中古車を購入後の点検について具体的にどうすればよいかわからない人も多いでしょう。中古車は新車とは異なり、経年劣化による部品交換や車両ごとの状態で不具合が発生する可能性があるため、定期的に点検しておくことが重要です。今回は、「中古車は定期的な点検が必要」「中古車の点検の依頼先」「日常の中古車点検のポイント」などについて解説します。中古車の点検について検討中の人は参考にしてください。
中古車は定期的な点検が必要
中古車は定期的な点検が必要です。中古車は以前の所有者が使用しており、経年による劣化や走行・保管状態により消耗品の交換や調整などが必要な場合があります。また、納車時に販売業者が点検を行っている場合でも、どのような点検を行っているか詳しく知っておく必要もあるでしょう。販売業者が行う法定整備の有無についてはプライスボードに明示されています。
納車時に「法定整備無し」で購入した場合は、中古車保証があっても必要最低限の点検整備のみ行われていると考えた方がよいでしょう。法定整備は国土交通省が定めた定期点検のことで、国の認証を受けた整備工場で実施されます。車の安全走行に支障が出る状態かどうか判別してくれるため、中古車購入時には有償でも受けておくことをおすすめします。
また、納車後の中古車についても定期的に法定点検を受け、1ヶ月に1回以上の日常点検はかかさないようにしましょう。走行中の車にトラブルが発生すると、乗員や歩行者に甚大な被害が出ることも想定されます。安全に中古車を使用するためには定期的な点検は必須です。
中古車の点検の頻度
中古車の点検の頻度は、「日常点検は1ヶ月ごと」「法定点検は1年ごと」です。日常点検は任意で行うとはいえ、法定点検と同じくドライバーの義務であると法律が定めています。点検を怠ったときの罰則はないとはいえ、命を守るために必要な未然のトラブル防止策として意識しましょう。
中古車の点検の依頼先
中古車の点検の依頼先について詳しく解説します。
ディーラー併設の整備工場
ディーラー併設の整備工場は国土交通省に認められた指定工場のため、すべての点検整備が可能です。メーカーが有する情報や純正部品をスムーズに確保できる環境であるため、メーカー保証やリコール対応なども安心して任せることができます。ただし、費用が他の依頼先に比べて高い傾向にあるうえに、純正以外の持ち込み部品の取付けを受け付けてくれない場合があります。
一般の整備工場
一般の整備工場は全メーカーに対応しているうえに、比較的安価で整備を受けることができます。整備に関する経験や知識も豊富なことが多く、整備工場ごとの特徴が合えば心強い業者といえるでしょう。ただし、整備工場ごとに得意分野は異なるため、事前に情報収集しておく必要があります。
カー用品店
全国チェーンのカー用品店は年末年始でも営業している店舗が多く、オリジナルブランドのオイルやタイヤを低価格で販売するなど利用しやすいことが特徴です。ただし、複雑な技術が必要とされる箇所については知識や情報が限られているため、修理や整備内容によっては受け入れてくれない可能性があります。
ガソリンスタンド
給油で訪れることが多いガソリンスタンドでも、車検や点検整備に力を入れる大型店舗が増えつつあります。キャンペーンによるポイント付与や割引の利用もしやすいため、利便性が高いのが特徴です。しかし、取扱いできる整備内容は少なく、受け付けてから外注に出すこともあるため費用やサービス内容は事前に確認しておきましょう。
中古車の点検項目
中古車の点検項目について以下にまとめています。
エンジンオイル
汚れや減少がないかをチェックしましょう。水平な場所で車のエンジンを切り、エンジンルーム内のオイルレベルゲージで確認します。前回の交換時期についてはステッカーなどで明示されていることが多いため、オイルフィルターの交換時期についても確認しておきましょう。
タイヤ
溝の深さや偏摩耗、損傷がないかチェックしましょう。偏摩耗がある場合はタイヤローテーションやアライメント調整が必要な可能性も考えられます。空気圧のチェックは1ヶ月に一度が目安のため、同時にタイヤ関連の点検も行うとよいでしょう。
ブレーキオイル
ブレーキオイルの分量や劣化具合をチェックしましょう。ブレーキオイルが不足したり劣化すると、走行時に大きな危険が及ぶ可能性があります。4年ごとが交換時期の目安となるため、車検時の点検で必要に応じて交換してもらうとよいでしょう。
エアクリーナー
エアクリーナーはエンジンに異物や埃を侵入させないためにあります。目詰まりするとエンジン性能が低下するため、汚れがひどい場合は交換しましょう。2万kmもしくは2年ごとの交換が目安です。
エアコンフィルター
エアコンフィルターは車内への埃や花粉の侵入を防ぎます。汚れが溜まることでカビが発生して異臭の原因となり、さらにエアコンの効率を低下させるため中古車購入時に新品に交換するのもよいでしょう。
日常の中古車点検のポイント
日常の中古車点検を自分で行う場合のポイントについて詳しく解説します。
点検頻度........1カ月に一度(長距離や高速走行、雪国に行く予定があるときは随時)
①エンジンルーム内を点検
ウィンドウォッシャー液、ブレーキオイル、バッテリー液、エンジンオイルの分量を確認
②車の周囲を回って点検
タイヤ........空気圧や亀裂・損傷・異常な摩耗、溝の深さを確認
ランプ類........点灯・点滅状況、レンズの汚れや損傷がないか確認
③運転席で点検
ブレーキペダル.......踏みしろやブレーキの利きに異常がないか確認
パーキングブレーキレバー........引きしろに異常がないか確認
ウィンドウォッシャー........噴射状態を確認
ワイパー........拭き取り状態を確認
エンジン........かかり具合や異音、走行時に低速や加速の状態を確認
車検と点検の違い
車検のときに法定点検整備も一緒に受ける人が多いため、混同してしまうケースが多いのが現状です。車検は公道を走行するために安全上問題がないかチェックする制度で、法定点検は自家用車であれば1年ごとに27項目、2年ごとに57項目の点検を実施します。
車検はあくまでチェックが主体となり、検査基準をクリアしていれば将来的に交換が必要な部品があってもそのままで問題ありません。対して、法定点検は不備があった箇所はすべて整備し、将来的に交換が必要な部品もチェックするため、安全に車を走行させる上で車検よりも重要な点検といえるでしょう。
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