去る2023年9月3日、箱根ターンパイクにて、OZホイールのファンが集うファン感謝祭『OZファンミーティング』が開催された。
今回で5回目になる同イベントは、OZホイールを取り扱うオーゼットジャパン(株)が主催する。
参加資格はもちろん、同社の取り扱うホーイルであるOZ、MSW、Sparcoホイールを車両に装着しているオーナーとなる。
それ以外はもちろん国産、外車、新車、旧車は問わない。
午前9時を回り始めたころから徐々に、1台また1台と足元をOZホーイルで固めた車輌が会場入りする。
スイフトスポーツからMINI、R35GT-R、フェラーリ テスタロッサに至るまで。
こうして見てみると、改めてOZは多くの車輌に本当によく似合っている。
もちろんそれらは各オーナーのチョイスやセンスもあるのだろうが、そこを除いたとしても各車体にマッチしていると思う。
■レースで培った技術メーカー
そんなOZというメーカーは、1971年にイタリアで産声を上げた。
シルヴァーノ・オゼッラドーレとピエトロ・ゼンの2人によって立ち上げられ、2人の頭文字をとりOZと名付けられ、ベネチア近郊の街で創業。
まだWRCなどという言葉がない時代に、ミニクーパーに合金リムのホイールを装着してレースに出場。
当時のラリーレースにて優勝を飾る。
同時にバイク用のホイールも開発。
それからはさまざまなレースにおいて、多くのメーカーの車種に装着して積極的にレース活動を展開。
今では必ずと言っていいほど、多くの競技にこのロゴが踊っている。
■こだわりのオーナー車輌
新車旧車問わず、車輌本体もさることながら、やはり履かせるホイールにもこだわりが感じられる。
こちらのZ32もその1台だ。
時代感覚もあるのだろうが、この年代のクルマだとどうしても他社のホイールを入れているイメージがある。
ヤリスやインプレッサのようなラリー等のベース車輌などにも履かせるオーナーが多いが、なかにはホイールが気に入っていて、そのままキャリーオーバーで履いている方もいる。
あるオーナーは、「クルマをワゴンモデルに入れ替えましたが、その際前のクルマに使っていたOZホイールが気に入っていたので、今のワゴンにも履かせています」と話してくれた。
当然なのかもしれないが、OZ以外のホイールが驚くほどにいなかった。
今回筆者が見逃していたのでなければ、唯一Sparcoを履いて参加していたシトロエン C4。
もちろん参加OKであるが、ラリーベース車輌等がこれだけ参加しているのだから、もう少しいても不思議はなかったのだが、他に姿は見られなかった
■スカイラウンジ1分間の攻防
舞台挨拶では1分間アピールタイムとして、協力企業のコメントタイムがあたえられていた。
2人の女性ドライバーがOZの製品をアピール。
国産でもこだわりを持って履いているクルマは少なくないOZホイール。
特に競技用となれば尚更だ。
ガスり気味のターンパイクで一際目を引いたのは、キャラクターラッピングを施されたクスコジュニアレーシングの車輌。
若手ドライバーである、赤城ありささんの駆る個体だ。
ご本人はホイールについて、「デビュー間も無くまだまだ性能もその良さも活かしきれていないので、これから頑張ってその良さをアピールしていきます」と語ってくれた。
こちらを読まれた方々も、ぜひ暖かく見守って応援してもらいたい。
スズキ スイフトで参加されたのは、特徴のある衣装で登場された、ラリードライバーの兼松由奈さん。
全日本ラリーのエントリーにOZホイールを履いて参戦している。
舞台挨拶でも10月の最終戦にも同車輌でエントリーするということで、「応援お願いします」とコメントされていた。
協力会社の持ち込んだ車輌もまたこだわりが強い。
3台のセリカが居並ぶが、こちらはカラーリングショップ=プロトタイプが持ち込んだもの。
WRCでのセリカの活躍を見た世代にはたまらない並びだが、これらすべてのセリカの足元は、やはりOZで固められていた。
コメントでは、165系のセリカに15インチのホイールをはいて来たが、できれば再販をお願いしたいと。
ただし、需要は見込めると思えませんが…と会場の笑いを誘っていた。
朝霧の立ちこめる箱根ターンパイクで始まったOZファンミーティング。
多くのOZホイールを愛するオーナーや、それを支えるショップなどに囲まれ終了した。
気がつけば、あれだけ視界を奪っていた濃霧もすっかり晴れて、芦ノ湖周辺を見渡せるほどの好天になっていた。
また次回も多くのファンとの集いになることを予見するようだ。
OZは誰もが知るホイールメーカーだ。
だが意外なことにスポンンサードしているレースはあまりないという。
多くが供給はしているが、販売なのだ。
それゆえにオフィシャルサプライヤーとして名乗ることがあまりないともいえる。
縁の下の力持ち、サスペンション下の仕事人。
OZとは、そうした姿勢を貫いている企業といえるだろう。
[ライター・画像 / きもだこよし]