置付近にマークが設置されている。
2つ目はALR(自動ロック)付きELR式シートベルトタイプ。
シートベルトを最大限に引き出した後、戻していくと引き出し方向へはロックされる構造となっている。
チャイルドシートを固定する際、緩みを少なく装着することができる。
確認方法としては、上記のようにシートベルトを操作して確認することである。
車両によっては説明が書かれている場合もある。
3つ目はELR式シートベルトタイプ。
従来からある、急ブレーキ時にロックするタイプである。
運転席のシートベルトと同様の構造とイメージしていただければ分かりやすいと思う。
このタイプの場合、チャイルドシートメーカーから、固定用の金具がオプションで用意されている。
固定用金具については、使用するチャイルドシートに合うものの確認を行っていただきたい。
これらクルマ側の仕様に合わせ、取り付け可能なチャイルドシートを選ぶ形となる。
■同じクルマでも年式で取り付け方法が違う⁉
ここまでは、チャイルドシートの取り付け方について紹介した。
同じ車種でも、取り付け方が異なるパターンもある。
ここからは筆者の体験を交えて、説明したいと思う。
まずは、筆者の愛車であるU14型ブルーバードを例に挙げてみよう。
U14型ブルーバードは96年1月にデビューをしている。
筆者の愛車は98年4月登録の車両である。
前述のALR付きELR式シートベルトが装着されている。
しかし、96年式では、ELR式シートベルトとなる。
同一モデルでも、マイナーチェンジで安全性能がアップデートされているのである。
このような違いは、よほどのマニアでも知らないと思う(笑)。
実は、筆者の親族が96年式のモデルを所有している。
その車両にチャイルドシートを装着しようとした際、ALRの自動ロック機構がないことに気がついた。
もう一例として、T30型エクストレイルを例に挙げる。
筆者が所有しているのは、2002年式モデルである。
購入後に甥っ子が生まれ、改めて車両を確認した。
てっきりISO-FIXが装着されていると思っていたが、確認した際に装着されていないことを知った。
ALR付きELR式シートベルトは装着されているため、ブルーバード同様にチャイルドシートは装着できる。
2002年当時はまだ、ISO-FIXはメーカーオプション(工場装着オプション)の扱いとなっていたのであった。
ちょうど過渡期の時期に登場したモデルでは、このようなケースもある。
過去、クルマに詳しくない友人から、相談を受けたことがある。
「ISO-FIXのチャイルドシートを買ったけど、自分のクルマに付くのかな?」
その結末はそのことについてまとめた。
■現代主流のISO-FIX、旧車にもあるのか!?確認方法とは?
友人は、2000年代初頭のミニバンに乗っていた。
チャイルドシートを購入する際、車名と年式で調べ、ISO-FIXという単語と装着事例を見たようだ。
購入後、いざ車両に装着する段階で、ISO-FIXが車両に無いことに気が付いたのだった。
これも、ISO-FIXがまだオプション設定のクルマだったため、起きたハプニングであった。
結果としては、チャイルドシートは装着可能なモデルに交換してもらえたそうだ。
過渡期のモデルでは、今回のようなパターンが実際にある。
では、車両に装着されているかの確認方法を説明したいと思う。
多くは後席の座面と背面近辺に「ISO-FIX」を明示する、マークやタグが装着されている。
過渡期世代の明示については異なることもあるため、各車の取扱説明書にてご確認いただきたい。
■いざ取付け!しかし思わぬ落とし穴も
ここまで、旧車にチャイルドシートを取り付けるための説明をまとめてきた。
では、実際に取り付ける段階になるのだが、ここで思わぬ落とし穴が!
チャイルドシートを車両に乗せると、意外と大きいことに驚く。
着座姿勢で装着する場合では、大人と同じ一席分で収まる。
しかし、0歳児用のチャイルドシートは、背もたれを寝かせてベッドスタイルにする。
このベッドスタイルが予想外にスペースを取ることを、装着して初めて知ったのだ。
姪っ子用に購入したチャイルドシートは、ベッドスタイルにした際、左右方向に寝かせるスタイルだ。
リアシートに装着したところ、中央席分のスペースも使用するほどのスペースを要したのだ。
5名乗車出来るクルマだが、4名しか乗れなくなってしまったのだ。
前後、左右方向に余裕のある車両なら問題はないだろうが、旧車世代は車内スペースがタイトな場合が多い。
そのことも考慮し、購入を検討する際はぜひ販売店で試着させてもらうことを強くお勧めする。
■まとめ:必要になる前にクルマの機能とチャイルドシートの種類を理解しておこう
クルマの機能とチャイルドシートの種類をよく理解すれば、多くの旧車世代車両にも装着は行える。
但し、くれぐれも誤った装着とならないよう、万全の確認をしていただきたい。
筆者含め、旧車に乗りつつ次世代のクルマ好きを皆さんと一緒に育てていきたいと思うばかりだ。
[ライター・撮影/お杉]