旧車の市場価格が高騰しています。これまでは一部のマニア向けの自動車とされてきましたが、メーカーによっては一度生産を終了した部品の再販売を行うなど、近年は日本国内でも旧車ブームが再来しているといえるでしょう。ネオ・クラシックカーや絶版車といった用語も目にすることが多くなりましたがそれらはどう違うのか。今回は旧車や絶版車を購入や売却するときのポイントについて解説していきます。
旧車と絶版車の違い
旧車とは、数十年前に生産された自動車のことです。定義としては曖昧で年式やモデルによって様々な解釈が存在しており、明確な線引きは存在しないといえます。比較的新しい年式のモデルがネオ・クラシックカーと呼ばれていますが、一般的にそちらは1980〜90年代に製造された自動車が対象となります。こちらも広義では旧車と呼べるでしょう。
一方、混同されやすい言葉として絶版車があります。絶版車とは、メーカーが生産や販売を終了したモデルのことです。もともとは書物で重版されなくなり印刷原版が廃棄された状態のものが絶版といわれますが、その言葉が自動車用語としても使われています。基本的には売上が伸びず商品として打ち切られたものが対象といえます。
旧車を選ぶ際に押さえておきたいポイント
続いて旧車を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説していきます。
度重なる修理が必要となる可能性がある
旧車は、製造からの年数を経ているために一台ごとにコンディションが大きく異なります。良い状態の車両が手に入っても経年劣化や摩耗による部品交換、大規模なレストアが必要になる事例も多いです。
レストアとは、簡単にいえば普通に乗れるように修理することです。状況に応じて部品単位まで分解して清掃や洗浄、再組立てを行い劣化や破損した部品の交換を行う作業といえます。中には交換が必要な部品が流通していないため手作業で作り出すこともあります。
将来的に高騰しそうな車を選ぶのも1つの方法
旧車は需要があれば価値が高騰します。最近では米国の25年ルールの影響でスポーツカーの相場が大幅に跳ね上がりましたが、数十万円で購入した中古車が10倍の価格で売却に至るケースもありました。
旧車は、税金やメンテナンス費用等の維持費もかかりますので投資目的で購入するのは難しいところもあります。一例として、大排気量のモデルは今後のガソリン車の製造縮小によって一部のモデルでは高騰していく可能性も考えられます。
旧車の取扱いに慣れている業者を選ぶ
旧車は現代の技術とは大きく異なる仕様も多く、一般的な販売店や修理工場では対応が難しいと考えるべきです。パーツ自体がメーカー廃番となっていることの方が多いので、その仕入れ先や製造の有無などについても配慮しなければばりません。
旧車の取扱いに慣れている業者は独自のルートや技術を有しているため、購入した後に必要なメンテナンスやレストアの相談にも乗ってくれます。また、モデルごとの弱点を把握していることが多いので、購入時の不安点を解消してくれるなど頼りがいのあるパートナーといえるでしょう。
購入後もメンテナンスをかかさないことが大切
旧車は、一般的な中古車とは異なります。その時代の仕様に準じた消耗品の交換サイクルを遵守したり、劣化や破損しやすい部品を予め探しておくなどの対応も必要となります。また、乗り方にもそれぞれにルールがあるのでそれを把握しておくことも大切といえます。
80年代以前のMT車であれば、ノッキングさせないように適切なエンジン回転数に合わせてシフト操作を行わなければ異常燃焼が起こる原因となります。他にも暖気運転や暖気走行の使い分けで走行時のウォームアップを徹底することも重要といえるでしょう。
絶版車を選ぶ際に押さえておきたいポイント
新車は高くて購入できなかったが、今なら購入したいという方もいるでしょう。絶版車を選ぶ際に押さえておきたいポイントについて解説します。
年式が新しいものは価格が高め
絶版車は、年式の新しいものは価格が高めです。中古車として高年式ということもありますが、絶版車はその性質上流通量が少ないケースが多く、新車を購入することができなかった方が後から求める特需が発生して相場が高くなることもあります。
これから人気が出そうなものを購入するのも1つの方法
絶版車は、中古車で高騰する可能性があります。流通量が少なくて人気が高くなりそうなモデルを購入すると、手放す際の買取価格も高くなり新たに購入する自動車の資金として十分なものが確保できることもあるでしょう。希少性や今後の法規制を考慮しながら、大排気量エンジン搭載車やMT仕様車を狙うのも1つの方法です。
認定中古車なら良い車が見つかりやすい
認定中古車とは、JAAAやJAAIなどの第三者機関を通じて品質を保証し、各メーカーが独自の基準を設けて規定の点検整備を行い保証付きで販売される中古車です。旧車では設定はありませんが、比較的高年式の絶版車であれば選択が可能です。一定以上の品質が保証されているので安心して購入できます。
旧車・絶版車を売るときのポイント
旧車や絶版車を売るときのポイントを解説します。売却を検討している方は参考にしてみてください。
旧車・絶版車の買取が得意な業者に相談する
旧車や絶版車の買取は専門の業者に相談することをおすすめします。旧車を専門に扱う業者は査定の制度が高く、人気の車種にも理解があります。販売に適さない状態の車でも、レストアにかかる費用の算出や部品取りといった手法を持っているため、価値に見合った価格を付けてくれる可能性が高いでしょう。
こまめなメンテナンスをかかさない
旧車や絶版車は、状態により価値を大きく左右します。より良い状態を維持するためにはこまめにメンテナンスすることが重要です。エンジンやミッションのオイル、ラジエーター液といった消耗品はもちろんのこと、劣化した部品の交換などは早めに行うことで大きな状態異常を回避できます。小さな部品の破損が大きな損傷につながるケースもありますので適切な対処が必要です。
社外パーツは取り外した方が高く売れる場合もある
旧車や絶版車は、製造から長い年月が経過していると純正パーツが手に入らないこともあり、社外パーツに頼るケースが多いといえます。レストアの一環として利用している場合は問題ない可能性もありますが、ドレスアップやチューニングのための社外パーツは車の価値を下げてしまうこともあるので注意が必要です。
専門の買取業者の場合は事前に純正パーツに交換したり、社外パーツの取り外しを行った上で買取してくれることもありますので相談することも1つの方法といえます。その際は有償か無償かの有無も確認しておくとよいでしょう。有償であっても、それ以上の価格で買取してもらえるのであれば検討の余地はあるといえます。
旧車王が考える「旧車の定義」とは?
ここまで、旧車・絶版車について解説してきました。あくまで一般論として「旧車に明確な定義はない」とお伝えしましたが、私たち旧車王では独自に「旧車の定義」を設けています。
最後に、旧車にこめた私たちの想いとともに旧車王が考える「旧車の定義」を紹介します。
新車から10年以上経過したクルマ
旧車王では、旧車の定義を「新車から10年以上経過したクルマ」としています。オーナー数関係なく車が使われる期間の平均年数が13年、1人が1台の車を使う平均年数は7.1年です。この数字から「車としての価値が変わるタイミング」が10年であると考えました。
旧車の役割とは
新車には、最新の技術・デザインがふんだんに盛り込まれています。その時代の最先端を行くのが新車です。しかし、月日の流れとともに技術もトレンドも移り変わり、車の役割も変わります。時代の最先端を走る存在から、時代を証明する存在に変化するのです。製造された当時の技術やデザインの生きた証を残し、人々はその味わいに価値を感じるようになります。車の使用年数のデータをふまえ、私たちはこの「車としての価値が変わる」タイミング、つまり10年が車の第2の人生が始まるときと定義しました。
旧車王は循環型社会に貢献します
10年以上経過した旧車の価値をさらに高めていくのが私たちの仕事です。
ハイパー消費時代の中で、少しでも古くなったものは捨てて、新しいものをすぐに購入するという風潮が広まっていました。しかし、新しいものを消費し続けてばかりでは環境に問題が発生し持続可能な社会は実現しません。世の中は持続可能な循環型社会へ移行しようとしています。その中で、自動車業界でもまだまだ使える車両を修理・修復し活用していくことが必要です。
車の平均使用年数について前述しましたが、まだまだ長く走り続けられることを、私たちは日々実証しています。10年経ったから廃車にするなんて勿体ない。10年以上経ったクルマは現代にはない「歴史的工業遺産」であり「自動車文化遺産」です。そのクルマが駆け抜けた歴史を証明し、循環型社会に貢献するため、自動車再生事業を発展させていきます。
旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!
長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。